私の手元に昭和53年から54年頃と思われる

沖縄の郵便局の局舎を写した写真が数十枚ある。

おそらくは切手マニアが風景印でも集めるついでに

撮影したものではないかと思う。

これから、それをボチボチと紹介していこうと思うが、

その中に1枚少し気になる画像があったので、

まずはそれから紹介する。




まず、松川(まつがわ)郵便局は那覇市松川3ー1ー20にあった郵便局で
那覇三原郵便局に統合され、2015年11月27日をもって閉鎖された。

さて、気になったのは郵便局前に停まっているサン食品の車である。

サン食品と言えば創業50年を越える沖縄そばの老舗の製麺所であり、
現在は糸満市に本社と工場を構えているが、昭和43年1月20日に創業したのは
この那覇市松川の地であった。

現在では「サン食品=沖縄そば」というイメージだが、
この車には「生蕎麦」「うどん・ラーメン」という文字が見られ、「沖縄そば」の文字はない。
いや、この写真には車の全体が写っている訳ではないので、
別の部分に書かれているのかもしれないが、
少なくとも創業10年を迎えていたこの頃は、必ずしも「サン食品=沖縄そば」という訳では
なかったのかもしれない。

改めて調べてみると現在でもサン食品では日本そばやうどん、ラーメンの麺も作っているが、
ホームページの隅までよく調べないと気づかないほどで、商品紹介には載っていない。

この少し前の昭和49年頃発行の月刊沖縄社のガイドブック『めんそうれ沖縄』には
「沖縄そば」について次のように紹介されている。

「本土のそばと違ってラーメンに近い色と味。店によってずいぶん味が違うが、
手打ちがうまい。普通の食堂では百円前後」

サン食品が出来た頃は「沖縄そば」は店で食べるもので、
麺を買って家庭で作って食べることは少なかったのだろうか。
店では「手打ち」が普通で、製麺所の麺の需要はまだ低かったのだろう。
「店によってずいぶん味が違」っていたのが、
サン食品などの大手の製麺所の麺が普及するに従って
ある意味「沖縄そば」の味やイメージが均一化され、
方向性が定まっていったのではないだろうか。

それはともかく、この2年間何度も沖縄旅行を計画したが、
その度に沖縄の状況が悪化し、まだまだ行けるのは先になりそうだ。
「沖縄そば」は沖縄で食べるのが一番旨いので、
早く沖縄で食べ歩きが出来るようになって欲しい。