☆テーマ別☆
雑記 ( 4 )
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包茎患者の標準看護計画
包茎とは
包皮が亀頭をおおっている状態で、包皮を反転すれば亀頭が露出可能なのを仮性包茎、包皮口が硬く反転しにくい状態を真性包茎という。後者では包皮を無理に反転すると亀頭頚で陰茎を強く絞扼し、強い浮腫とともに亀頭部の血行障害がおこる。
アセスメントの視点
包茎は亀頭包皮炎を合併しやすく、癌発生の原因にもなり、高度だと水腎症や水尿管症を生ずる。仮性包茎は必ずしも手術を必要としないが、真性包茎は包皮の背面切開または環状切除を行う。
症状
小児期に定期検診や母親の観察により無症状の状態で発見されることが多い。亀頭包皮炎を合併した場合、包皮の浮腫と発赤、亀頭の発赤とびらん、膿排出が認められ、局所の疼痛と熱感を訴える。包皮口がきわめて細いと排尿困難がみられ、高度になると水腎症や水尿管症を生ずることもある。
検査
・ 触診
・ 一般術前検査(血液デ-タ、呼吸機能、心機能)
治療
背面切開または環状切除の外科的処置を行う。術後合併症として血腫や感染をおこすことがある。また、亀頭包皮炎を合併しているときは亀頭包皮炎の治療を先行し、局所の清潔と抗生物質の投与にて全治を待ってから包茎に対する処置を行う。
看護計画(術前)
Ⅰ.アセスメントの視点(術前)
対象は小児に多く、環境の変化に適応しにくいことや、手術などのストレスを対処する能力が未熟なことを考慮し、家族の協力を得ながら環境をつくることが大切である。
Ⅱ.問題リスト(術前)
#1.不安(中等度)
〔要因〕・入院による環境の変化
・理解力の不足
・未知の検査や処置への恐怖
・外見的な悩み
#2.感染:亀頭包皮炎
〔要因〕・亀頭に恥垢がたまりやすく不潔になりやすい
・尿により汚染されやすい部位
・清潔保持のセルフケアが困難
Ⅲ.看護目標(術前)
1.身体的・精神的に落ちついた状態で手術を受けることができる。
2.感染を予防することができる。
Ⅳ.看護問題(術前)
#1.不安(中等度)
〔要因〕・入院による環境の変化
・理解力の不足
・未知の検査や処置への恐怖
・外見的な悩み
&入院による環境の変化に適応でき、普段通りの日常生活を送ることができる。
過度の不安、恐怖を持たずに検査や処置に臨むことができる。
家族が検査や処置の必要性を理解し、納得できたことを表現できる。
$手術前日
O-1.発達段階の程度
2.理解力とストレス対処能力の程度
3.入院、手術に対する受け止め方
4.家庭での日常生活パタ-ン
5.好きな遊びの種類、お気に入りのおもちゃ
6.患者の世話の中心者
7.手術に対する家族の受け止め方と協力程度
T-1.家庭での日常生活パタ-ンにできるだけ近づくよう環境調整
2.検査や処置の説明は過度の不安を与えないよう直前に行う
3.検査や処置の説明は患者の分かりやすい表現で行い、家族の協力を得ながら行う
4.好きな遊びやおもちゃでストレスのはけ口を作る
E-1.家族に術前検査や術前・術後の経過をわかりやすく説明し、患者には理解できる範囲の必要な説明のみ行う
2.手術前は普段通りの生活や遊びができることを説明する
#2.感染:亀頭包皮炎
〔要因〕・亀頭に恥垢がたまりやすく不潔になりやすい
・尿により汚染されやすい部位
・清潔保持のセルフケアが困難
&陰部の清潔が保持され、感染の予防ができる
$手術前日
O-1.亀頭の状態(恥垢、発赤、疼痛、びらん、膿排出の有無)
2.陰部の清潔方法
T-1.入浴や、陰部洗浄にて恥垢の除去
2.亀頭の発赤、疼痛、びらん、膿排出がみられる場合主治医の診察をあおぐ
