男性看護師の苦悩 | 看護net

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昨年ひどい風邪をひいてしまい、生まれたばかりの娘にうつさないようにと早めに病院に行くことにした。利用したのはある程度大きな個人病院で、転勤族の妻である私は初めて利用する病院だった。待合室は混んでいて、20代女性をターゲットにした雑誌なんかはなく、仕方なしに人間観察をして時間をつぶすことにした。
ふと受付を見ていると、ひとりの男性看護師と事務の女性がカルテを見ながらやり取りをしているのが目に入った。「そういえば私の同級生にも看護師になった男の子がいたな。」とぼんやり眺めていた。
やり取りが終わって男性看護師が奥へと戻っていくと、事務の女性がもう一人の事務員さんと小さな声でなんと彼の悪口を言い始めたではないか!
内容はたいしたことではない。が、「彼って口臭きついわ」「あの靴いつまで履くつもりなんだろ」「今日もまたあのTシャツ来てたね」など、女性同士によく見られるマウンティングのような会話だったのである。
男性相手にマウンティングなんかしてどうするんじゃ…と思ったが、ここは病院。つい数年前までは、医師以外の男子禁制と言わんばかりの女の園だったのだ。
男性看護師が特にひどい格好をしていたわけでも、人に嫌われそうなタイプだったわけでもない。ただ、彼はその世界の異物であることは間違いないようだった。
男女平等とは言葉ばかり、彼の苦悩はこれからも続きそうだな、と同情を禁じ得ない一コマだった。