消化器系手術の術後管理の標準看護計画その2
看護計画
Ⅰ.アセスメントの視点
術後ケアの目的は、手術による侵襲から早期に脱却し、その治癒過程を促進させるように、術前の全身状態の評価に注目し、術後の合併症が併発せず、手術の目的を効果的、かつ確実に達成することにある。良性ではなく悪性であったり、早期癌ではなく進行癌であったり、進行が著しく根治術ができなかったり、術中に予期せぬ変化が起きたりなど、術前の予測と異なった状態で術後を迎えなければならないこともある。手術室からの申し送りや手術経過記録をもとに、術後も全体像を見なおし、看護上の問題を明確にして、その人にあった個別の援助方法を計画する。術後みたされない基本的ニーズの充足は、呼吸・循環・栄養、水・電解質バランス、創部、安楽・安全、機器管理であるが、成人病を合併する中高年者や、身体諸機能の低下した高齢者では、より厳密な観察、管理が必要となる。姑息的手術となった場合には、患者と家族とは違った説明がされることがあり、患者のみならず家族の反応を継続的にみて、支えていく必要がある。
Ⅱ.問題リスト
#1.術後出血
[要因]・手術操作による消化管出血
・手術操作による腹腔内出血
・出血傾向の強い患者
#2.ショック
[要因]・出血による循環血液量の低下
・術中の体温低下
・急激な体動
・激しい痛み
#3.肺合併症
[要因]・気管内挿管や麻酔剤による分泌物の増加
・術中の体位や手術操作
・疼痛や不安による呼吸抑制
・不十分な咳嗽力による分泌物の貯留
・喫煙歴、呼吸器疾患の既往、加齢による呼吸器機能の低下
#4.胸腔・腹腔内での消化管の縫合不全
[要因]・吻合部の血行障害
・感染
・消化管内圧の上昇
・術前からの低栄養
#5.体表面での創の離解
[要因]・栄養状態の低下
・腹腔内圧の上昇、創部の緊張
・創感染
#6.術後感染
[要因]・術前処置不十分による消化管内容物の存在
・術中操作による腹腔内感染、死腔形成
・術後処置による創感染
・膀胱留置カテーテルによる尿路感染
・多量の抗生物質の投与(菌交代性)
#7.腸蠕動の低下
[要因]・麻酔の影響
・術中の腸管操作
・鎮痛剤の使用
・ドレーン留置などによる体動制限
#8.吃逆(きわめて頑固で長時間持続するもの)
[要因]・ガスや液体貯留による胃の過伸展
・上腹部の腹膜炎や横隔膜膿瘍などによる刺激
・横隔膜や胃の周辺に挿入したドレーンの刺激
#9.静脈血栓症
[要因]・臥床による血流速度の遅滞
・血液濃縮による血液凝固性の亢進
・血管壁の損傷
#10.休息・睡眠の障害
[要因]・身体的苦痛による安楽の変調
・生活環境の変化、集中治療室の環境
・体動制限、睡眠を中断する定期的治療処置、薬剤の副作用
・身体活動量の低下、昼夜逆転
・手術や予後への不安、心因性のストレス、眠れないことへの恐怖
#11.術後せん妄
[要因]・中等度以上の手術侵襲
・全身状態、代謝の変化
・心理的影響
・環境の変化、適応障害
・高齢者でも拡大手術が適応
#12.セルフケア不足
[要因]・疼痛・不快感の存在
・体力および持久力の低下
・身体運動性の障害(疼痛、体動制限)
・知覚・認知障害(感覚器の変調、強度の不安)
#13.家族の不安
[要因]・患者の術後経過、予後
・患者に対しどう接したら良いか分からない
・日常性の喪失、役割関係の再構築
・経済的不安定
#14.退院後の生活への不安
[要因]・セルフケア能力が低い
・家族の受け入れ体制が不十分
・経済面、職業の継続または変更
・予後
#15.ボディイメージの障害
[要因]・排泄様式の変更(人工肛門、尿管皮膚瘻)
・食生活の変更(分食、経腸栄養)
・言語様式の変更(気管切開)
・性行動の変更
