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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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 このまま頑張って信者の思っている事を、口に出す前に既に実行している教祖にでもなれれば、この後の活動もやりやすい。

 こういうのは、いかにも人気集めっぽい奴を取り上げるより、少々地味に見えるが、実はこういう風に改善してほしいという意思が、ひしひしと伝わってくるような感じの者の方が、実は効果が有るものなのだ。

 

 

 

 

 

 そういう目線からえーーっと、これと、これと、こいつと……。

 伝令管を使って巫女を呼んだ。

「教祖様、お呼びでしょうか?」

「ああ、今書類を作ったんだが、これらの案件を頼む。これは信者から委ねられた教祖として大切な役割だ」

 やった方がいいだろうなと思う書類に、実行のための手順とを書き、予算を出し、それを承認した書類を手渡した。

 ところで、こういうのってもしかしたら、中堅幹部の誰かが担当係になってるのかもしれないな?

 どう考えても巫女は秘書じゃない。

「きょ、教祖様、こ、これは」

 そう考えてたのだが、杞憂に終わり、巫女はそれを見て泣き出さんばかりに喜んだ。

「これからも教団をより良くしていく為に、色々とこういったことを積み重ねていこう」

「解りました、教祖様がそこまで教団と信徒の事をお考えになられている事を知り、ただただ感謝するだけです」

 そうなのか?

 とりあえず気になっていた事の中から、たまたま要望が上がってた物を見つけたので、選んでおいただけだが。

「いやいや、教団の為神の為、あらゆるところに目を光らせるのが教祖の務めだ。この要望を上げた人物も教団の事を考えればこそこのような事を言ってきておるのだ」

 こりゃ、無理にしらじらしい人気取りしなくても、上手くいきそうだな。

「ありがとうございます。教団幹部の女性信者更衣室立ち入り検査権の廃止、教団幹部の女湯入浴権の廃止もなさられるわけですね」

 当たり前だろう、あの幹部ども何考えてたんだ?

「それは手始めにすぎぬ」

「はい、のぞき見防止のための厠の囲い塀修繕、それから、共同井戸からの長し樋の増設、野焼きを禁じてごみ焼却炉の建設、どれをとっても素晴らしい物ばかりです」

「厠の囲いがそんなにボロボロだったとは知らなかったのだ」

「男性用はそんなに酷くはありません、女性用が穴だらけだっただけです」

 あの幹部のジジイどもの仕業だな。

「これからは女性信者がもっと増えてくれるように、抜本的な改革を進めていくつもりだから、手伝ってほしい」

「喜んでお手伝いさせていただきます。他の巫女も同じと思います」

「それはうれしいな」

「あのーー、教祖様……」

「どうしたんだ?」

「実は女性在家信者及び新規入信を希望する女性に、教祖様は大変に人気が高く、お近づきになれる我々は羨望の目で見られているのでございます」

「そ、そうなのか?」

「はい、在家信者、入信希望者が多数、教祖様のお近くでのご奉仕をと希望し、事務手続きが間に合わないと聞き及んでおります」

 えらいこっちゃ、またこんなこと言われ始めた。

 ハインツルドルフやグスタフイワノフなら大喜びするんだろうが。

「これこれ、教祖の傍での奉仕みが信仰の道ではない。一見地味に見える事にこそ真理があるのだ」

「きょ、教祖様、なんと素晴らしいお言葉、書き留めてよろしいでしょうか?」

「やめなさい、心のうちに持っておくだけでいい」

「はい、ならばそう致します」

 とか、言いながら、何故か教祖の発言はすぐに広まるんだろうな。

「さあ、この書類をしかるべき部署に回し、教団の改革をまずは建物の面からでも進めていこう」

「あ、そ、その通りですね、私がここにいると、折角の教祖様の有難いお心遣いが一向に進展しないことになります。気が付かず申し訳ございませんでした」

「いやいや、謝るには及ばん。聞き間違い等がないか、万事抜かりなく聞き伝えるのも重要」

「はい、ありがとうございます。しかし、取り急ぎこの種類を関係部門に届けてまいります。感謝いたします」

 深々と頭を下げて巫女は帰っていった。

 それからの進歩は早かった。

 というか、簡単にできることをほっぽりだしっぱなしだったとしか思えないんだが……。

 厠の壁の修繕なんか一日もいらなかったし、井戸から樋を使って遠くまで水を送る設備も、頑張ればすぐできた。

 特に水場関係の改革は思いのほか喜ばれ、教団本部内のあちらこちらで、教祖を褒めたたえる歌がカストラートだけではなく一般信者からも歌われた。

 教祖を褒めたたえる詩が読まれ、像を作るとかいう話まで出た。

 生きたまま銅像を作ってもらうのは流石に恥ずかしいので、何のかんの言って辞退したが、詩の方は上手いのから下手なのまで一体何種作られてしまったことか。

 そうしてわずか数日もしないうちに、その知らせは届いた。

 どうなるんだろうなと、かなり無責任に待ってたのだが、思ってたよりも早かったのには驚かされた。

 内容はというと、あの勘定奉行や町奉行が解脱したというか、完全に別人格に変わったのだ。

 

 

 

 


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