僕が得たもの

例えば好きな歌手がいて、対価を払えば本人の声で生歌が聞けたり。

例えば好きなアイドルがいて、対価を払えば握手が出来たり。

物の価値観と対価の値段の感じ方は人それぞれ。

お金と時間を掛ければ叶えられる願い、ならば安い買い物と捉える人はある程度いるでしょう。

でもお金と時間をかけても叶えられるとは限らなく、それが労力に終るとするならば？

それは運であり、結果論なのかもしれません。

僕にとって一勝はどんな物でも一つの勝ち星。

それが重賞であろうと未勝利戦であろうと一つの勝利です。

二十数年で築き上げた１つ１つの勝利は何物にも変え難い。１つ１つがとても難しくだからこそ尚更に嬉しい。

今回の勝利もとても嬉しかった。

でも何より嬉しくて、たった今書きながら目頭が熱くなってしまう出来事もありました。

自分に会いたくて遠路はるばる来た方。

応援しているから息子に僕の名前を貰ったという方。

いつかサインを書いてもらうため、僕の愛馬の大きな写真を持参された方。

声援を送りたいからと駆け付けた方。

僕が勝つなんて保証はどこにも無いし、徒労に終る可能性はいくらでもある。

むしろその可能性の方が高いのかもしれません。

僕は幸せ者ですね。

こんなにも人から温かい目で見られている。

これってなかなか誰しもが経験できるものでは無いと思うんです。

何故ならそこには何も確実なものが無いから。

あくまでそれは、ギャンブルの対象で勝つ保証も無いしサインを貰える保証も無いし、話を出来る保証も無い。

それでも一目見たいし応援したい。

そう思って観にいらして下さる事実が、多分僕が生きてきた一番大きな意味になるのではないかと思うのです。

ありがとうございました。