19歳のとき、

ぼくは気が狂いそうになった。



そしてあのときから僕は人の相談に乗っていたんだな、と思う。



桜が舞う道を歩きながら僕は、落ちていく花びらが自分の残された人生のように思えて苦しかった。



周りに流されるように

『当然そうだよね』という世の中の空気を胸いっぱいに吸い込んで、

ぼくは気がつけば大学を受験していた。



今でも覚えている。

面接官に『Mr.Childrenっていいですよね。ぼくは詩の世界観がとても好きです』と伝えて大学に合格した。


いま思えば、ぼくはそうやって人の懐に入るのは昔からうまかったのかもしれない。



その頃、mixiで知り合った女の子と大学入学式の3日前に会うことになった。

その女の子も僕と同じ大学で、しかも同じ学科を受けることがわかり、意気投合した。


知り合いを早めに作っておくに越したことはないと思った。


その子と会って当時、猿のような脳みそをしていた僕はすぐに手を出した。


大学で気まずくなることなど考えずに、僕はその子に手を出していた。

あらかじめ言っておくが一線は超えていない。

前戯だけ、といえばいいだろうか。


その女の子は特に抵抗することもなく僕にされるがままだった。


僕の実家に遊びに来て、桜を一緒に観たのを今でも覚えている。




大学が始まってから、その子とはあまり連絡は取らなくなっていた。


僕は実家から大学に通うまでの2時間半という時間に辟易していて、電車の中で自分の将来の不安を飲み込んだ。



なぜ、大学に行くのだろう。


僕は、単位を取るために行くのだろうか。


僕の未来はどうなるのだろう。




残念ながら僕が受ける心理学科にはその答えはなかった。


大学で友達もすぐに出来た。



大学に入って2ヶ月後のこと。


僕は久しぶりに桜を一緒にみたあの女の子に連絡をしてみた。


『授業一緒だったね。そういえば最寄駅って大学の近くだよね?』

「そうだよ」



その日、僕はその女の子の家にお邪魔することになった。


その子は色々と悩みを抱えていて

僕はその悩みを聞くのが好きだった。


好きというと語弊があるが、僕はなぜかその頃から人の心の奥を見ることに興味が湧いていた。


いま思うと自分が心の奥を誰にも見せられないから、人の心の奥を覗き込めたときに、僕は承認欲求が満たされたのかもしれない。


家に3回ほどお邪魔させてもらったとき。


彼女は言った。


『私ね、処女なの』


僕の脳みそは悩みを聞く心ある人間から、猿に再び変わっていた。


その言葉が堰を切るようにして、僕たちはベッドの中で弄りあった。


彼女は、僕が初めてでもいいと、言った。


しかし、単刀直入に結果だけいうと、緊張で勃起することができず挿入は叶わなかった。


その日以来、お互い何を感じ取ったのだろう。


一切連絡は取らなくなった。。。



僕は、それ以来


僕の未来はこの大学にあるのだろうか。

おれは4年間もここに通うのだろうか。

おれのことを単位で判断しないでくれ。



そんな思いが込み上げて、とうとう不登校になった。



母親には弁当を持たせてもらっていた。

大学に行って来ますと、玄関で告げて、自転車にまたがった。

もちろん最寄駅は向かわず近くの公園で弁当を食べ、東野圭吾を読み漁った。


僕の大学の時の1番の友達は

東野圭吾だった。


彼だけは僕を受け入れてくれる気がした。


しかし、東野圭吾でさえ、僕の未来への答えには何も言ってくれなかった。


紙に綴られた活字を見つめながら僕はケータイ電話で「お笑い芸人 なる方法」と検索していた。



その頃だ。


はじめて自分の本音に僕がアクセスしたのは。


誰かの心の奥ばかりを覗きこむのはやめて、自分の心に耳を傾けたのは。



あれから、7年以上が経った。





思うことはいくつかある。



僕は10代の頃からウィルコム(電話)を使って数百人の相談に乗っていた。

あの頃はmixi全盛期だった。


そして、僕は、悩み相談に乗ることだけが、女の子とベッドの中で弄りあえる唯一の方法だと思っていた。



「私ね、処女なの」



あの女の子は元気だろうか。



たまにふと思い出す。



今の僕ならまた違った関わり方が出来たような気がする。



とりあえず思うのはあの子にとっての初めてが僕じゃなくて良かった。

あのあと大学を辞めた僕に抱かれていたら

彼女からしたら、ヤリ逃げもいいところだ。





あれから気が狂いそうなほどの未来への不安は無くなった。



いま思えばあれから僕は7年間しっかりと自分の足で歩んできたのだ。



そんな自分を褒めてあげよう。


そんな等身大の自分で誰かと関わっていこう。



そう思うのであった。






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元お笑い芸人かねやんによる

第2弾トークライブ!!!


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