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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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「少し予定より早い到着になりますが、おとりの解脱の聖水が襲撃され、これ以上別の道を遠回りし、遅れる理由はないかという事だそうです」

「そ、そうだな、無事到着して安堵しているよ」

「早くも信心深き者たちが神官たちの手によって振舞われる、この度運ばれてきました本物の解脱の聖水の下戴に預かっております」

 まてよ、これじゃ、予定より早く共生生物の幼体が、教団の信者どもの体に取り込まれていくって事になるんだが……。

 

 

 

 

「そ、そうなのか。早いな……。いや、その、まあいい、無事皆、解脱できることを願っておるぞ」

 多少言葉に詰まりながら、なんか物凄く感激してる巫女に言ってやった。

「はい、聖水下戴に賜りました信者一同の願いです」

「そうか。ところで、使いの者共は何か言っておったか?」

「いえ、ああ、予定よりも早く届けることが出来たと喜んでおりましたが」

「そうかそうか」

 どうなってんだ、話が全く読めないのが怖い。

 解脱の聖水と呼ばれている共生生物の幼体を襲撃する話は、教団関連の誰にも言っていないはずだ。

 こちら側の仲間たちがばらすとも、とてもじゃないが思えない。

 エスメラルダしかり、ハインツルドルフにグスタフイワノフもそうだ、データーアンドロイドv5に至っては情報漏洩など論外だ。

 ってことは、本部といわれる組織に疑念を持たれていて、こちらに何も告げずに、最初に偽物を運ばせ、第二便で本物を運ばせたって事になる。

 お前の不穏な動きは、すべて知っているんだぞ、とでも言いたいのか?

 そこまで先読みする力を持った異能力者がいるという事なのか?

 いずれにせよ、教団に教祖として潜り込むことが出来て、その地位は安泰だと思っていたんだが、疑われていて、相当危ないところに立たされているって事になるのか?

 解脱の聖水が運搬中に襲撃されることなど、読まれてたんだってことになれば、こりゃ、ひと暴れしないといけない事になるかもしれないな。

 銃を持ってはいるが小型のオートマティックで、弾倉に6発込められているだけだ。

 高性能小型炸薬がいくつかと、麻酔針を撃つ小型装置があるのを確認しておこう。

 モバイルデバイスを使って、ハンビーからのミサイルの照準を教団本部の建物にロックさせる。

 何発か打ち込めば騒ぎが大きくなって、逃げ出せる可能性も上がるだろう。

 間違ってミサイルで死ぬかもしれないが……。

 不気味な待ち時間が続いた。

 打って出るべきか、どうすべきか考えていると、共鳴管から例の本部からの通信機の呼び出し音が聞こえた。

 なるほど、むこうから連絡してきたって事は、その時も近いって事だな。

 よし、堂々と受けて立ってやろうじゃないか。

 教祖室を出て、通信機を置いてある部屋に向かった。

 もう道順は覚えていて、迷わずに通信機室に来ることが出来、旧型の通信機を使い、本部を呼び出してやった。

「ああ、教祖ですが、御用のほどは?」

 相手が出たらしいのを確認して、何でもやれるもんならやってみろと、わざと堂々と答えてやった。

「あーー、マンズマンズ、すんまねごどしちまったべな」

 な、なんだ、本部のやつ、謝って来てるのか?

「いえいえ」

「そげにおごらねでくれや、おらだずまぢごーでおぐっちまったけんど、すぐおぐりなおしたべや」

 なんだ、一回目の奴は誤発送で、慌てて二回目に正しいものを送りなおしたように言ってるように聞こえるが。

「まあ、もういいですがね」

 ここはひとつ、怒ってはいるけどグッと抑えてるって風に話を持ってこう。

「だんだー、怒ごっでるべや」

「教団では今、解脱の聖水を信者に下戴している最中で、多忙なのですが」

「そ、そげに怒ごんなやーー。おらだず、田舎もんだべ、注文書さー、発注書でぇががれでで、その時点でぇなんがあなんだがわかんねくなっちまってよー」

 なんか、言ってることが本当だと、十中八九確信してきたぞ……。

「でも、それとこれとは」

 一回目の荷物を間違えて出庫する理由にはなっていないぞという意味で言ってやった。

「すんまね、すんまねぇ、このとおりだべ、ごめんしてけろや」

 この通りって、声しか聞こえてないんだが……。

「っていっても、一回目の奴を間違えて教団の信徒が飲んでたらどうなるんです?」

 これはほんとに聞いておきたいことだな。

「ははははは、まんずまんず、しぬごどなんざぁなかーー。ちょっと、赤がんぼーさーになっちまって、治らなぐなるだけだんべーー」

 確か最初に幼児化現象が起きて、そのあと解脱するって流れだったと思うんだが?

「治らなくなるって?」

「赤がんぼーさーなっで、ずーーど、そのまんまだべや」

 失敗作らしいが、どうやったらそんな見事なまでにアホなもん作れるんだ?

「困りますよ、そんなもの送ってこられて、知らないで子供になっちまったのを永遠にあやし続けるなんて」

「いやすんまねだ。つぎのやつは、しっがりしだやづ、おくっといたべ、ごめんしてけろや」

「次から気を付けてくださいよ」

「わがっだわがっだ。次のも用意さぁしとるべな、こんどぁ、まぢがえずおぐるべな」

 プチ、ピーーー。

 そう言ったら通信を切ってしまった。


 

 

 


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