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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

こちらをご覧になれば、あらすじ等の理解に役立ちます。

 

但し、まだ制作中の部分も多々あります。

 

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「今現在では小惑星にいつマイクロブラックホール発生装置を仕掛けたのかというところまで含めて全く予測出来ておりません」

 データーアンドロイドだとはわかってるけど、ここまできっぱりと堂々と言われてしまうと、逆に凄いなと思う。

「すまん、こちらの方に誰か向かってくるようだ、また連絡する。他に前に頼んでた分も頼んだぞ」

 まだ話すことはあったのだが、返事を聞くことも出来ないまま慌ててモバイルデバイスの通話を切った。

 ノックの音がした。

 

 

 

 

「あのーー、新教祖様、遅くなってしまいまして……」

 遅くなったって、なんか頼んでたかな?

「どうしたんだ?」

 入り口の扉には部屋の外を見ることが出来る小さな覗き穴があり、内側から留め金を横に回すと、廊下側を見ることが出来る。

 え?なんだ、前に見た前の教祖お付きの半裸の巫女たちがいっぱい押しかけてるぞ……。

「はい、勿論ですが、教祖様のお世話に参りました」

 多分掃除や部屋の片づけを含めての事だと信じたいが、あの前教祖め、何やってるんだ一体!

「世話?特に頼んでいないと思ったが?」

 扉を開けるべきだろうか、どうだろうか悩みどころだ。

「そんな……。教祖様の身の回り全般のお世話をするのが、私たちの神から授かったご神徳への道だと、聞いております」

 覗き穴から見た、そのご奉仕担当の女の子たちは、ほぼ全裸に、要所のみをテープみたいなもので隠しただけで、それに、スケスケの布を纏っている。

 あの前の馬鹿教祖め、何やってんだ……。

「そうか、まだ聞いていなかったんだな」

 この子たちを助けてやらねばならなさそうな感じがするので、無理にでも納得させることにする。

「まだ聞いていないとおっしゃられますと?」

「二つの月が消えて、過去、未来における業と罪穢れが消え去ったのを感じているね?」

 多少強引に、反論できない口調で言ってみる。

「はい。教祖様が私たちの業、罪穢れを全て払ってくださいました」

「あの時を境に、以前の業を背負った状態で取り決められていた、相当な量の約束事が、これからは新しく書き換えられたものと、入れ替わることになったんだ」

「そうなのですか?」

 そうだ、教祖の行ったことは全て正しく、完全なる真理なのだ。

「勿論だ」

「し、失礼いたしました‥‥…。教祖様のお言葉を疑うなど。死んで地獄に落ちてお詫びいたします」

 あ、ああ、ああ、あ、まて、これじゃほんとに死にかねない。

 とっさに扉を開けて、廊下側に出ていくと、本当に決意を固めていそうな顔をして、刃物でもあれば胸に刺していたであろう女の子と、他十数名が立っていた。

「そうではない、私は君たちに、新たに神より下ろされた戒律に従い、この世での人生修行を続けていただかねばならない」

「はい。死ぬなどとんでもないことです。教祖様に従い、神に従い、人生修行に邁進いたします」

「よし、それでいい。では、今から神より授けられた新たなる戒律の一つを申し渡す」

 そういうと、十数人の女の子たちは、一斉に45度のお辞儀をした。

「女性信者の中で修行により自らを高め、神のお許しを得た者は、最高の礼として巫女服を着用するのだ」

 早い話が前教祖の定めた半裸奉仕をやめろという事だ。

「は、はい。戒律が変りましたので、私たちはすぐに着替えてまいります。少々の間、失礼いたします」

 深々とお辞儀して、女の子たちは何処かに帰っていった。

 しかし、後ろから見ればほとんど裸じゃないか、あの前教祖、何考えてやがったんだ?

 はあ、疲れた。

 扉を閉め、天幕付きのベッドに転がり込んだ。

 殆ど気疲れだ、転んでたら回復するが、それそしている間すらなく、データーアンドロイドⅤ5に連絡をしようとした矢先だった。

「教祖様、ただいま着替えを済ませ戻ってまいりました」

 慌てて手にしていたモバイルデバイスを仕舞い、扉の方に向かった。

 なんだ、滅茶苦茶早いじゃないか?

 きっと、教祖を待たせたらいけないと思っているんだろうが、舞台途中の早着替えじゃないんだぞ。

 扉の覗き穴から見ると、巫女装束に着替えたさっきの女の子たちが並んでいた。

 本当は、連絡を取ったりいろいろしないといけないことがあるので、身の回りの世話もしてほしくないのだが、追い返したりしたら死にかねない。

「早かったな」

 扉を開けてやると、深々とお辞儀してから中に入ってきた。

「はい、教祖様。それではただいまより、お部屋のお掃除のご奉仕、させていただいてよろしいでしょうか?」

 う……。

 巫女服でこのキンキラキンの部屋を掃除させるのは悪いような気がするが、作業着に着替えて来いというのも変だ。

 いいのだろうかと考えた挙句、そういえばアニメなどで巫女服で神社の掃き掃除をしているシーンを見たことがあったなと思い出した。

「よし、頼もう」

「承知いたしました」

 巫女服の女の子たちは、床から壁から調度品から、何から何までを、放棄で掃いたり、雑巾で拭いて磨き始めた。

 床にかがんで雑巾で磨いたりするのだが、さっきの半裸みたいな恰好だったら……。

 あの馬鹿の前教祖、何を考えてたんだ……。


 

 

 


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