「独りじゃない、いつの日も、どこまでも。」


Ⓒ円谷プロ 
Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会





皆さんこんにちは


今更ながらSSSS.GRIDMANを観ました、と始まる下書きを書いてから、はや2ヶ月以上たってしまいました笑

2ヶ月ものの熟成したブログとなります笑


ということで、早速ですがこの作品

めちゃくちゃ面白い!


何よりも、1クールであの完成度の作品を作り上げたというのが、個人的にはほんとにすごいと思いました

1クールで完成度の高い作品と言えば、個人的にパッと思い浮かぶ作品は、「魔法少女まどか☆マギカ」でしたが、SSSS.GRIDMANはそれに負けず劣らず素晴らしい作品でした


何がそんなに良かったのかについて、自分が思ったことを書き連ねてみたいと思います



​物語の進行・構成

 SSSS.GRIDMANの概要を説明すると、主人公の響裕太、宝田六花、そして内海将の3人(通称グリッドマン同盟)が、ジャンク品のパソコンを通して、裕太がグリッドマンに変身し、六花と内海はサポート役として、共に怪獣と戦うというものがこの物語の流れとなってます。

 敵対関係として、怪獣の創造主であり、3人の同級生でもある新条アカネと、アカネが粘土で作った怪獣を実体化させるアレクシス・ケリヴがいます。この敵対する2人は、グリッドマン同盟と同じくらいこの作品において重要な人物となります。


 ここからはもう少し話を掘り下げて行こうかなと思います。


 第1話「覚・醒」において、裕太は初めてグリッドマンとなって、街で暴れる怪獣と戦いますが、その際、街は怪獣によって破壊され、グリッドマン同盟の面々が通う高校も、怪獣の攻撃によって破壊され、炎に包まれてしまいます。しかし、第2話「修・復」で、グリッドマン同盟の面々が高校に行くと、そこには怪獣によって壊された街や学校が、一夜にして全て元通りになっていました。またそれだけでなく、グリッドマン同盟以外の誰一人として怪獣が出現したことを覚えていないこと、そして、クラスの同級生が過去に事故で死亡したことになっていたことになっていました。(実は死亡した同級生は、怪獣の攻撃によって死亡していました)


 この時点で、なぜ壊された街や人々の記憶がリセットされ、昨日まで元気だった同級生がなぜ過去に死んだことになっているのかという強い謎が残ります。こういう強烈な謎を序盤に残すことで、視聴者がこの先の展開を色々想像したり、どうなっていくのかというワクワク感を起こさせます。


 ちなみに、街や記憶がリセットされる謎に関しては、劇中で様々な場面においてヒントが散りばめており、物語の中盤で、とある登場人物によってこのリセットの謎、ひいてはこの世界の衝撃的な真実が明かされます。


 また、第1話では怪獣を粘土によって作り出す存在が明かされますが、そこでは割れた眼鏡の奥に映る不気味な瞳だけが出ていました。しかし、第2話において、その正体は新条アカネであり、またその怪獣を実体化させる力をもつアレクシス・ケリヴの存在が早々に明かされます。個人的に、正体を明かすタイミングが早いのでは?と思っていましたが、2話以降、グリッドマン同盟と新条アカネの両方の視点が映し出されながら、物語が進んでいきます。このような味方と敵、双方の視点が映ることで、視聴者はメタな視点を持つことができ、より作品に没入する作用を持っているように思います。


​キャラクターデザイン・挿入歌

 次にキャラクターのデザインについてです。イラスト投稿サイトのpixivにおいて、SSSS.GRIDMANについて検索すると、2人の女性キャラクターが数多く出てきます。その2人とは、宝田六花と新条アカネのことです。


 SSSS.GRIDMANが話題になっていた時、物語の内容こそ知らないものの、女性キャラクターの宝田六花と新条アカネについては知っていました。


 物語の内容は知らなくても、キャラクターだけは知っているというのは、一見するとそこまで何か思うことはないかもしれません。実際、コンビニなどでもコラボ商品が出ていたりなど、数多くのキャンペーンが行われており、そういう意味でも知っててもおかしくはありません。しかし、我々が住んでいるアニメ大国・日本において、女性キャラクターなどまさに星の数ほど存在しており、その中で物語は知らなくても、キャラクターは知っているという状態を作り出せるのは、すごいと思います


