3月5日15時7分配信 西日本新聞

 薬剤師から転身し、43歳で大学の医学部に合格した異色の医師がいる。宮崎県延岡市の県立延岡病院に研修医として勤務する大崎俊卓(としたか)さん(49)。「薬剤師の裁量権は狭く限界があった。どうしても医師になりたかった」。2年間の研修を終え、4月からは同県日向市の民間病院に眼科医として勤務する予定で「医師として経験を積み、薬剤師との橋渡し役も務めたい」と張り切っている。

 大崎さんは延岡市出身。東京薬科大薬学部を卒業後、東京の調剤薬局で働いた。2年目ごろから「薬剤師には処方権がなく、何をするにも医師の了解が必要。でも臨床の現場を知らないから意見も言えない」と、窮屈さを感じていた。

 1984年に実家に戻り薬局を継いだ。このころから医学部挑戦を考えたが、薬局は年中無休で、午前8時から午後11時ごろまで働きづめ。「勉強の時間がなく踏み出せなかった」。眼科の調剤薬局の仕事を始め、経営が安定したのを契機に、毎日1時間半ほど受験勉強を始めた。

 99年からセンター試験に挑戦。5年目の2003年、藤田保健衛生大医学部(愛知県豊明市)の学士編入試験(在学期間を5年に短縮)に合格した。「薬剤師のまま終わりたくなかった。あきらめなかったからできた」

 08年に医師免許を取得。延岡病院の研修では神経内科や小児科などを経験した。救急外来では深夜に呼び出され、仮眠できないまま翌日の手術に立ち会うことも。「命を救うことができ、患者にも感謝される。やりがいがある」

 薬剤師時代の蓄積を生かせる眼科医の道を選んだ。「まず多くの症例に接して技術を磨きたい。自分のように医師を目指す社会人の手助けもしたい」。4月からは、診療をしながら宮崎大大学院にも通い、博士号取得を目指すという。

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