ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。
こちらをご覧になれば、あらすじ等の理解に役立ちます。
但し、まだ制作中の部分も多々あります。
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「ですので通常のプローブドローンの探索機能の範囲内で調査することをお勧め致します」
「地中50センチより深く埋まっていないと信じて、どこまで続くか解らないケーブルを追っていくのか?」
「地中探査機能を使用すればプローブドローンのバッテリーの消費が増えるのでそう長距離は探せません」
「おまえ、良くそれでお勧めいたしますなんて言えるな」
あとは、ケーブルを追っていった数百メートル程離れたところに、電波が直進する性質のマイクロ波通信装置がある事を祈るだけだが、望み薄だ。
「それではまた何かございましたらご連絡ください」
「ああ、こっちも色々調べないといけないことが出て来てるんだ」
お望みが全く得られないまま、通信を切った。
さて、教団内の異能者なんてどうやって探せばいいんだ?
まさか、今更あのジジイどもが、隠しているだけで、異能者なんて事は絶対あり得ないだろう。
そうだ、この通信機、バッテリーで駆動してるんだけど、それはどこから運ばれてくるんだろう?
ボルタ電池とかじゃなく、ある程度は性能のありそうな電池のような気がするが。
見れば見る程不可思議な通信機をくまなく探ったが、何にも見つけることはできなかった。
とりあえず幹部用の会議室にでも戻る事にして、元来た廊下を歩いて行った。
そういや、月を消すのも何度もやると飽きられるから、肥桶喧嘩神輿くらい面白そうなことを考えないといけないとか言われてたな。
教祖の仕事も大変なんだなーー。
じゃないだろ、月を消すのは特異点を開き、その時の繊細なデーターを調べて、もしかしたら帝国領内の居住惑星に先制攻撃をかけてくるかもしれないんだから、それを最大限警戒しないといけないんだ。
「教祖様!大変です」
いきなり後ろから声がして振り向くと、若い巫女が三人、息せき切って追ってきていたようだ。
この様子だと何班かに解れて探していそうな感じだ。
「どうしたんだ?」
「産気づいて、今にも、今にも生まれそうです」
「なんだって、わかった、急ごう」
「はい、こちらです」
走り始めて少しして気付いたんだが、なんで誰かが産気づいて、教祖が行かないといけないんだろう?
着いたのは普通の板の間で、簡素な板張りの寝台に……。
「え、おじさんが?」
緩めの白い浴衣のような着物、体型がもともと緩んでいたのに、中にもう一人いるらしく腹が異常に膨れた、絶体にいい男とは言えない顔を、赤くはらして苦しみぬく、四十がらみのおっさんだ。
「すみません、教団の中には産婆経験者もいるのですが、その方でも今回どうしていいかわからず」
「そらそうだよな……」
で、教祖にお鉢が回ってきたのか……。
と、思ってた矢先だ。
寝台に横たわるオッサンの膨らんだ太鼓腹が、内側から物凄い力で突き上げられ、白い浴衣のような奴の前がはだけた。
腹の内側から、断続的に突き上げられ、オッサンの全身が激しく痙攣する。
三人の巫女たちは、部屋の隅に身を寄せ、手で顔や胸の前を守りながら、泣きそうな顔で震えている。
激しく痙攣するオッサンは、海老反りになり、口から壁まで届くほど激しく血を吐いた。
そして、オッサンの膨れた腹が、内側から破られ、中から何かが出てこようとしていた。
「なんだ、何か出てくるぞ」
黒か、緑か、血に染まっているので判別しがたいが、うろこのようなものに覆われた手が、オッサンの腹の中から出てきた。
中から出てくるものは、二本の手で腹を内側から開いていき、ニワトリのとさかのようなものを持つ頭部と思しき体の部位が姿を現し始めた。
腹を内側から麻酔なしで引き裂かれ、中から何か生き物が姿を現そうとしているのだ、どれほどの激痛か想像などできない。
おそらくは内蔵にもかなりのダメージを受けているはずだ。
口から血、腹の裂け目からも血、大量の出血で痙攣をおこすオッサンに、間に合うかどうか分らないが、急いで万能治療薬を与えた。
その後吐血したから、薬が体に入ったかどうかわからない。
有名SF映画のワンシーンのように、腹を突き破って化け物が出てこようとしているのを、黙ってみている手はない。
この状況、どう考えても、中から出てくる奴が有益とは思えない。
黒に近い濃い緑、ニワトリのような鶏冠に河童のような嘴、魚類とも爬虫類とも思える顔つき。
慌てて床の木の椅子の一つを床にたたき付けて壊し、50センチくらいの木の棒にして、そいつで腹を突き破って出てこようとしている生き物の頭部を横から殴りつけた。
頭蓋骨に木の棒が当たった手ごたえと音がして、その勢いでオッサンの体から中の生き物の、体半分以上が出てくる。
見た目からして絶体に保護動物だの、友好的な生物だのではないと決めつける。
オッサンの血に染まった生物の頭部を、木の棒でもう一回殴る。
あまり重くない棒だから、速度を早くして打ち込んだ甲斐あってか、多少は聞いているようだ。
生物はオッサンの体から抜け出し、寝台から床に転げ落ちた。
一メートル弱はありそうで、人の体から出てきたにしては、思ってたよりでかい。
獰猛そうだが、しょっぱなから殴り続けたおかげで、かなり弱っていそうだ。
放っておくと絶対にこっちに襲い掛かてくるって感じ丸出しだ。
生物は足をかがめたかと思うと、反動をつけて素早く飛びかかってきた。