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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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 こんな教団の教義を守ったり、出どころ不明の御本尊を祈ったところで、何のご利益もないが、何かいいことがあればその時は勝手に、自分が教団を信仰し、祈ったからだと思い込んでくれている。

 なんぼなんでも、こんな奴らでも、何十万人も犠牲にすることなんて、とてもじゃないができっこないいよ。

 ただ、ある意味、教団と神に対し、最高の祝福を受けることが出来るものだといったら、至高の喜びの中それを受け入れる事だろう。

 

 

 

 

 人の幸せはその個人個人が、最高に良いと思ったことをなし、望んだものを受けることが出来る事なんだと仮定したなら、最高の祝福を与えてあげている事になるんだが。

 いや、いかんいかん、屁理屈でとんでもないことを奨励するところだった。

「失礼いたします、教祖様、お忙しいところを申し訳ありませんが、素晴らしいお知らせがありましたので……皆感動に打ち震えておりまする」

 なななんだ、扉の外から聞こえてくるのは、おそらくは若い巫女の誰かの声だ。

「なんだ?いい知らせだって?あ、すまぬ、今から出るから少し待っててくれ」

 この酔っぱらいどもが倒れて眠り込んでる部屋に入れられるわけがないから、扉を開けて外に出た。

「きょ、教祖様、わざわざお出になってくださりますとは……。あ、知らせと申しますのは」

 教祖自ら扉を開けて外に出てきてくれるとは思わなかったようだ。

「では、話してくれるか?」

 後ろ手にしっかりと扉を閉めて、廊下で立ち話という形になったが、中で幹部どもが朝っぱらから何をしているかを知られるわけにもいかない。

「はい、それはそれは素晴らしい幸せです、教祖様」

 巫女は嬉しそうに胸の前で手を組み、目を輝かせて、いかにもとてつもなく良い知らせを持ってきたと言いたげだった。

「そうか、信者の幸せは私の無上の幸せ、今日この日が最良となりそうだな」

「はい、教祖様。おききくださいませ、あの、一般信者から幹部候補生になることを認められるために修行中のお三方が、あの方々が」

 へ?

 あの、ばぶーー、とか、なんとかでちゅーー、とか言ってた連中のことだよな……。

「どうしたのかね?」

 巫女の感激ぶりから、おむつなしで良くなった程度の事ではないって事は、薄々わかるんだが。

「はい、あのお三方が、お三方が……」

 喜びすぎて泣き出しそうだった。

「あの者たちが、どうなったのかね?」

 出来るだけ優しく紳士的に聞いてみる。

「は、はい、あのお三方が、お三方が……」

 早よいえよ……。

「どうしたのですか、言ってみてください」

 巫女は思い切って、その最良の事らしいことを口にした。

「解脱致しました」

……?」

 へ?へ?へ?

「はい、あの方々は、見事教祖様と神のお導きにより、解脱なさったのです」

 解脱って……?

 確か、って言ってもあんまり詳しくないけど、煩悩とか苦しみとか、そういったものから解き放たれて、魂だか精神だかが、完全に自由に、別段階の高みに登るとか、そんな感じだった気がする。

 まあ、データーアンドロイドに聞けば全部教えてくれるだろうから、あとで聞くとして……。

 さっきまでおむつがいるような、おもちゃの取り合いしてたような、そんな連中だった気がするぞ。

「そうか、それはそれは、無常の事であるな」

 いきなり教祖になって、部下、じゃないや、下にいる信者が解脱したら、どう振舞えばいいんだ?

 そんなこと誰も知らないに決まってる。

「はい、はい、全て教祖様の、教祖様のおかげにございます」

 巫女はこらえてた涙を、大粒の涙をボロボロこぼしながら、泣き始めた。

 ちなみに、教祖だが、何にもしていないぞ。

「私は何もしていないよ。あの者たちが信仰を正しく持ち、修行をしたことを、神がお認めになられた、ただそれだけのことだ」

 どう扱えばいいんだ、どうすればいいんだ、どう逃げればいいんだ???

「いえ、教祖様はそういわれますが、死の淵にありました者を、そのお力でお救いになられ、その者が一番に解脱なされ、その方が教祖様よりお借りしました力で、他の三人も解脱させたので、全ては教祖様のおかげにございます」

 へ、へ、へ、あの腹からバケモンがでてきて、万能治療薬飲ませて、やけくそみたいに床にまかれてる血をそいつに入れ戻して、出鱈目なことやって放り出してたあいつ、無事回復して、解脱したの?

「そうか」

 この場合言葉が少ないと、教祖自身知り尽くしてるから、あまりしゃべる必要すらないと思い込まれてしまうのだが、何をしゃべっていいのかも解らないのが現状だ。

「はい。死の淵から蘇らせなさり、その者を解脱させ、他の物の解脱すら間接的にお助けになられていらっしゃるのですね」

 一部事実だが、あの万能回復薬は、持ってただけで自分で作ることなどできないぞ。

「うぬ」

 あ、全肯定したと取られてしまう短い返事をしてしまった。

 え、ちょっとまてよ、4人とも解脱したって事か?

 最初の一人は知ってると思い込んでたから報告しなかったってことで、三人だけが解脱したわけじゃないってことか?

 って事は全員解脱してるじゃないか?

 


 

 

 


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