2009年12月9日の日経新聞より
【概要】
阪大の研究チームが、がん細胞をiPS細胞に変化させたところ
もともと持っていたがん抑制遺伝子の働きが強まることを
実験で突き止めた
【詳細】
iPS細胞作りに使う遺伝子4個を
ヒトの大腸、膵臓、肝臓などのがん細胞に組み入れた
結果、出来たiPS細胞は通常のiPS細胞同様
神経や脂肪細胞に成長する能力を備えており
マウスにそのiPS細胞化したがん細胞を移植したところ
腫瘍は出来ず、がんの悪性度もゼロになっていた
【理由】
iPS細胞化したがん細胞を調べたところ
がん抑制遺伝子であるp53やp16の動きが活発になっており
iPS細胞化させるための遺伝子4つが加わったことで
がん細胞のときには働きが抑えられていた
これらのがん抑制遺伝子が本来の機能を取り戻したと考えられる
【今後】
遺伝子の代りに、特殊なたんぱく質や化合物を使って
転移したがん細胞をiPS細胞化させ
がん抑制遺伝子の働きを強めることができれば
転移がんなどへの治療につながる可能性があるとみている
なお、この研究結果は
米科学アカデミー紀要(電子版)に発表されるとのこと