ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。
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「私どもにはわかりませんが、前教祖がそう申しまして」
どうでもいいけど前教祖から様が抜けてるんだが、こういうところから本心がうかがえるのだ。
「もしかして、ほかの三人にも奇跡の子がいるとか?」
「そのような兆候が出始めているとか伺っております」
まだ確かではないが、あの怪物の母体になるのと、異能力と関係がありそうな言い方だな……。
「その者どもに会えるか?」
そういうと巫女は顔を見合わせて、少し申し訳なさそうな表情を見せた。
異能者の存在が公になっていなかったって事から考えて、っまあ、結構な問題を抱えてるって事だろう。
「他の三人なのですが、異能に目覚めてからその、何と申しましょうか、性格が全く別人に変わってしまいました」
「三人だけなのか、今ここにいる奴も含めてなのかどっちだ?」
「はい、4人ともです」
「どんな感じにだ?」
「性格が、横柄で我儘って言ったら、変ですね。物わかりの悪い子供のようになってしまうんです。本人は悪気は無いとは思うのですが」
まあ、どうせおバカな事だろうと想像してたし、この程度で済むわけがないと疑う余裕すらある。
「それ全部、男だよね。腹が膨らんでて、それでいて、さっきの化け物みたいなのが中にいる……。いや、それはわからないか。しかし不思議だな……」
腹に化け物がいるのは解ったが、それで性格まで変わるのはなんか、説明不足な気がするが、事実、変わってるようだし。
まさか、男って子供が出来たら幼児化するもんで、資料が少ないから知らないだけなのか?
いや、絶体にそんなことない、ありえない、馬鹿げた考えだ。
「教祖様、先程のようなものが、他の方の腹にもいるというのだとしたら、また同じように出てくるのではありませんか?」
「そうだった、早く手を打たないと」
巫女たちに背を向けて死角を作り、先程の化け物を殴った棒から、その時ひっついた皮膚と思われる物を、プローブドローンに詰めた。
この後データーアンドロイドⅤ5に送って分析させるためだ。
「あの……。すみません」
「どうした?」
「前教祖が言ってた、神の奇跡というのは、間違えですよね」
「まあ、見たまんまだと、どう見ても間違えだな」
巫女たちから完全に前教祖への信頼が薄らぎ、消え去ろうとしている。
おそらくもともと、薄々感じてたんだろうな。
「悪魔のささやきが余りにも巧み過ぎて、前教祖でも騙してしまうほどだったということですね」
一応巫女の立場から、本心と全く違う事を言っているのはよくわかる。
それよりもだ、化け物は腹の中にいるだけだ、脳を支配しているようでもないのに、何故性格が変わったんだ?
神経節に結合したか、脳内物質をコントロールする化学物質でも出しているか、あるいは本当に男は子供が出来たら性格が変わるのか?
あ、その辺はデーターアンドロイドⅤ5に任せとけばいいんだった。
「では、案内してくれるか。まず間違いなく腹にさっきの化け物がいるはずだ」
「わかりました、ご案内します」
「ちょっとまって、その前に武器を用意しておいた方がいい、一旦戻って持ってくるから、待っててくれ」
急ぎ足で自分の部屋に戻った。
途中先ほどの化け物の皮膚サンプルを入れたプローブドローンを放ち、データーアンドロイドの所に向かわせる。
念のために小口径の銃を隠して持っておこう。
部屋に急ぎ戻り、32口径オートマティックを隠し持ち、他に何か武器になりそうなものはと探したのだが……。
おあつらえ幹の物が見つかったんだが、これって聖なる金槌っていう奴だよな……。
まあ、これで殴ればさっきの化け物にもかなりの効果を与えることが出来るのは間違いないが……。
ここの信者どもは、不信人者を、いや、こんなあほな教団に入らない、まともな神経を持った一般の人間を、こんなものでぶん殴ってるってのか?
手に持った玄翁を少し大きくした、頑丈そうな金槌をしげしげと見つめて、むな恐ろしくなった。
もうその辺については考えるのをやめて、取り急ぎ目の前の化け物を何とかしに向かう事にする。
「待たせたな」
解れた部屋に戻ると、先程の二人の巫女に加え、気を失っていたもう一人の巫女も目を覚ましていた。
他の巫女に起こされたんだろう、その巫女は、自分が失態を犯したと思ってか、平伏して謝ろうとする。
「気にすることはない、邪悪なものを退治しただけだ、その方らにけががなくて何よりと申したはずだ」
「ははあ、教祖様、有難うございます」
「過ぎたことはもういい、他の三人の所にも案内してくれ」
「承知いたしました、こちらの方に進んですぐでございます」
恭しく先導する巫女について廊下をしばらく歩き、それらしい部屋の扉の前に案内された。
扉を開けてもらって、20畳くらいの部屋に入ると、中は滑り台や木馬、大きなサイコロに投げ輪など、子供用の遊具がそろっており、それを使って中年体型のオッサンたちが無邪気に遊びまわっていた。