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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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但し、まだ制作中の部分も多々あります。

 

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 気を取り直して、奥に進んでいくと、部屋のあるべき場所に、回転式の階段が唐突に現れた。

 二方向同時に進めないので、階段の方にプローブドローンを向かわせた。

 なんか、全部プローブドローンにやらせても良かったなーーと思い始めてきた。

 いやいや、自分で体を使って、苦労するからこそ報われることもあるはずだ、それに、機械だと見落としてしまうことも多々あるはずだと、無理矢理自分を納得させる。

 

 

 

 

 

 各部屋扉には鍵がかかっているかもしれないが、そう複雑そうな仕組みでも無さそうなので、簡単な金具で開けられそうだ。

 二つの月が消えた後現れたであろう特異点についての影響は、おそらく相当大掛かりで精密な計算を行っているのか、まだ回答が出ていないようだった。

 そんなことよりも、何かがつけてくる気配がする。

 教祖の行動に不信を持った教団内部の誰かといった感じではないようだった。

 もっと、潜入と調査に長けた専門家のような感じがしてならない。

 それにこの気配、忍者か?

 忍び集だとすれば何処の手のものだ?

 気付いていることに気付かれないように気配のする方に神経を集中する。

「大酋長殿」

 追ってきている気配の主から声が上がった。

「なに?」

 教祖とかそういった呼び名ではなく、大酋長といったという事は、教団関連の者ではないという事だ。

「無断で追うような形になり、驚かせてしまったことをお詫びいたす」

 忍び装束の小柄な男が姿を現した。

 頭巾と覆面で目以外の顔を隠しているが、攻撃の意思はなさそうだ。

「心当たりがございませんが、どなたか?」

 いきなり手裏剣を投げてくるような気配もなさそうだし、一応丁寧に聞いてみた。

「失礼相成りましたが、拙者初多利半蔵と申すもので、安芸山小兵衛殿に雇われている者にござりまする」

「安芸山小兵衛か。雇われているという事は、必殺剣客商売人とかの仲間ではなく、一時的な契約関係か何かという事ですか?」

 確かにこの忍びは、あの安芸山小兵衛の乱暴極まる仲間たちとは、明らかに雰囲気が異なっている。

「左様にござりまする」

 しかし、一時的に雇われているだけなら、契約期間が終わればどうなるか分かったもんじゃないので、一応疑っていかねば。

「ここへは何か連絡事があって参られたという事ですか?」

 あくまで丁寧に、一応疑って。

「昨夜の神事に安芸山殿とそのお仲間は切り込もうとなさってたのですが、教祖が大酋長様に代わっておられたのを見られて、不思議に思われて、その意図を確かめるようにと、某を遣わされました」

「ああ、何処かで見張っていたという事ですね。しかし、切り込む準備をされていたとは」

「先の教祖が引退されて、新しい教祖に大酋長様がおなりになっているという、その過程が全く分からず、どういう意図か調べてくるようにと申し付かりました」

 あの単純頭の連中にしては、珍しく慎重な判断だな?

「それを申す前に、其方と安芸山殿たちとの関係を詳しくお聞かせいただけぬか。残念ながら今までの話だけではまだ、信用に至るかどうかの判断がつきかねまする」

「これは大変な事を。解り申しました、お話いたしまする。我ら、胃賀の里に住む忍びの一族にござりましたが、長年の宿敵たる強大な勢力を誇ります肛賀一族との争いに疲弊し、存亡の危機に陥っておりました」

 なんとなく話が読めてきた。

「その肛賀とか申される忍びの一族を安芸山小兵衛とその仲間が、うち破ったという事ですね」

「その通りにございます。お恥ずかしながら、敗走に次ぐ敗走、もはやこれまでと覚悟を決めておりました、我らが一族でござりましたが、気が付けば敵である肛賀一族は打ち滅ぼされ、胃賀一族は九死に一生を得たのでございます」

 なんとなくわかったが、安芸山小兵衛達に胃賀一族とかを助ける意図なんか、全くなかったはずだ。

「その肛賀とかいう一族は、そんなに強力な一族だったのですか?そしてそれが滅ぼされたと?」

 まあ、間違いなく肛賀一族とか言うのが、安芸山小兵衛達にちょっかいを出して、逆にやられたんだろうな。

「かようなる理由にて、安芸山小兵衛殿とそのお仲間には、我ら胃賀一族、大恩がございまする」

「おそらく、その肛賀一族というの、酷いやられ方をしたんでしょうな」

「それはもう、お見事な手並みで、あの強力な忍び一族である肛賀一族が……」

「いあ、いいです、大体わかります。バラバラの血糊と残骸を見て、人だったと気づく事もできない程だったんでしょうね」

「忍びでもない者があの光景をご覧になれば、おそらくは一生記憶の底に残って、悪夢に悩まされ続ける事と思われまする」

「やっぱりそういう事態ですね」

 敵を滅ぼしてくれたから恩義を感じているというのは解ったが、どうも少し違うような気がするが、まあ、口出ししないでおこう。

「そして我ら一族、里の平穏と多額の報酬にて、今現在安芸山殿とそのお仲間とそのお仲間に雇われておりまする」

 多額の報酬だって?

「その報酬というのは?」

 

 

 

 


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