 私はデザインに関しては、全くのど素人なので細かくあれこれ言えることはできませんが、しかし、アニメオタクの脳裏に焼き付けるようなデザインが施されているというのは、紛れもない事実であるように思います


 また、このSSSS.GRIDMANでは、挿入歌に合唱曲が流れるのですが、この流れている合唱曲には、私自身が実際に歌ったことがある曲もあり、そしてそれらの合唱曲は、私の学生時代の思い出が詰まっています!

 さらに言うと、合唱曲が流れる場面と歌詞の内容がリンクしていたりするので、ほんとに最高な演出だと思います!

 具体的に挙げると、「Believe」「心の瞳」が私の学生時代の思い出が詰まっている合唱曲です。しかもこの2つの曲がかなり大事な場面で流れていたりするので、個人的には非常に嬉しい!

 これらの合唱曲を聴くと、学生時代だった時をまるでつい最近の出来事のように思い出すことができ、どうしようもなく無性に学生時代に戻りたいと思ってしまいました笑 あれだけ学校に行くのが面倒だと思っていのに、いざ大人になってみると今度は学生時代に戻りたいと思ってしまいました笑

 他にも、「あなたへ〜旅立ちに寄せるメッセージ〜」なんかも非常に学生時代を思い出す曲です。私自身は歌っていませんでしたが、一学年上の先輩達が歌っていたことから、いつの間にか好きになっていました笑 

この曲はほんとにかっこいい曲だと個人的に思っていて、歌唱はもちろんのこと、伴奏のピアノもめちゃくちゃかっこいいんです!気になった方は、是非聴いてみてください!



​様々な怪獣たち

 私としては、SSSS.GRIDMANがなぜここまで私の心に刺さったのかと言えば、怪獣にあるかと思います!敵役として登場する怪獣然り、新条アカネの部屋に飾ってある怪獣の人形もそうです!


 昔からウルトラマンが好きな私ですが、20代を過ぎた今でも、未だにウルトラマンを観ますそれは、ウルトラマンがかっこいいというのもありますし、演出や物語を楽しむというのもあります。しかし一番の理由としては、やはり怪獣が好きというところでしょう。

 昔から、ウルトラマンよりも怪獣が好きで、おもちゃなんかも、ウルトラマンよりも怪獣の方を好んで買ってもらうほどでした笑


 さて、そんな怪獣好きな私にとって、SSSS.GRIDMANは興奮したカットがいくつもありました。例として、第7話「策・略」のワンシーンが挙げられます。ここでは、UFOというのが1つキーワードとなるエピソードだったのですが、僅か3秒ほどのワンシーンで、UFOに関連した5体の怪獣が人形として登場しています。

 それぞれ、ロボフォー、シルバーブルーメ、ロベルガー、アブドラールス、ノーバといった怪獣なのでますが、怪獣オタクな私にとって、これ以上ないほどニヤニヤしていたシーンだったかもしれません


 このように、怪獣を知っているからこそ、ニヤニヤしてしまうシーンは他にもあります。敵として登場する怪獣なんかもまさにニヤニヤしてしまいます!

 「明らかにあの怪獣がもとになっていて、そこにプラスして、あの怪獣のあの部分の要素も取り込んでデザインしたんだな〜」というのを、毎回考えながら観ていました笑



​そのための関係だから

 最後に、宝田六花が新条アカネに対して言ったセリフ、「そのための関係だから」という部分についてです。いきなり、何の話?というふうに思われるかもしれませんが、これは最終回「覚醒」において、自分の世界に閉じこもる新条アカネに対して、グリッドマン同盟の3人が説得をするという場面において出てきました。


 もう少しこの場面について詳しく説明すると、新条アカネは「広い世界」というものに対して、他者との関係を恐れているところから、なかなか自分の世界から出ることができないでいました。しかし、グリッドマン同盟の3人は、そんな新条アカネに対して、 


