「ラーゲリーから愛を込めて」の

山本幡男さん、

 

その長男の顕一さん、

 

「寒い国のラーゲリーで父は死んだ」

(バジリコ株式会社)

 

という本を出版している。

 

 

その中に、

 

父・幡男さんのことや

母・モジミさんのことや

弟や妹たちについて

自らの人生について書かれている。

 

その中に、

同志以外に消息を伝えた人たちがいた。

 

しばらくして、当時北海道で暮らしていた父の妹松本カホルから」分厚い封筒が届いた。カホル叔母は、この船で帰国した新森貞という人が北海道の病院で療養中であることを知って、その病院を訪ね、父と長い間シベリアで苦楽を共にした新森氏から父の生死に関する詳しい情報を聞かせていただいたという報告であった。

と、ある。

 

また、遺書についても、

 

1955年10月、訪ソ社会党議員団がハバロフスクの戦犯収容所を訪れた。戸叶里子代議士が抑留者たちと話をしている時に、いきなり一人の男が思い詰めたように緊張した表情でつと駆け寄り、数頁の紙片を代議士の手に握らせて、これはある人の遺書である、ぜひともこれを故郷の遺家族に手渡してくれと言ってそそくさと走り去った。

とある。

 

どれも感動的な話である。