・喪失した機能を代替する手段についての知識不足
#16.栄養状態の低下
[要因]・胃腸の蠕動運動の低下
・貯留機能の低下による消化吸収障害
・吻合部浮腫や瘢痕性収縮による運動障害
・食事摂取開始による腸蠕動亢進による下痢
#17.化学療法による副作用
[要因]・抗癌剤による胃腸障害、腎障害
・点滴漏れによる組織壊死
・骨髄抑制による易感染、出血傾向
・体力の低下
Ⅲ.看護目標
1.循環器系が安定する
2.正常な肺換気ができる
3.消化管蠕動運動が回復する
4.感染をおこさない
5.十分な栄養が摂取できる
Ⅳ.看護問題
♯1.後出血
[要因]・手術操作による消化管出血
・手術操作による腹腔内出血
・出血傾向の強い患者
&創部、ドレーンからの出血の異常の発見ができる
$術後~48時間
O-1.バイタルサインチェック
2.ガーゼの汚染状況、性状
3.胃管からの出血量、性状
4.ドレーンからの排液量、性状
5.腹部膨満、下血、吐血
6.貧血の進行(血圧低下、頻脈、脈の緊張の低下、呼吸促拍、尿量の減少、チアノーゼ、四肢冷感、眼球結膜の貧血所見、意識レベルの低下)
7.患者の訴え、表情
8.創痛の程度、部位
9.術前の抗凝固剤の使用の有無
10.血液データ(Hb、Ht、PLT、プロトロンビン時間)
T-1.ドレーンの管理を行う(固定、屈曲はないか)
2.安静度を確認し体位変換はゆっくり行う
3.出血時は医師に報告する
4.出血時は体動制限を行う
5.出血量が多いときはガーゼカウントを行う
6.処置時には声かけを行う
E-1.出血時には患者、家族に不安を与えないよう言動に気をつけ、状況を医師より説明してもらう
2.処置時は声かけをし、その都度必要性を理解できるように説明する
3.安静制限のあるときは必要性を説明し、体を動かしたいときは看護婦に声をかけるよう言う
♯2.ショック
[要因]・出血による循環血液量の低下
・術中の体温低下
・急激な体動
・激しい痛み
&安定した循環動態が維持できる
$術後~48時間
O-1.バイタルサイン(血圧低下、頻脈、脈の緊張の低下、呼吸促拍、低体温)
2.尿量の減少、チアノーゼ、四肢冷感、意識レベル
3.in-outのバランス
4.ECGモニターの観察
5.創部のガーゼ汚染、胃管、腹腔ドレーンからの排液量、性状
6.疼痛の有無
7.心理面(緊張感、恐怖心)
T-1.バイタルサインの異常時は医師に報告する
2.水分出納の管理をする
3.保温、室温の調整をする
4.緊張感や恐怖心を持たせないように落ち着いた態度で接する
E-1.患者や家族の不安を軽減させるために状況を理解できるよう説明する
♯3.肺合併症(無気肺、肺炎、肺水腫、肺塞栓)
[要因]・気管内挿管や、麻酔剤による分泌物の増加
・術中の体位、手術操作
・疼痛や不安による呼吸抑制
・不十分な咳嗽力による分泌物の貯留
・喫煙歴、呼吸器疾患の既往、加齢による呼吸機能の低下
&喀痰喀出が自力ででき、呼吸状態や酸素分圧が正常となる
$術後2日~7日まで
O-1.麻酔の覚醒状態
2.呼吸状態(呼吸数、リズム、深さ、胸郭の運動、呼吸困難)
3.肺雑音の有無
4.喀痰喀出状況と性状、量
5.バイタルサイン
6.創痛の程度、鎮痛剤の効果
7.口腔内乾燥の有無
8.in-outのバランス
9.胸部X-P、血液ガス値、炎症データ
10.ストレス状態の有無、程度
T-1.酸素吸入を実施する
2.深呼吸を促す
3.吸入、タッピング、バイブレーションを行う
4.感染予防にイソジン含嗽を促すことや指示された抗生剤の投与をする
5.創痛が強く喀痰困難の際は鎮痛剤を使用する
6.喀痰困難時は吸痰の処置をする
7.硬膜外カテーテルに麻薬や局所麻酔剤を使用しているため、呼吸抑制や中枢神経抑制があるか注意して観察する