宝田六花

「大丈夫、アカネは1人じゃないから」


内海将

「みんな万能じゃないから、他人を必要とするんだ。新条さんが誰かを必要とすれば、この町だってきっと広がっていく。」


響裕太

「この町だけじゃない、きっと新条さんの世界も」


と言って、説得を試みます。しかし、新条アカネは涙ながらに


「私にっ…!広い世界なんて無理だよっ…!」


と言い、一旦は拒否してしまいます。しかし、六花がすかさず


「だから私達を頼って欲しい。信じて欲しい…。そのための関係だから。」


と返します。冒頭の「そのための関係だから」というのは、この部分であり、この言葉を受け、新条アカネは広い世界に一歩踏み出す決意をするのです。


 ありきたりなセリフだと感じる方もいらっしゃるかと思います。しかし、何故そんなセリフに感動したのか。そこにはいくつか理由があります。


 1つは、このセリフが新条アカネを直接的に自分の世界から出るという行動に影響を与えたからです。新条アカネは、私が考えるに、非常に繊細であり、それゆえに恐らく傷つきやすい人だと思います。他者との関係において、全く傷つかないということはなく、ましてや繊細な新条アカネにとってみれば、ちょっとしたことでも傷ついてしまったのでしょう。だからこそ、自分の世界に閉じこもってしまったのだと思います。

 しかし、そんな新条アカネに対して、先程出てきたセリフでグリッドマン同盟の面々が説得するのです。そして、傷つきやすい新条アカネだからこそ、私達を頼って欲しい、信じて欲しいという宝田六花の説得は、新条アカネの心に響いたのでしょう。


 2つ目に、私自身が大学において、他者との関係についてフォーカスして勉強しており。このセリフは、まさに私が勉強した結果たどり着いた結論と同じだったためです。

 大学において、社会的弱者とも言われることもある障害者と健常者との関係について勉強をしていました。(因みに、ここでは便宜的に障害者と健常者というふうに書いていますが、私はこの呼び方や分け方に対しては懐疑的です)

 その中で、障害者、特に重度の障害を持つ人は、肉親などの他者の力を借りなければ、生きていくことができないというふうに言われています。おそらく、それは多くの人が容易に想像がつくと思います。しかし、翻って私達は他者の力を借りていないで生きているのでしょうか?

 結論としては、Noです。何故なら、私達は独りでは生きていけないからです。

 今来ている服、今住んでいるところ、普段乗る車や公共交通機関、食べ物、スマートフォンなど、それらは全て他者を介しています。そして、それらは自分が専門家ではない限り、他者を介してでしか得られないモノです。しかし、私達はそのような他者を介してでしか得られないモノに対して、お金というものでその代価を支払います。このお金で代価を支払うというものが、他者の存在を見えにくくさせ、私は独りで生きていけるのだという錯覚を起こさせるのではないかと私は思います。しかし、何度も言うように、他者を介してでしかモノは得られないのであり、結果的に他者との関係がなければ、私達は生きていくことができないのです。


 少し道が逸れてしまいましたが、まさに他者との関係については、内海が端的かつ的確なことを言っています。

つまり「みんな万能じゃないから、他人を必要とするんだ。」というセリフです。

技術の進展に伴い、他者との関係が希薄になっていると言われることもありますが、そんなことは全くなく、振り返ればむしろ他者との関係で生活ができているのです。


話は全く変わりますが、この説得するシーンは恐らくは、ウルトラセブンの最終話のラストシーンをオマージュしていると思われます笑 

セブンの最終話のシーンを知っているであれば、絶対に思い浮かべるシーンだと思います。

ここでもウルトラマンの小ネタを挟んでくるのは、ほんとにウルトラマン大好きな私にとって最高の演出です笑

 そして、その際に流れているOP曲のピアノのみのアレンジ、演出、そして声優さんの演技力、どれも胸熱で感動してしまいます!




 さて今回はこんな感じでアニメ「SSSS.GRIDMAN」について自分なりに考えたことを書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?SSSS.GRIDMANの魅力が少しでも伝わると嬉しいです!


では今回はここらへんで!

色々ネタは考えているので、次の投稿がいつになるかわかりませんが、また会いましょう!