めぐりあい | 金子光希オフィシャルブログ「そらとぶおにいちゃん」Powered by Ameba

めぐりあい

皆さんこんばんは。

寮監さんの娘さんカズちゃんに最近「かねちゃーん」と呼ばれます。寮長です。
(カズちゃんの話はこちらhttp://ameblo.jp/kaneko-soratobu/entry-10229650632.html

縁といますか、めぐりあわせといいますか。
やはり人には何かがある気がしますよね。


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その日の夜は近場の居酒屋で一人寂しく呑んでいた。

久しぶりに競馬で自分の騎乗馬を亡くし、一人で呑みたい気分だった。
ただのヤケ酒とも言えなくはない。

そして居酒屋の大将に今日の愚痴をポツリとこぼし、一杯ご馳走して少し饒舌になった大将から、息子の愚痴をこぼしてもらう。

正直なところ、こういう気を遣わぬ一人酒も嫌いではない。

そうこうしていると、競馬を終え無事に帰宅してきた厩務員さんの面々がお店にやってきた。

「おつかれさまですー!」

会釈と軽い挨拶を交わすと、顔なじみであったこともあり、そのまま同席させて頂くことになった。

和気あいあいとした雰囲気の中で、一人の厩務員さんに声をかけられた。

「なぁ光希。今度さ、俺の担当馬が障害始めるらしいんだよね。」

その方は手塚厩舎の厩務員さんであり、僕の師匠である矢野進厩舎で勤めていて僕がお世話になったことのある厩務員さんの息子さん。

そう。声を掛けてくれたのが、今週競馬に騎乗するクランエンブレムの厩務員さんだった。

それまで手塚先生と面識はあれど騎乗したこともなく、そこまで接点もなかった僕が、先生に挨拶し携わらせて頂けることになったのも、この機会がなければそして矢野厩舎にお父さんがいなければ無かったであろうという成り行きなのだ。

そうして障害調教に跨らせて頂き今に至る。

今週土曜の競馬は二戦目だ。追い切りと出馬投票を終え、厩舎に挨拶に行きいつも通り談話を繰り広げた。

「みつきー・・・この馬、障害飛ぶの好きそうだよな・・・」

はい。とっても好きそうです。なんか楽しそうですもん。。。

「だよなー・・・最近、関係ないところでたまに飛ぶんだよコイツ」

なんか若いですもんね。気持ちも。
ほんと我が強いですし、でも繊細な一面が障害飛越の際の安定に生きてる感じがして。

「うん。でも、やっぱり落ち着いて席で競馬をターフビジョンで見てらんないんだよ俺。飛ぶたびにさ身体がこう、ビクン!となっちゃうんだよな。やっぱり障害は見ていていやなんだよ~・・・だからさ。な?どうか頼むよ・・・」

子どもを送り出す親心のようなものを厩務員さんに感じ、どうかデーンと構えていてくださいよー!と出かかったが、僕にはいつもこうしか言えない。

「任せてください。頑張ってきます!」

一歩間違えば無責任な発言かもしれないが、そうして相手に安心を与えられたらと思うと共に、自分を鼓舞するのだ。