QA君(7歳男児)は、サッカークラブに所属している。本日練習中に転倒して右腕を地面についた後、ひじ周囲に腫れと強い痛みが生じたため、父親とともに救急外来を受診した。エックス線撮影の結果、右上腕骨過剰骨折と診断され、非観血的整復とギプス固定が行われることとなった。A君は不安な表情で父親と処置室の前で待っている。

103、ギプス固定にあたり、A君への看護師の説明で適切なのはどれか。

1、痛くないことを説明する

2、すぐ終わることを説明する

3、ギプスが乾くときに冷たくなることを説明する

4、ギプスに使うものを説明しながら説明する

 

104、A君は、整復術後の経過観察のため1泊入院することになった。整復術後の合併症の観察方法で適切なのはどれか。

1、患側の肩の皮膚色を観察する

2、患肢の観察は8時間ごとに行う

3、感覚鈍麻の有無は患肢の手指を触れて観察する

4、冷感はギプスの中に看護師が手を入れて観察する

 

105、退院後、A君は「明日から学校に行けるかな」と看護師に質問した。看護師は、学校には行けることを伝えた後、学校生活における注意点を説明することにした。A君への説明で適切なのはどれか。

1、右手の指は使わないでね

2、ギプスは濡れても大丈夫だよ

3、ギプスをぶつけないようにしてね

4、体育の授業は休まなくてもいいよ

 

▽上腕骨顆上骨折とは

小児に生じる骨折で、肘の骨折の中で過半数を占めている骨折である。受傷原因の多くは転倒転落の時に、肘を伸ばして着くことである。

▽症状

肘周囲の疼痛

肘を動かすことができない

ずれが大きいと、神経の損傷や血管の損傷を伴うことがある

 

▽診断

エックス線撮影・C撮影など

 

▽治療

☆ずれが小さい場合

ギプスやシーネで固定する(保存療法)

物を見せながら説明すると理解を得られやすい

*ギプス固定の注意点

・徒手整復を行う際には痛みを伴う。

・徒手整復を行い、ギプスを巻くため時間がかかる

・ギプスが乾いて固まるとき、熱を発して熱くなる

 

☆ずれが大きい場合

全身麻酔下で整復およびワイヤー固定を行う。

手術の説明をあらかじめ行い、不安軽減に努める

 

▽ギプス固定、手術後の注意点

☆コンパートメント症候群

受傷や手術の影響で、患肢が腫れることで、神経や血管が圧迫されること。皮膚色が不良になったり、しびれが生じたり、痛みが強くなる。壊死や神経損傷などにつながるため、注意して観察が必要である。

管理としては

・患肢の拳上クーリングを行い、浮腫み軽減する。

・頻回に手指運動・知覚・麻痺・皮膚色・冷感を確認。

・痛みの程度を確認する。

・手指はしっかり動かす。

・歩行時は三角布を使用して拳上する

▽退院後の生活

退院日より通常の生活に戻ることができる。

患肢をぶつけると、固定がずれることがあるため、ぶつけたり、転倒して手を着いたりしないように注意する必要がある。

シャワーはビニール袋で覆って、ギプスが濡れないようにする。

痛みが強くなったり、しびれが出るなどコンパートメント症候群を疑う症状があったら、早期受診する。

 

103の答えは4、ギプスに使うものを説明しながら説明する。

104の答えは3、感覚鈍麻の有無は患肢の手指を触れて観察する。

105の答えは3、ギプスをぶつけないようにしてね。