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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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 生物はオッサンの体から抜け出し、寝台から床に転げ落ちた。

 一メートル弱はありそうで、人の体から出てきたにしては、思ってたよりでかい。

 獰猛そうだが、しょっぱなから殴り続けたおかげで、かなり弱っていそうだ。

 放っておくと絶対にこっちに襲い掛かてくるって感じ丸出しだ。

 生物は足をかがめたかと思うと、反動をつけて素早く飛びかかってきた。

 

 

 

 

 

 かなりの速度で正確に首をめがけて襲ってくるが、それゆえに狙いが付けやすい。

 向かってくる正面から、木の棒で思いっきり殴り飛ばしてやった。

 頭がひしゃげるんではないだろうかって程にだ。

 棒を持った手に物凄い衝撃が来てるから、殴られた方はかなり効いてるはずだ。

 飛びかかってくるところを敲き落されて、床に倒れているその背中を、太鼓のように木の棒で殴ってやる。

 背びれが有ったらしいが、ずたずたに避けてしまっている。

 よし、これだけやっつければ、戦闘力も相当奪えているはずだと思うが、相手は道の化け物、用心を怠らない。

 ふらふらと立ち上がってきた所を、首筋に向かって木の棒を思いっきり打ち下ろす。

 やった、動かなくなったぞ。

 しかし、これからは小型の銃を持ち歩いとかないとな。

 今も超小型爆弾は持ち歩いてるが、威力が大きすぎるし、破壊用であって破片型じゃないから、こういった敵相手に使うにはあまり向いていない。

「だれか、縄か何かを持ってきてくれ」

 後ろの壁際で震えていた巫女たちに言った。

 しかし、そのうち一人は気を失い、残りの二人も腰が抜けて立てないようだった。

「怖かったんだろうな、ならば無理はしなくていい」

 巫女たちを少し慰めて、縄の代わりになりそうなものを探した。

 部屋を見渡すと、替えの白い浴衣のような着物が何着かあり、折り重ねればその帯が使えそうだった。

 生命活動をしているかどうかすらわからない、そのおそらくは怪物の幼体と思われるものを、慎重に縛り上げた。

 背びれみたいなのがあるから、これが立ち上がって縄代わりの帯を切ったりしないだろうな……。

 寝台の上のオッサンだが、とりあえず口の中に放り込んだ万能治療薬の効果が有ったらしく、傷が癒え始めている。

 便利な治療薬で、確か床に散らばってる血を集めて傷口とか口とかに入れてやれば、輸血に近い効果が有るんだっけ。

 床の血を布にしみこませて、オッサンの口から入れてやる。

 中途半端にねとついてるが、布にしみこませられない程ではない。

 最後は水分補給も兼ねて、水がめの水を血まみれの布にしみこませて、絞って口から血と水の混合物を注ぎ込む。

「きょ、教祖様……」

 巫女の一人が素っ頓狂な声を上げると同時に、地面に平伏してしまった。

 あ……。

 もう一人意識があった方の巫女も、何が何だかわかるまでしばらく時間がかかったが、同じように平伏す。

 どう見ても、教祖が瀕死の重傷人を奇跡で癒すようにしか見えないじゃないか……。

 しかも、オッサン、見る見るうちに回復してるし。

「安心しなさい、悪しきものは滅び、怪我人の傷も癒える」

 自分でも,しまった、言いすぎかなと思わないでもない事を言ってしまう。

「教祖様、私はしかとこの目で見ました。教祖様がそのお力で邪悪を退け、瀕死の重傷者を蘇らせるのを」

 多少震えが混じった声だったが、奇跡を目撃した感激に震えているようであった。

 しまった、そう取られてしまったのか……。

「きょ、きょ、教祖様、私としたことが、教祖様が邪悪なるものと戦っている間、何もせず壁際で震えていただけだなんて……」

 もう一人もひれ伏しながら震えて言った。

 あらぁ、このままじゃこの娘たち、死んでお詫びするとでも言いかねないぞ、何とかしないと。

「何をいうか、邪悪なるものを滅するは教祖の当然の役割、其方らが気にやむことなど一つもないのだ」

 またえらそうなことを言ってしまったが、これくらい言わないと。

「は、ははーー、有難きお言葉感謝いたします」

「それよりも、この惨劇の原因というか、起りを教えてくれないか」

 ほんとに、何がどうなってるのか解らない。

「はい、この者は教団でも今時点では数少ない、修行によって異能を得て、一般信者から中堅幹部にと出世した者です。それが、ある日腹が以上に膨れ始め、中からぴくぴく突くような力が加わる様になったらしいのです。その件を前教祖に相談致しますと、これは神の奇跡だと申されまして」

 インチキは知ってたけど、凄い適当なやつなんだな、あの前教祖。

「奇跡とな?奇跡の子という意味か?」

「私どもにはわかりませんが、前教祖がそう申しまして」

 どうでもいいけど前教祖から様が抜けてるんだが、こういうところから本心がうかがえるのだ。

「わかった、数少ない異能者といったが、他に何人いるんだ?」

「全部で4人です、この方を合わせてですので他には三人になります」

「もしかして、ほかの三人にも奇跡の子がいるとか?」

「そのような兆候が出始めているとか伺っております」

 まだ確かではないが、あの怪物の母体になるのと、異能力と関係がありそうな言い方だな……。

 

 


 

 

 


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