E-1.深呼吸と喀痰の方法、必要性について説明する
2.体位変換の必要性について説明する
♯4.胸腔・腹腔内での縫合不全
[要因]・吻合部の血行障害
・感染
・消化管内圧の上昇
・術前からの低栄養
&創部やドレーンからの異常な排液や異常な発熱がない
$術後4日以降
O-1.バイタルサインチェック
2.腹痛、腹部膨満感、悪心、嘔吐の有無
3.胃管、ドレーンからの排液量、性状
4.血液データ(WBC、TP、CRP、ALB、Hbなど)
5.浸出液の量、性状、臭い
6.創部の状態(発赤、腫張、熱感、離開)
7.術前のリスクの程度と関連性(低栄養、DM,動脈硬化、ステロイド・免疫抑制剤の使用)
T-1.胃管、ドレーンを経時的に誘導し、排液があるか確認する
2.ドレーンの逆行性感染予防のためドレーン挿入部より低い位置に排液容器を設置し、逆流させない
3.創部を清潔に保ち、ガーゼ汚染のひどいときは医師に報告する
4.縫合不全発症時は、医師の指示により経口摂取を中止し、輸液の管理を行う
5.異常排液のドレナージと必要時皮膚の保護をする
6.スキントラブル徴候がある場合はハイドロコロイドドレッシング等で被覆
E-1.創部の清潔、ドレナージが必要なことを説明する
2.創部に違和感があるときは伝えるように話す
3.絶飲食の必要性と急激な体動は避けるよう説明する
♯5.体表面での創の離解
[要因]・栄養状態の低下
・腹腔内圧の上昇、創の緊張
・創感染、血腫、異物の存在
・ステロイドの長期投与
・術前から創治癒阻害因子がある(DM、肝腎障害、貧血、ビタミン欠乏、Fe、Ca、Zuの欠乏、凝固因子不足、皮膚の遺伝性疾患)
&創傷治癒の遅延を防止する
$術直後~2週間
O-1.創部の状態(発赤、腫張、熱感、圧痛)
2.全身状態、栄養状態
3.術前の阻害因子と対処方法
4.術中の状態(輸血、輸液、出血量、胸水・腹水)
5.ガーゼの汚染、腹帯や圧迫固定の状況
T-1.ガーゼ交換時の清潔操作、処置前後の手洗いやウエルパスでの手指消毒
2.創や浸出液の汚染状況に応じたガーゼ交換、ガーゼの量の調整
3.ガーゼや絆創膏、腹帯で創部をしっかり覆う
4.腹帯で外力による衝撃を緩和し局所の安静を保つ
5.出血が続く場合は圧迫やボスミンツッペで止血するので処置の介助を行う
6.術前の阻害因子の改善状態を把握し、治癒過程への影響を予測し対処する
7.全身状態、栄養状態を整え、創部の血流増加、蛋白合成を促す
8.創の治癒過程(第1相癒合~第3相癒合)を判断し処置、配慮をする
9.保清を行い、皮膚を清潔に保つ
10.感染がおこれば洗浄や抗生物質を散布するため処置の介助を行う。また創部の除痛をはかる
11.創離開により回復期間が延長するため患者の気持ちの動揺や変化に対処する
E-1.創の治癒はその人自身の力によって達成されることを説明し、全身状態や栄養状態を整え清潔を保持し創治癒を促進できるよう働きかける
♯6.術後感染
[要因]・術前処置不十分による消化管内容物の存在
・術中操作による腹腔内感染、死腔形成
・術後操作による創感染
・バルンカテーテルによる尿路感染
・多量の抗生物質の投与(菌交代性)
&感染が早期に発見され治療されて苦痛が軽減する
$術後5日~2週間
O-1.発熱の有無、熱型の把握
2.創部の状態(発赤、腫張、熱感、圧痛、離開)
3.腹痛、腹部膨満感、排ガス、腸蠕動、圧痛
4.ドレーンからの排液量、性状、臭い
5.ドレーン周囲の皮膚の発赤、疼痛
6.血液データ(WBC、CRPなど)
7.培養結果
8.X-P、CT、超音波検査結果
9.尿性状、浮遊物の有無
T-1.汚染を拡散させないよう創部や汚物の管理をする
