11月11日(木)11時31分配信 毎日新聞

 ◇閉鎖的だった精神科、院内明るく
 岩手大・大学院の学生と精神科専門の国立病院機構花巻病院(花巻市)が、地域社会との境界線をなくす事業「ボーダレスアート-心の壁を越えた社会を目指して」に取り組んでいる。壁画制作で院内を明るくすることから始め、患者や地域住民が参加した絵画ワークショップを開くなどしている。今後、効果を検証し、継続していく考えだ。【安藤いく子】
 今年4月、女性看護師が娘の友人で同大学院の三浦裕美さん(24)に、吉住昭院長(62)が企画した壁画制作を持ちかけたことがきっかけだ。三浦さんが、美術専攻の学生に呼びかけ30人集まった。
 吉住院長は、病院は患者が治療を受け、社会参画のきっかけを取り戻す場という考えだ。だが、「迷惑施設と見られるなど、地域社会との接点を持たず閉鎖的だった」という。学生たちに考えを伝え、地域との接点づくりを共に始めることにした。
 壁画制作は8月下旬に始めた。院内を明るくするだけでなく、学生たちが出入りすることで、「閉鎖的」な院内の雰囲気を変えることを狙った。学生たちは、「癒やし」をテーマに1階廊下に、病院の周りにある野の草花を描いた。9月13日から11月3日まで、地域に公開した。
 9、10月は、患者や地域住民に呼び掛けて絵画のワークショップを3回開催。患者25人、住民十数人が参加した。自分の姿をかたどった紙に赤や黄色などで色を付けた作品や、日光写真など約50点を制作。作品も院内で公開したほか、取り組みを広く知ってもらうため、盛岡市清水町の旧石井県令邸で14日まで作品展を開いている。
 病院や学生たちによると、患者たちは、学生たちに「何を描いているのですか」「暑いのにがんばってるね」と話しかけるなどし、変化を喜んでいたようだという。来院した住民へのアンケートでは、「病院に入ることができ、良い機会だった」と歓迎の意見が多いという。
 若松知子総看護師長(56)は「職員も患者を制限し、枠に当てはめていたことに気づかされた」と話す。吉住院長は「患者はもろく、傷つきやすいと考えすぎている。そもそもそれが壁だと思う。プロジェクトは良いきっかけになった」と話す。

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11月10日(水)22時19分配信 京都新聞

児童虐待の発見に努めるため、京都府と京都市、府医師会でつくる「児童虐待における医療機関との連携に関する研究会」は、医療機関向けの虐待対応マニュアルの策定に乗り出した。まず山城地域向けを完成させ、近く医師や看護師などに手渡す。来年度以降、府中部、北部でもマニュアルを整備する方針。
 昨年10月に発足した同研究会の中で、府宇治児童相談所を中心にした分科会が取り組んでいる。
 府宇治児童相談所に寄せられた虐待に関係する通告は昨年度208件で、うち医療機関からは6件にとどまる。しかし、一件は刑事事件に発展するなど、医療機関からの通告は一刻を争う重いケースが多い。一方、医師は患者との関係で通告をためらう場合もあるという。
 研究会に参加した医師から「現場で手にとってすぐに見られるように、できるだけ簡略なマニュアルがいい」という要望もあり、同相談所と府山城北保健所が中心となって策定作業を続けた。
 完成した山城向けマニュアル(暫定版)はA4判24ページ。虐待と事故での外傷の違い、発見のポイント、虐待を疑ったときの重要な証拠となる診療録や診断書の書き方などを紹介している。
 また、「誤通告で法的責任を負うことはない」といった法律上のアドバイス、山城地域の関係機関一覧、宇治児童相談所と山城北保健所が実際に扱った児童虐待の事例報告も載せている。
 20日に京田辺市で開催する医療機関対象の研修会でマニュアルを配布する。

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11月10日(水)7時57分配信 産経新聞

 介護の知識を身につけた人材を地域に増やそうと、日本赤十字社(港区)が都内各地で開催している手軽な介護講習「健康生活支援講習」が注目されている。孤独死や介護殺人など、近隣同士のつながりの希薄さに起因する痛ましい事故や事件が相次ぐなか、実践的な介護技術を使って、ご近所同士が互いに支え合う街づくりの一役に、と期待が集まっている。

 11月上旬、新宿区の日赤東京都支部で開かれた講習には、40代から70代の男女約20人が参加。看護師資格を持つ指導員の話にじっと耳を傾けた。

 平成21年4月に日赤が始めたこの講習は、加齢に伴う心身の変化など高齢者特有の状態像や、年老いた両親をはじめ近隣の高齢者らと接する際に必要なノウハウ、車いすの移動法や安全な食事の介助法などの介護実技を学ぶ。

 介護が必要になった場合、公的介護保険だけでは住み慣れた自宅で暮らし続けることは難しいとされる。しかし、地域に住む高齢者の支え手である民生委員も高齢化。地域の支え合い態勢を強化しようと、日赤はこれまでの介護技術を中心に学ぶ講習内容を見直し、ボランティアなどとして地域の高齢者にどう接するかの視点を盛り込んだ。

 講習に参加した50代の女性は「施設でボランティアをしているが、このような知識を知っているのといないのでは、心の持ちようが全く違う」と話していた。

 都内では21年度に110回開講され、2481人が受講。最近では、団塊の世代など会社を定年退職し地域デビューを果たした人の参加も増えつつあるという。

 受講費用は教材込みで1回千円。講習時間は計12時間だが、分割しての受講も可能で、忙しい人でも参加しやすい。日赤は「講習は都内各地で月に1回以上実施されているので、多くの人に受講してもらいたい」としている。

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