仕事の帰り、なんとなしにデパ地下を彷徨っていると、懐かしい文字が目に留まりました。かもめの卵。

小さい頃、両親に連れられて行った温泉旅館のお茶菓子が、かもめの卵でした。

まだ子どもだった私はそのなめらかに白い肌と、初めて味わう黄身餡に「こんな美味しいものがあるのか」と感動したのでした。

あれからずっと、「もう一度かもめのたまごを食べたい」と思っていましたが、きっと地方限定のお菓子なのでしょう、出会うことはありませんでした。

なのでその日、かもめの卵を見つけた時は「かもめのたまご!!!!」という気持ちで、すぐに手に取り籠に入れました。ずっと焦がれていたたまごは、6つで400円ほどでした。

急ぎ足で帰り、夫に「かもめのたまごを買ってきたよ!」と言うと、夫はそれを知らなかったようで「かもめの卵?大きいの?スーパーで売ってたの?」と怪訝そうな顔で尋ねました。

「かもめのたまごはね、かもめの卵じゃないんだよ」と説明にもならない説明をしながら、待ち切れず私はかもめの卵に噛り付きました。


「あ〜〜…」



「まぁ、こんなもんだよな…」

私の頭の中では、前髪の長い藤原基央が「感動にシビアな訳じゃない 感情に脂肪が付いただけ」と歌っていました(BUMP OF CHICKEN「キャラバン」)。

このまま生きて行ったらたぶん私は、仔パンダを飼うことぐらいでしか満足できないバアサンになってしまうと思います。


これ以上話すことが無いので、
かわいい猫の画像を貼っておきます。


あとかもめの卵は美味しいです。大好きです。質感も素敵。