2.創の洗浄やドレナージがされるので処置の介助をする
3.創部や全身を清潔に保つ
4.患者自身や医療従事者の処置前後の手洗いの施行
5.訴えや苦痛を軽減出来るように適宜処置をする
6.指示された薬剤の投与
7.環境整備
8.汚染寝衣の処理方法を家族へ指導する
9.バルンカテーテル留置中は陰部洗浄とイソジンゲル消毒をし逆行感染の予防をする
E-1.創部の不快感や疼痛を我慢せず訴えるよう説明しておく
2.創部の安静やドレナージのため安静度が制限されることを説明する
♯7.腸蠕動の低下
[要因]・麻酔の影響
・術中の腸管操作
・鎮痛剤の使用
・ドレーン留置などによる体動制限
&排ガスがあり、腹部膨満感が消失する
$術後2~7日
O-1.嘔気、嘔吐、腹痛、腹部膨満感、吃逆の有無と程度
2.排ガス、排便、腸グル音の有無
3.腹部X-P所見
4.体動の状況
5.胃管からの排液量、性状
T-1.安静範囲内で体位変換、早期離床を積極的に促す
2.温罨法、腹部マッサージにて腸蠕動を促進する
3.必要時、医師の指示により浣腸、坐薬、注射を行う
4.離床時の胃管の管理を行う
5.輸液管理を行う
E-1.早期離床の必要性を説明し腸蠕動の亢進につとめる
2.鎮痛剤の使用と腸蠕動の低下の関係について理解を求める
♯8.吃逆(きわめて頑固で長時間持続するもの)
[要因]・ガスや胃液貯留による胃の過度伸展
・上腹部の腹膜炎や横隔膜膿瘍などによる刺激
・横隔膜や胃の周辺に挿入したドレーンの刺激
&吃逆が軽減する
$退院まで
O-1.胃部、腹部膨満の有無
2.呼吸困難、胸痛の有無
3.バイタルサインの変化
4.顔色、表情
5.水、電解質バランス(K、Caの不足)
6.ストレス
T-1.患者の訴えをよく聞く
2.胃管の流出状態の観察、胃管を軽く吸引する
3.上半身を挙上させる体位をとる
4.呼吸の仕方を変えさせる(深くゆっくり、浅く速く、時々止める)
5.患者の注意を他に向けるよう話題を変え、背部や胸部を軽くたたく
6.舌を引っ張ったり両眼球を圧迫したりを数回行わせる
7.仰臥位で甲状軟骨の上部を3本指で後上方へ向かって圧迫する
8.頸部横隔神経のある胸鎖乳突筋の中央部外縁を母指で背柱に向かって圧迫する
9.指示薬を与薬する
E-1.必ず止まることを説明する
♯9.静脈血栓症
[要因]・臥床による血流速度の遅滞
・血流濃縮による血流凝固性の亢進
・血管壁の損傷
&静脈血栓をおこさない
$術後から退院まで
O-1.末梢側の浮腫、疼痛
2.臥床期間、床上での運動量
3.急激な呼吸困難、チアノーゼ(肺梗塞)の有無
4.輸液の滴下速度
T-1.下肢の静脈うっ滞予防のため、安静範囲内での体位変換、自動・他動運動(膝・足関節の屈伸運動)、マッサージ、弾力ストッキングの着用を行う
2.早期離床を促し循環状態を改善させる
3.輸液を正確に血管内へ入れ血液の逆流を避け、フィルターを定期的に交換する
4.ルートが血栓で閉塞した際、加圧し血栓を押し込み、肺閉塞を招かないように注意する
E-1.下肢の運動、早期離床の必要性を理解させる
2.輸液の滴下が悪ければ看護婦に知らせるよう伝える
♯10.休息や睡眠の障害
[要因]・身体的苦痛による安楽の変調
・生活環境の変化、集中治療室の環境
・体動制限、睡眠を中断する定期的治療処置、薬剤の副作用
・生活活動量の低下、昼夜逆転
・手術や予後への不安、心因的ストレス、眠れないことへの恐怖
&効果的に鎮痛が図られ、夜間の睡眠がとれ、穏やかな表情で過ごせる
$術後3~7日まで
O-1.疼痛の程度、鎮痛剤の効果
2.睡眠障害の有無(入眠障害、熟眠障害、睡眠の中断、早期覚醒、覚醒障害)
