もう5月半ばで、春というより初夏と呼んだほうがよさそうだ。
光はずいぶん明るくなって、時に眩しいほどで、目にしみるように感じることもある。


この季節になると、服も少し軽くなる。
白や、薄い色合いのブラウスにロングスカートという装いの軽やかさで、湿度の低い空気の中を歩くのは気持ちがいい。重ね着の季節が終わって、身につけるものが少しずつ簡素になっていくのも、初夏らしい心地よさのひとつなのだと思う。


薄着になるぶん、首元も少しひらく。
そんなとき、ジュエリーでさりげなく装うのも、優雅で楽しい。ほんの小さなきらめきがあるだけで、気分まで少し整う気がするから不思議だ。


街路樹のはなみずきもきれいだ。
緑の中に白が混じる、その控えめな華やかさが、梅雨入り前の明るい季節によく似合っている。見ていると、ああ、いつまでも沈んでばかりもいられないな、という気持ちになる。


そんな日は、帰宅の道すがら、なにか初夏らしいものを買って帰ろうかとも思う。
初鰹のたたきを、酢やすだちでさっぱりと味わうのもいい。着るものが軽くなるように、食べたいものも、少しずつ涼やかなものへと移っていく。


もちろん、日々の営みの中では、気分が晴れない日もある。
それでも、白いブラウスや、首元の小さな光や、初夏の味のことを考えていると、季節に少し背中を押されるような気がする。