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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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「では、悪徳商人とか次々と捕まってるわけだな」

「そうなのよ、今まで散々っぱら悪事を重ねてきたんだから、酷いわよきっと。奉行所に引っ立てられて、拷問部屋に放り込まれて、石抱き拷問……」

「わーー、いい、その後どうなるかわかる。最後は獄門台だよな」

「そうそう、簡単に死なないようにわき腹を槍で刺されて苦しみぬいて、悪い奴はただ殺すだけじゃ。そういう奴の最後を見せつけるのも、世の正義と平和のためなんだから」

 それはそうだろうが、その正義を執行されると、大変困る立場に立ってしまってるんだよ!

 

 

 

 

 

 教団に入っても、教祖になっても日が浅いし、前教祖と幹部のジジイどものせいにするという手はもちろん考えてるが、あいつらを殉教者にしたところで、逃れられるのは五分五分か?

 今や奉行所はいかなる誘惑にも屈しない、正義の執行機関と化してしまってるんだぞ。

 勿論、芥子の実の栽培、その運送、生アヘン製造からヘロイン精製、それらの販売まで、かかわったなんて証拠はどこにもない。

 しかし、灰色が白になるとか、客観的な証拠がないといけないかいうのは、近代的な捜査機関と司法機関が存在する場合に有効な話だ。

 ここでは一応証拠は必要らしいが、捜査も立証も判決も全て奉行所で行われる。

 つまり、捕まって酷い拷問の結果、罪状を認めたらそれまでなのだ。

 証拠について、灰色の物ならいくらでもある。

 なんせ、生産地の大酋長で製造販売元の教祖……。

 こりゃいかん、実際に変人や犯罪人がごまんといる、たちの悪い宗教団体だ、正義に目覚めた聖人君子集団の奉行所が、取り潰して、見せしめに教祖を最も苦しむ方法で惨殺して獄門台に飾るくらい考えてもおかしくない。

 逃げないと!

 っていうか、なんで決死の思いで、頑張って、苦労して、それなりに成果を上げてきたのに、命の危険にさらされないといけないんだ?

 ちょっとした手違いで奉行所を完全なる聖人君子の正義の味方にした結果、悪の親玉として命を危険にさらさなきゃならないなんて、不条理極まりないじゃないか。

 いや、そんなこと言ってる場合じゃない、逃げるぞ。

 教団に未練なんか当然ない。

 調べないといけないことも後少しくらいは残っているが、死んでしまっては元も子もない。

 ハインツルドルフとグスタフイワノフに、ハンビーで助けに来てくれるようにとテキストメッセージを送っておいた。

 そのあとだ、プローブドローンが、教団施設すぐそばまで役人の群れが来て、取り囲んでいると知らせてきた。

 どうする、武器は小型の拳銃と弾が予備薬莢を含めて18発、それに麻酔銃にナイフ、高性能炸薬を装填した小型爆弾が幾つか。

 防刃服を着ている事もあり、十人や二十人なら倒せる自信はある。

 しかし、プローブドローンの映像を見る限り、今教団施設を取り囲んでいるのは、弓矢に火縄銃で武装したうえ、槍や刀を持った取り方が、数百人では効かないぞ。

 ひょっとしたら数千人いるかもしれない。

 爆弾を使ったところで、逃げ切れるのは無理と判断した。

 他に何かないのか?

 こ、これしかない……。

 帝国情報部支給のサバイバルキットから、ウエットバッグというのを取り出した。

 薄いナイロンのような強化シートで作られた、マミー型シュラフ(寝袋)のようなものだと思えばいい。

 中に入って超高密度酸素ボンベを起動させると、水中で一日くらい潜んでいられるという優れモノだ。勿論酸素ボンベ次第で何日でも潜んでられなくはないが、食事睡眠その他の事情で限界がある。

 解りやすく言えばビニール袋の中に酸素を詰めて水に潜るのの、上級編ってとこだ。

 奉行所と、どこから連れてきたのか軍隊級の取り方どもが来て、探して、去っていくまで、もしくはハインツルドルフとグスタフイワノフがハンビーで迎えに来てくれるまで、何処かに隠れていないといけない。

 役人どもは壁に穴をあけようと、建物を破壊しようと、お構いなしに教祖を探すだろう。

 なんとか前教祖と幹部のジジイどもだけ捕まえて、それで納得して帰ってもらわないといけないのだが、その間こいつで隠れていないといけないのだ。

 それから先は怒涛のごときものであった。

 イナゴの群れのように教団施設に押し寄せた取り方は、飛び口や大金槌を使い、教団施設周囲を取り囲む塀を難なく取り壊した。

 そして信者どもを問答無用とふん縛り、建物に押し寄せ、中に侵入してきた。

 逆らうものは容赦なく敲き伏せられ、建物は入り口といわず壁といわず、手当たり次第に破壊されていく。

 流石にすぐには無理だったが、一時か二時ののち、建物は打ち壊され、残骸のみとなって散らばった。

 いずこからか火の手が上がり、最初は小さなものでしかなかったのが、いつしか残骸に燃え移り、燃え広がり、大きな火となって行き、白や黒の煙を巻き上げ、燃えつくしていった。

 役人どもは老いも若きも男も女も関係なく、教団の信徒を縛り上げたのち、列に並ばせて連行していった。

 容疑が何なのかはわからないが、あとで幾らでも説明がつくのだろう。

 飛び口で残骸を払いのけ、燃え残っている空間がありそうな所にはくまなく槍を刺し、火縄銃を打ち込んだ。

 教団幹部や前教祖は捕えたが、現教祖がどこにも見つからないからだ。

 引っ立てられる信者も誰もそれを知らず、いつしか教祖は奇跡の秘術で姿をくらまされたと語られるようになった。

 

 


 

 

 


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