3.睡眠パターンの変調に随伴する症状(頭痛、悪心、嘔吐、倦怠感、無力感、思考力の低下)
4.睡眠薬の効果
5.ICUシンドロームの症状の有無(幻覚、幻聴、不穏行動など)
T-1.鎮痛剤または睡眠薬の使用とその効果の確認
2.処置、ケアー施行時は、睡眠の妨げにならないように調整する
3.睡眠がとれるように環境(室温、湿度、照明、騒音)を整える
4.昼夜逆転しないように日中はできるだけ起こしておく
5.ストレスがある場合はその要因を把握する
6.術後の経過に応じて日常生活行動を拡大し、気分変換を図る
E-1.コミュニケーションをとり、不眠の原因は何か、どうしたいかについて話し合う
♯11.術後せん妄
[要因]・中等度以上の手術侵襲
・全身状態、代謝の変化
・心理的影響
・環境の変化
・高齢者でも拡大手術が適応
&せん妄を早期に発見し、早期にせん妄状態から脱出できる
$術後2、3日~1週間
O-1.睡眠パターン(夜間不眠、昼夜逆転)
2.表情、会話(表情が硬い、興奮状態、多弁、意味不明の発語、同じことを何回も言う、説明を聞き入れない、思考がまとまらない)
3.行動(落ち着きない、ルート類を気にする)
4.創痛の程度、鎮痛剤の使用状況
T-1.患者の訴えをよく聞き、誘因の除去に努める
2.精神的に安定できるよう、家族の協力を得てできるだけそばにいてもらう
3.落ち着いた環境を提供する
4.ルート、ドレーン類を整理する
5.危険防止(低床ベットに交換、危険なものの排除)
6.夜間は十分に睡眠がとれるよう消灯し、薬剤を投与する
7.見当識に欠けないよう時間的話題に配慮する
E-1.患者の疑問や不安には納得できるよう説明する
2.患者の幻覚、妄想を頭から否定せず、聞くようにする
♯12.セルフケア不足
[要因]・疼痛・不快感の存在
・体力および持久力の低下
・身体運動性の障害(疼痛、体動制限)
・知覚・認知障害(感覚器の変調、強度の不安)
&許可された範囲内で状態にあったセルフケアができるようになる
$術後3~7日
O-1.清潔行動、移動動作、排泄行為等の行動能力の程度
2.身体、口腔内の汚染状況
3.術後の一般状態と経過
4.疼痛、倦怠感の程度と鎮痛剤の効果
5.褥瘡の好発部位の皮膚の状態
T-1.毎日の全身清拭
2.含嗽、口内清拭、または歯磨き介助
3.ベット周囲の環境整備
4.ベッド上で四肢の自動運動を促す
5.医師の許可のもと離床を図る
6.一般状態や離床状況に応じてバルンカテーテルを抜去し排泄介助を行う
7.効果的な鎮痛剤の使用
E-1.離床計画とその必要性について患者に伝え、術後の状態により活動可能な範囲を教え、できる限り自力で行えるように指導する
♯13.家族の不安
[要因]・術後経過、予後
・患者への接し方
・日常性の喪失
・経済的不安定
&家族が不安な気持ちを表出でき、家族サポートをとうして患者が支えられる
$退院まで
O-1.家族の表情、言葉、態度
2.家族と患者との人間関係
3.家族と患者の疾病の理解、認識の差
4.家族間の協力体制、家族ダイナミックス
5.家族の状況判断能力
6.家族がとらえている患者の性格やコーピング
7.経済的問題の存在
T-1.家族とコミニュケーションをとり不安や心配事を表出しやすいように接する
2.患者への説明は言動を統一する
3.家庭内で生じている問題が対処できているか、解決困難な場合は相談にのる
E-1.家族が患者の今後をイメージできるように、退院後の日常生活について知識を与える
2.家族に継続が必要なケア(食事、運動、休息、受診、服薬)を指導する
3.患者のサポートの必要性を説明する
♯14.退院後の生活の不安
[要因]・セルフケア能力が低い
・家族の受け入れ体制が不十分
・経済面、職業の継続または変更
