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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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 教祖を褒めたたえる詩が読まれ、像を作るとかいう話まで出た。

 生きたまま銅像を作ってもらうのは流石に恥ずかしいので、何のかんの言って辞退したが、詩の方は上手いのから下手なのまで一体何種作られてしまったことか。

 そうしてわずか数日もしないうちに、その知らせは届いた。

 どうなるんだろうなと、かなり無責任に待ってたのだが、思ってたよりも早かったのには驚かされた。

 内容はというと、あの勘定奉行や町奉行が解脱したというか、完全に別人格に変わったというものだ。

 

 

 

 

 聖人君主になった勘定奉行は、これまで行われたことなどなかった本来のお役目を、完全に何一つ手抜かりなく実行し始めた。

 勘定奉行配下の与力も聖人君子へと生まれ変わっているので、奉行からの命令に一命をかけるつもりでそれらに取り組み始める。

 全ての汚職を一掃し、弱者を苦しめ私腹を肥やす悪い輩を次々にひっとらえて投獄し、拷問にかけ始めた。

 それに呼応するように町奉行は市中に暗躍する悪人どもを次々と捕え、ほどなく牢獄は満杯になった。

 犯罪集団、愚連隊、極道の類は捕えられ、牢獄は満杯につき、お前らにお白洲はないとその場で切り捨てにされた。

 街を歩けば一辻ごとに路上強盗がいたのだが、全く見かけなくなった。

 あらゆる悪があっという間に根絶されたようにも見える。

 あ、しまった……。

 いい事ばかりのような気がして忘れてたが、市中にはびこる違法薬物を作って売ってるのは教団だったっけ……。

 えらいこっちゃ、そんなことすっかり忘れてた、このままじゃ麻薬組織の首領として、町奉行所にしょっ引かれて、拷問にかけられてしまう。

「エスメラルダか、大変なことに気付いた」

 モバイルデバイスを使って呼び出してみると、すぐに応答してくれたので、もしかしたらこちらからの連絡を待ってたのかもしれない。

「あ、どうかしら、ハインツルドルフ達の頑張りが実を結んでか、最早街中から犯罪という犯罪は、すっかり撲滅されちゃったわよ」

 なんかすごくうれしそうだった。

「そ、そうか……」

「それに、もしかしたら、もしかしたらだけど、上の方が動いて、橘家お取りつぶしの件に、再審査が入りそうなのよ」

「そ、そうか……」

「まさか、こんな方法でうまく平和取り戻せるなんて、すごいんじゃない?」

 大喜びで褒めてくれてる。

 これじゃ、このままじゃ、麻薬組織の首領として取っつかまってしまう、どうしようなんて、とても言えないじゃないか。

 そんなこととうの昔に考えてると思われてるに決まってるぞ。

「でも、もし、もしもよ、この方法で敵の首領を見つけられて、それを改心させちゃうことが出来て、戦争を未然に回避出来たらなんて思うと、私、感激しちゃって。短絡的かもしれないけどね」

 だ、駄目だ、エスメラルダに今の悩みを言える状況じゃない。

 もう一度考えてみるが、この教団で芥子からアヘンを作って精製してヘロインを作って、教団の信者が売りさばいてる。

 芥子の実はどこから仕入れてるかといえば、川上の村落一体からだ。

 で、その芥子畑を持つ、広大な川上の村落を取りまとめてるのは大酋長だ。

 で、その教団教祖と大酋長ってのが……。

 何故か両方やってるじゃないか、これ、どう見ても捕まれば獄門台にさらされる極悪人じゃないか。

「上手く言ってるように見えるときに穴があるんだ、こういう時こそ気を引き締めないとな」

 わーー、心とは裏腹にまたこんなこと言ってしまった。

「そうね、さすがね。でも、今のところ上手く行き過ぎってくらい上手く言ってるわ」

「そうなのか?」

「そうよ、今まで悪い奴から袖の下を貰ってた与力や同心が、自分の行いを恥じて、その所業を全部告発する遺書を残して切腹しちゃったり」

 まて、麻薬取引見逃してもらう礼として袖の下渡してたのは、教団なんだぞ。

「切腹とは。最後は武士らしいんだな」

「ええ。かなり多くの役人が、自らの罪、死してお詫びいたしますって、介錯不要で腹を十字に切り裂いて、白装束を朱く染めて見事な最期を遂げられたそうよ。その分告発文も信頼がおけるって言われてるわ」

 その告発に教団が無関係なわけないじゃないか……。

 捕まったらどうなるんだ?

 ギロチンや電気椅子、薬殺なんて生易しい事で済まされないぞ。

 奉行所に引っ立てられて、拷問部屋に放り込まれて、石抱き拷問、水車拷問、生爪は全部剝がされて、穴釣り拷問、そのあと市中引き回しの上、処刑台の木に縛り付けられて、仕置き人の槍で、横腹から肺の下まで貫かれて、苦しみながら最期を迎えた後、斬首されて、生首を獄問台にさらされてしまうんだ。

「では、悪徳商人とか次々と捕まってるわけだな」

「そうなのよ、今まで散々っぱら悪事を重ねてきたんだから、酷いわよきっと。奉行所に引っ立てられて、拷問部屋に放り込まれて、石抱き拷問……」

「わーー、いい、その後どうなるかわかる。最後は獄門台だよな」

「そうそう、簡単に死なないようにわき腹を槍で刺されて苦しみぬいて死んだ生首が」

「だからいいって、それは」

「だめよ、悪い奴はただ殺すだけじゃ。苦しみぬいて死ぬようにしないと。そういう奴の最後を見せつけるのも、世の正義と平和のためなんだから」

 それはそうだろうが、その正義を執行されると、大変困る立場に立ってしまってるんだよ!

 

 

 

 


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