光と影 | ambivalence~銀次郎の心の行方~

ambivalence~銀次郎の心の行方~

様々に感じたことを多面的に綴る。
夜の窓は本来の僕を写し出す。

9月末に恩師が他界した。
とっても嫌な恩師(女性)だった。

「嫌味を言われ」
「たまに叩かれ」
「決断せずに逃げられ」
「他社からのクレームが絶えず」
「事務所内で私だけ、酷な状況に置かれ」

でも振り合えれば、彼女からお金では買うことのできない貴重な体験をたくさん、いただいた。そして、仕事上の今の私がいる。

なので、恩師となる。
周囲からは、「いじめられてたね。」と言う人もいれば、「誰よりもかわいがられていたね。」
と賛否両論だ。

でも、今思えば、本当の意味での恩師だったのだと思う。

離職後はよく、二人で飯を食い、酒を飲んだ。
嫌な気はまったくせず、逆にとても楽しかった。

私が退職したことをとても悔やんでいた。
(自分の責任だとも言っていた。)

でも時間を取り戻すことはできない。
ということで二人でよく飲みにいった。

彼女からはこれからの人生で決して忘れることができない言葉をいくつももらった。
「天職と適職の違い」
「何事も、パッとやる。」
「過去は顧みても、振り返らない。そして、立ち止まらない。」
「情熱に勝るものはない。」
「自分の気が済むまでやる。」

もっともっとあったけど、書ききれない。

華やかな人だった。
しかし、晩年は孤独だったと思う。

なので、余計にいたたまれない。

10月頭に葬儀が行われた。私は関係者として受付をした。
そこで彼女とのいろんなことを思い、自分の今を考えた。
出棺の際に、周囲から
「親族ではないけど、君は最後の見送りとして御棺を持ってあげなさい。」
と言われた。
ご親族の気まずい目線に耐えられず、決して持つことはなかった。
それを気にした周囲が、俺を御棺の一番近くの場所に立たせた。
「これで、本当にお別れなのだ。」と思うと意識とは逆に驚くほどの涙があふれ出た。
歯を食いしばり、上を見上げてもどうにも留めることができなかった。

ただ一つ、決してくよくよはしない。
それは、きっと彼女に喝を入れられるから・・・。

来月、彼女のお別れの会が行われる。
これも、関係者して呼ばれている。
この会で、俺は何を思い、何を偲び、何をアクションするのだろう。
周囲からは、彼女の意思を継ぐ者として、言われている。
そこで俺は、何をアクションするのだろう。。。