・予後
&身体的、精神的に自立し、退院に向けて準備ができる
$退院まで
O-1.患者の言葉、表情、行動
2.睡眠状況の観察
3.セルフケアの自立度
4.疾患についての患者の認識
5.家族の協力体制
T-1.患者が質問しやすい雰囲気をつくり、気持ちを表出させる
2.家族の協力を依頼する
3.社会復帰に向けた個々の目安について、医師と連絡を取りながら説明していく
E-1.定期受診(医師の指示)、服薬指導(医師、薬剤師の指示)
2.日常生活行動における退院時指導
3.合併症の前駆症状を説明し、異常時には受診行動をとるように指導する
♯15.ボディイメージの障害
[要因]・排泄様式の変更(人工肛門、尿管皮膚瘻)
・食生活の変更(分食、経腸栄養)
・言語様式の変更(気管切開)
・性行動の変更
・喪失した機能を代替する手段についての知識不足
&ボディイメージの変化を受容できる
$退院前
O-1.変化に対する思い・態度
2.セルフケアに対する拒否
3.過去へのこだわりの訴え
4.現実の自己への拒否的発言
5.他者との交流の有無
6.これまでの危機的状況での対処方法とサポートシステムの状況把握
T-1.患者が自然に自分の感情を表現できるよう雰囲気づくりする
2.正確な情報の提供、共感的態度で接することによる受容の促進に取り組む
3.個人のコーピングにあった援助を実施
4.サポートシステムを活用する
5.低下あるいは喪失した機能を代替する手段についての説明を行う
6.残存機能の活用方法について説明する
7.容姿の変化をカバーする方法について説明する
E-1.適材の選択、購入方法の相談に応じる
2.各種専門機関や社会資源(保険適応)の活用の指導
♯16.栄養状態の低下
[要因]・胃腸の蠕動運動の低下
・貯留機能の低下による消化吸収障害
・吻合部浮腫や瘢痕性収縮にとる運動障害
・経口摂取開始による腸蠕動の亢進による下痢
&十分な栄養が摂取できる
$経口摂取開始から退院まで
O-1.食事摂取量、摂取内容、飲水量の把握
2.腹部状態(嘔気、腹痛、腹部膨満感)の有無、程度、出現の時期の把握
3.排便回数、性状
4.栄養状態(TP、ALB)や貧血データ
5.体重の増減
6.食事摂取に対する不安の有無、精神面の把握
7.離床状況
T-1.腹部症状に見合った食事内容の提供
2.適度な運動を薦め、ベッド上で過ごす時間を少なくする
3.指示にて、消化剤・整腸剤・緩下剤・止痢剤などの投与する
4.なぜ腹部症状が出現するのかの説明をする
5.消化吸収のよい食品を選択する
6.体重測定
E-1.時期がたてば食べられるようになるから焦らなくてもよいことを伝える
2.胃腸の動きをよくするため適度の運動を行うよう指導する
#17.化学療法による副作用
[要因]・抗癌剤による胃腸障害、腎障害、肝障害
・点滴漏れによる組織壊死
・骨髄抑制による易感染、出血傾向
・体力の低下
&自覚症状出現時は医師または看護婦に報告でき、適切な処置が受けられる
$退院まで
O-1.バイタルサインチェック
2.薬剤による副作用観察
3.食事摂取量、水分量・尿量のバランスチェック
4.食欲の状態
5.一般状態の観察
6.検査データの結果
T-1.感染予防のため皮膚の清潔保持に努める
2.出血傾向に注意し、採血後、点滴後の止血を確認する
3.副作用出現時は医師に報告し、指示を得、対処する
4.医師より抗癌剤治療の目的、副作用について説明するか、本当のことを言わないことも多いので医療従事者は言動を統一して説明できるようにしておく
E-1.消化器症状、倦怠感出現時は医師、看護婦に報告するよう指導する
2.白血球減少時は、含嗽、マスクの着用を指導する
3.必要に応じて面会人の制限をする