E-1.患者、または家族に陰部の清潔保持の必要性を説明する
2.患者、または家族によって保清を行う場合は、恥垢の除去方法を説明し、医療者による確認の必要性を説明する
看護計画(術後)
Ⅰ.アセスメントの視点(術後)
包茎の手術方法は背面切開術と環状切除術が行われる。合併症として感染、血腫をおこすことがある。特に、創部が亀頭であるため尿汚染により感染しやすい。また、対象は小児に多いので症状をうまく訴えられないことや、成人より苦痛に対するストレスが強いことを考慮して対応する必要がある。
Ⅱ.問題リスト(術後)
#1.不安
〔要因〕・理解力の不足
・症状を言葉で的確に伝えることが困難
・創部の痛み
・排尿時の痛み
・拘束感
#2.合併症の危険性:創感染
〔要因〕・尿による創汚染
・創への凝血付着
・粘膜の炎症
#3.合併症の危険性:血腫
〔要因〕・過激な体動
・怒責
・勃起時の血流増加
Ⅲ.看護目標(術後)
1.創痛、排尿時痛などの症状が早期に把握され、苦痛を最小限にすることができる。
2.創感染、血腫の合併症がなく経過する。または、早期に発見され速やかに対処される。
Ⅳ.看護問題(術後)
#1.不安
〔要因〕・理解力の不足
・症状を言葉で的確に伝えることが困難
・創部の痛み
・排尿時の痛み
・拘束感
&症状が早期に把握され、創痛、排尿時痛などが軽減または消失する。
創痛、排尿時痛、拘束感によるストレスを発散することができる。
$術後1~3日
O-1.手術、症状についてどのように受け止めているか
2.表情、言葉、態度、機嫌
3.創痛の有無と程度
4.排尿時痛の有無と程度、排尿状況
5.食欲、食事摂取状況
6.睡眠状況
T-1.患者が不安や緊張を増強させない環境作り
2.創痛、排尿時痛がみられれば除痛薬の投与
3.排尿を促し自然排尿が不可能な場合は導尿を主治医に施行してもらう
4.排尿やガ-ゼ交換を行った後は、ほめていく態度で接する
5.おもちゃなどを使用し気分転換、ストレスの発散を図る
6.家族の協力を得る
7.ガ-ゼ交換などの処置の場面では患者が怖がらないように説明をしながら行う
#2.合併症の危険性:創感染
〔要因〕・尿による創汚染
・創への凝血付着
・粘膜の炎症
&創感染をおこさない。
創感染予防の行動が患者または家族が理解し実行することができる。
$術後1日~退院前日
O-1.バイタルサインズ(体温、脈拍、呼吸、血圧)
2.創の状態(発赤、腫張、浸出液、臭い)
3.疼痛の程度と持続期間
T-1.排尿毎に創部のハイアミン消毒、抗生剤軟膏塗布、ガ-ゼ保護
2.凝血など付着している場合はハイアミン消毒にて除去する
E-1.排尿毎に消毒と軟膏塗布の必要性があることを患者、家族に説明する
2.排尿毎に知らせるよう指導する
3.退院が近づけば消毒と軟膏塗布の手技を患者に指導し手技の確認をする
患者では不可能な場合は家族の中の世話の中心者に指導し手技の確認をする
4.創部にできるだけ触らないよう指導する
#3.合併症の危険性:血腫
〔要因〕・過激な体動
・怒責
・勃起時の血流増加
&血腫をおこさない。
患者または家族が血腫予防の行動を理解し実行することができる。
$術後1日~退院前日
O-1.血腫の有無
2.排便コントロ-ル
3.退院後の日常生活スタイル
T-1.便秘がちの場合は水分摂取、のの字マッサ-ジ、緩下剤の投与で排便コントロ-ルを保ち、怒責予防に努める
E-1.排便コントロ-ルを保ち、排便時怒責しないよう患者または家族に指導する
2.医師より許可がでるまでは激しい運動や自転車などペニスに振動のかかることはしないよう指導する
3.できるだけ勃起をさけるため性的刺激はさけるよう指導する