ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。
こちらをご覧になれば、あらすじ等の理解に役立ちます。
但し、まだ制作中の部分も多々あります。
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「エスメラルダって、かなりかわいいほうだから、少しだけ年上の橘右近さんくらいからしたら、どうみられるか予想着くよ。正当な武士にだよ」
「そっちだって、彩芽さんにどれだけ思われてるってのよ。あの方育ちの良いお嬢様なのよ、誰にでもあんな振舞しない人よ」
「いいなーーーー」
「僕らももてたい……」
で、じっーーと見つめ続ける二人の子供たちだった。
「あーーあーーああーー、そうだったそうだった、なんか連絡が有ったんだよなーーー」
かなり上ずってるが、話題を変えなければ……。
「はいはい。連絡事項を、お望みみたいだからするね。でもでも、またまたモテ話しになっちゃうけどいい?」
「お前ら、時々へんな嫌味言うのやめろよな……」
「うんうん、でも、僕らももてる人になれるように、こうやって頑張ってるんだから気にしないでね。傍にいて観察してるから」
「そういや、メモまでとってたっけな。それはいいとして、なんなんだ?」
「V5から連絡が有ったよ」
データーアンドロイドV5だ、送った地下施設の件について、その他膨大な資料を、分析したり帝国情報部とやり取りするって件、全部任せてるんだっけ。
しかし、あいつはデーターアンドロイド、それが主たる仕事のはずだ。それより気になるんだが……。
「なんでV5との連絡でモテ話になるんだ?」
「心当たり有りすぎてわかんないんだね」
「だから、時々変な嫌味言うのやめろ。時々じゃなくなってるけど」
「でも、きれいなおねーーさんが、用が有るって追っかけてきています、さあ、どのきれいなおねーーさんでしょうか?」
こいつらめ……。
「V5と接点が有るといえば……」
「川上の集落とかその辺一体、女の人は全員どれでも選び放題だしカッパにまで娘をどうかって言われてたけど、V5さんとは接点ないよね。だとすれば、コサメさんか、トレスパスのウエイブ(女性軍人クルー)か」
「お前らなんで河童の事まで知ってるんだ?」
こいつら、沢で河童と話してたのを盗み聞きしてたのか?プローブドローンか何かで四六時中監視してんのか?
「こないだ、ゾンビ河童を追っかけて来てた河童さんたちが、娘のこと、よろしく言っといてって、僕らに言ってたよ」
あ、あのときか、良かった、ずっと盗聴されてるわけじゃなかったんだな。
いや、全然よくない!
「まだ言ってたのか、河童どもは。それはいいとして、V5からの連絡ってのは一体何だったんだ?」
「まず、その前にというか、一つ目というかだけど、なんとかいう方法で地中スキャンはうまくいったんだって」
「ミュー粒子を使った奴だな。地中奥深くに作られている施設の全貌がくっきりと判る大規模なスキャンだ。っていうか、そんな大事な事もっと早く報告しろ!」
今頃脳のMRI画像みたいな感じで、鮮明な地中探索立体映像が出来上がり、帝国情報部による解明が行われている頃だろう。
「だって、僕らも知らなかったんだもん。結構蚊帳の外なんだからね」
「あの施設は、女性ホムンクルスも作るし、遺伝子情報が有れば美人のクローンも作ることが出来るんだぞ」
「そうなのーーー!僕ら、今から行ってくるよ!ねえ、きれいなおねーーさんの遺伝子情報ってどこで手に入れられるの?」
「阿呆ーーー!」
予想通りの答えをしやがって、しょうがない奴らだ……。
「だって、僕らモテたいんだもん。アニメも、ゲームも、二次元なんて駄目なの。三次元の、現実の、きれいなおねーーさんしか駄目なんだ。今時珍しいでしょ?」
「しるかぁ!」
「エージェントはもてる、だから僕ら、一生懸命修行します!」
「も、もういい、頑張ってくれたまえ。で、肝心の連絡はどうなったんだ?」
「あぁ、そうそう、その中でも特別、ぴか一、至上最高究極級の美人のおねーーさんたちがね」
「お前たちその話から離れろ!」
「じゃ、言うよ。帝国領と共和国領のニュートラルゾーンに」
「わーーーわーーーわーーーー、き、来ちゃったのかーーー!」
お、ぉ、を、ヲ、落ち着かないといけない、いつかは来るんだった、それが今になっただけだ。
「そうだよ、待機してるよ」
「も、も、もういい、とりあえず後は、V5と直接連絡を取る」
「僕らの事、よろしく言っといてねーー」
「うるさい、会ったら言わなくても、自分たちで言いに行くだろ!」
最初からV5と直接連絡を取っておけばよかったのかな、と思いながらも、モバイルデバイスを手にしてみた。
データーアンドロイドV5は、感情を持ち合わせていないから、きれいなおねーーさん関係の話はしないだろう。
その他の会話が滅茶苦茶なんだが……。
「お待ち申しておりましたハインツルドルフ氏とグスタフイワノフ氏のお二人とは少々話させていただきましたがこの度」
モバイルデバイスに、特徴のない男性の顔を模して造られたデーターアンドロイドV5の顔が映った。
放っておくととめどなくしゃべり続けるから、会話を途中で遮って話す。
「ああ、二人から聞いた。惑星軌道上からの地中スキャンは上手くいったらしいな。それと、バージニア・クルッセイダー号がニュートラルゾーンに到着したそうだな。一応聞いとくが、遮蔽装置はうまく機能して、共和国側に感知されていないんだな」
どうしよう、帰れとも言えないし、こんな危険極まりないところにあの娘達を呼ぶなんてとてもとても。