「ネバー・ザ・シナー」をご覧になった皆様へ③ キャスティング編その2 | カニリカ オフィシャルブログ powered by Ameba

「ネバー・ザ・シナー」をご覧になった皆様へ③ キャスティング編その2

 続きます・・・と言いつつ、更新が遅れてしまいました。すみません!(-_-;) しかも夜遅くに、本当にすみません。

 

 ローブとレオポルドの二人が決定した後、記者の三人とダロウ弁護士とクロウ検事のキャスティングにとりかかりました。

 まず記者の三人は何役もこなす上に、記者の説明で時系列や捜査の内容が紐解かれていきます。ということは、当然ながら口跡が良く、事実関係は粒立てて言える力が必要となります。なおかつ、役の演じ分けが出来て、新聞記者のキャラクターとしてもそれぞれ個性を出さないとなりません。

 そういったことを踏まえて、舞台経験の豊富な俳優にお願いすることにしました。前島亜美さんと山岸拓生さんは以前「囚われのパルマ」に御出演頂いた御縁がありました。前島さんは真摯に役に向き合い、若いのに勉強熱心で、パルマの時にチェーホフなども勉強していて「翻訳ものをやりたい」と思っている事を知り、いつかどこかの機会でお願いできないかと思っていました。

 山岸さんはその明るいキャラクターでパルマでもムードメーカーで現場を和ませてくれながら、芝居に関してもあれこれ試してくれる器用なところが今回の役にぴったりだと思い、お願いしました。

 もう一人の記者の荒木健太朗さんは実は以前よくスタジオ・ライフの芝居は拝見していました。それとは別に何かの芝居を本多劇場で観た後に、他の役者さんたちと一緒に下北沢で飲んでいる席に荒木さんが後から来たそうです(笑)。そう書いたのはよく覚えていなくて、今回お会いした時にそれを言われて、え・・・!となりました。飲んだからお願いしたのでは決してなく(笑)、幅広く色々な役を演じられているので適している!と思ったからです。

 そして、クロウ検事の姜暢雄さんは、スタジオ・ライフに所属されていたので「トーマの心臓」をはじめ勿論かなり前から存じ上げてましたが、印象に強く残っていたのはドラマ「イケメン・パラダイス」でした。(懐かしい!) 舞台は「ダブリンの鐘つきカビ人間」や「犯さん哉」なども拝見してましたが、最近では室龍太さん主演の「大阪環状線」に出られていて、こんなひょうきんな役もやるんだと驚きました。それで、あえて渋い二枚目をお願いしたいと思った次第です。本番では狙い通りのクールで渋い検事でしたが、楽屋では実にひょうきんで面白いキャラで、出番の寸前まで皆を笑わせてくれてました。

 最終弁論を際立たせるためにも、ダロウとクロウを対照的にする必要がありましたが、ダロウはとにかくこの物語のもう一人の主役であり、私がこの「ネバー・ザ・シナー」を選んだきっかけになった人物です。それだけインパクトがないと際立たないわけですが、磯部勉さんを推薦してきたのはもう一人のプロデューサーです。たまたま私ももう一人も「スター・ウォーズ」フリークで、やはりハン・ソロの声の磯部さんのインパクトといったら尋常ではありません。あのずっしりとした説得力のある語り。シェークスピアをはじめ数々の舞台にも出られているベテランの俳優さんですので、ダロウには適任だったと思います。

 こうして芸達者な俳優が集まってくれたからこそ、あの作品が完成しました。台詞がとにかく多くて、皆さん大変だったとは思いますが、座長を中心にとにかく仲の良い、チームワークに優れたキャスト陣でした。コロナさえなければ、きっと毎日飲みに行ってたかもしれません。稽古場と自宅、劇場と自宅或いはホテルの往復のみで、本当によく我慢してくれたと思いますが、それもすべて絶対完走させる!と強い信念のもとに一致団結していたからでしょう。

 

 もし続きを書けるとしたら、演出を含めた作品自体のことやスタッフのことなどお伝えしたいと思いますが、少し間があくかも・・・。そうなったら、ごめんなさい!