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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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「神と教祖様より特別の許しが出た!この場にいた者とその家族に限り、入信したならば、過去と未来の業と罪穢れを消し去ってい頂けるとのことだ、これは特別の奇跡、今しかありえないご神徳だ!今から新入信を受け付けるが、希望者が多く、殺到して怪我人が出ては、神の道に背くので、整理券を配布する。それと浄財を持って、後日入信すればよい」

 整理券用意してたのか?

 

 

 

 堰を切ってかのように新入信希望者が、整理券を目指して突進し始めた。

 これじゃ、折角整理券を配布しようとしている意味ないじゃないかと思うほど、救われなさそうなマナーの悪い連中だった。

 並ぼうという事をせず、取っ組み合い状態が続く。

 人に譲るとかいう事を考えず、自分だけが神のご神徳に預かるのだと言いたげな、哀れな連中ばかりだ。

 だが、教祖として非難なんかしないでいいだろう。

 これから悪徳宗教に騙されて、有りもしないご神徳に縋り、浄財という名目で財産を巻き上げられ、奉仕という名目でこき使われるのだ。

 どういう表情で見ていれば教祖らしいかなと考えていたが、あまり考えすぎると威圧しているように見えるかもしれないので、無関心を装うことにした。

 ただあさましいだけの入信希望者は、殺到という言葉の意味を始めて理解させてくれたかのようだった。

 あ、将棋倒しだ、怪我人も相当多いな、こりゃ……。

 放っておいて、教祖は神事の疲れが出たので長時間の休憩が必要という事にし、部屋に戻らせてもらうことにした。

 あとは教団幹部たちが執り行ってくれるだろう。

 結構歩いて、趣味の悪いキンキラキンの教祖の個室に戻ってきた。

 なんて趣味の悪い部屋だろうと思ってたけど、慣れてしまっているのには自分でも驚かされる。

 衣冠束帯を脱ぎ、軽装に着替え、天幕付きのベッドに倒れ込んだ。

 しかし、疲れているがしなければいけない連絡事項はある。

 真夜中だが、あいつ相手だと全然構わないだろうと、データーアンドロイドⅤ5に連絡を取ってみた。

「お待ちしておりました頼まれていたことも回答を頂いております」

 返事はすぐかえってきて、モバイルデバイスで音声のみのモードだ。

「どうだった?」

「はいやはり残念ながら前回小さな月が消えた際に特異点が発生しそれはワームホールで共和国領域外の星域に繋がりそこには偶然か必然かダークマターが存在しましたが例えワームホールで他星系と繋がったとしてもそれを理由に帝国が共和国に干渉するなどという事はできそうにありません」

「やはりな。一瞬ワームホールが、共和国外部の星域に繋がったとしても、それをもって何かをいえるなんて理屈にならないだろうな。ある意味言い掛かりになってしまう。ワームホールは極めてまれだが自然発生する事もあるしな」

「帝国の法律学者もほぼ全員一致でそれと同じような事を申しておりました」

「今のままでは言い掛かりにしか聞こえないのは、もともと解ってたことだ。それよりも、敵側がこのまま小惑星をマイクロブラックホールで消し去る実験をし続けても、文句を言う手段はないって事なのか?」

「共和国領域内で行ているだけですのでそのままの解釈では干渉できないことになります」

「では、マイクロブラックホール生成技術については、条約における違反事項には直接該当しないという事になってしまうんだな」

「はいその技術が詳細にわかればあるいは何か条約違反の兵器等が使われている可能性もありますがそれを調べるのは極めて難しいと思われます」

「そうか……。では、一瞬開いたワームホールに文句をつけるのはできそうにないとしても、それを使って大っぴらに星域外から何かを持ち込んだとしたらどうだ?」

「その量と物と時間によって解釈は異なると思われます」

「だろうな。では、こういうケースについて考えてくれ。もし、今連中が行っている実験が、マイクロブラックホールを使って任意の場所どうしを特異点で繋ぐという物だったら、どうなんだ?」

「帝国領内に直接兵器を放つことが出来てしかもそれは何の前兆もなく行われるという事でしょうか」

「ああ。勿論帝国領の居住惑星を攻撃した時点で、戦争行為だ、帝国軍も出動できるだろう。しかし、最初の一撃は間違いなく、必ず喰らってしまうという事態にもなりかねないんだ」

「それは確かに遺憾であり大変重大な事ですね」

「困った事だと言えよ……。しかも奴らは今現在、二個同時に小惑星を消すことに成功している。つまり、複数個の特異点を開いて、同時に帝国領の何か所かに先制攻撃を掛けることもできるという事なんだ」

「第一波攻撃が行われてしまえば第二波攻撃の起る前に帝国軍が共和国を完全に葬ることはできるのですがその第一波が予想以上に多くの地点を攻撃するかもしれないという事ですね」

「その危険性がある。今まで小惑星を消滅させ、特異点を開く実験をしてきたが、その際必ず予言とかいう形で公表してきた。これは、帝国に対する威嚇あるいは、交渉の為の手段という事は考えられないか?」

「強力な兵器で前兆もなく突如任意の箇所を攻撃できる能力が有ると示すことが出来れば強力な交渉材料になります」

「そうだな。では別方面から考えよう。今までマイクロブラックホールを使って小惑星を消す際、何かの前兆は感じられたか?つまり予言とかいう奴で公表していなかったとして、それを予測できる手段はあるのか?」

「今現在では小惑星にいつマイクロブラックホール発生装置を仕掛けたのかというところまで含めて全く予測出来ておりません」

 データーアンドロイドだとはわかってるけど、ここまできっぱりと堂々と言われてしまうと、逆に凄いなと思う。

「すまん、こちらの方に誰か向かってくるようだ、また連絡する。他に前に頼んでた分も頼んだぞ」

 まだ話すことはあったのだが、返事を聞くことも出来ないまま慌ててモバイルデバイスの通話を切った。

 ノックの音がした。

 


 

 

 


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