金森倉庫創設者 初代渡邉熊四郎は明治2年(1869年)大町に洋品店、森屋商店を開設しました。
1863年熊四郎24歳の時に長崎から箱館へ渡ってきました。昆布など海産物の海上輸送で富を築いたり、ラシャ、蚕卵紙、油、洋品類の取引で大きな利益を得ました。
おりしも明治2年箱館は「箱館戦争」で大混乱の時代でした。
少々逸話を紹介します。
熊四郎は函館山から箱館戦争の戦況を見ていたとき、和服の侍が鉄砲の洋装の官軍に次々に倒される様子を見て、熊四郎は洋服の時代が到来するのを確信し、洋品店の開業を決めたといわれております。
箱館戦争以後、店は大繁盛したとのことです。
ただその時の店は明治12年の大火で焼失してしまいました。
翌年明治13年に(熊四郎41歳)現在の末広町に「金森洋物店」を新装開店します。
茂辺地の煉瓦を使用し、日本古来の土蔵造と煉瓦を折衷させた防火建築です。
函館の建築物の歴史はまさに大火の歴史と言って過言ではありません。
旧金森洋物店以外にも金森倉庫など多数その歴史を今に伝えております。
市内の半分が焼失した明治40年(1907年)の大火では、金森洋物店は類焼を免れ、1925年(大正14年)まで営業が続けられております。
1963年(昭和38年)には北海道指定有形文化財に指定されております。
その後、渡邉家から函館市へ寄贈され、昭和44年(1969年)から市立函館博物館郷土資料館として広く親しまれております。
金森赤レンガ倉庫 第二期開発工事にてオープンした「金森洋物館」(カネモリ ヨウブツカン)は、初代渡邉熊四郎が明治2年に函館で初めて異国の夢を売る舶来品の店として開業してから125年後の現代に蘇りました。
旧金森洋物店 市立函館博物館郷土資料館
函館市末広町19-15 市電末広町下車徒歩1分 ℡0138-23-3095
入館料 一般 100円 学生生徒児童 50円