2023月12月29日
朝
今年最後の
マンション清掃作業を終え
仮眠し
次の現場へ急いだら
電車が人身事故で大幅な遅延
間に合わないと判断
家に戻り
バイクにまたがると
郵便配達員とすれ違う
その手に持つ
薄い水色の封筒に
東京メトロのマーク
もしかして
ポストを開け
神様に拝み
手刀で心を描いて開封
そこに第38回東京メトロ文学賞
優秀賞受賞の文字
泣いた
バイクを運転し
ヘルメットの中で号泣
前方に意識を集中しても
両目から涙が溢れ落ちる
次の現場は入りの時間に制限があるし
こちらも今年度最終作業
バイクを止め
泣いている時間はない
なんとか仕事を済ませ
帰宅するや爆睡
起きたら午後8時
中野へ行って
通い慣れた美味い中華料理屋で
久しぶりにレモンサワーを飲み
角煮チャーハンとレバー炒めと
麻婆豆腐を食べ
店を出ると
気持ちのたかぶりが
ようやくおさまり
見上げた夜空に輝く満月
長い長い
出口のわからない
暗黒の迷路をさまよい
ようやく目にした光
人生最高の想いで見つめる満月へ
右拳を小さく突き上げる
この日
泣いたことを生涯忘れない