チューしちゃったの・・・カ | 金子光希オフィシャルブログ「そらとぶおにいちゃん」Powered by Ameba

チューしちゃったの・・・カ

皆さん、こんにちは。
昨日と今朝の出来事です。


思い立ったが吉日。

「よーし!肉食うぞー!」

いつもの通り、思いつきでいきなり焼き肉大会を催した。

今回は寮のイベントでもなんでもなく個人的な物なので、予告も何もしていない。

計画性は皆無だ。


午後になり、厩舎の挨拶回りをさらっと終わらせる。

そして早速、火起こしに勤しむことにした。

吹き抜ける風。

炭に走る赤い旋律。

五臓六腑に沁み渡る冷えたビール。

気分はもう夏気分。

そんな中で一人、冬でもないのに哀愁を漂わせている人間がいた。


何を隠そう、俺だ。


そうだよね。

いきなりすぎるよね。

そりゃ、みんな知らないわけだ。

来るはずがない。

うさぎさんもビックリなほど情けない風体を露わにした俺は、通る人間に片っぱしから声をかけていくことにした。

「ほらお肉おいしーよ?」

「肉食うぞーー!」

忙しく行きかう後輩たちは、すでに今日の予定があるようだ。

そんな姿を哀れに思ったのか、一誠さん が手を差し伸べてくれた。

『なにしてんだ光希?冷えてないけど、貰いもんのビールやろうか?』

脱ぎキャラの定着してしまった感のある一誠さんだが、この時ばかりはツンデレツンを脱ぎ棄てた先輩が天使に見えた。

そしてその後ついに、後輩の一人を捕まえることに成功した。

六畳一間の狭いスペースで数人で川の字になって寝るのがお馴染みになっている、鈴木慶太だ。

「けーた、お願い。蚊がうっとおしいから虫よけ買ってきて?」

先輩のいきなりのお願いに彼は一つ返事で聞いてくれた。

5分後に戻ってきた彼の手には、何故か蚊取り線香。

うん。蚊にはやっぱ蚊取り線香だよね。
日本の夏。蚊取り線香。
知ってる、知ってるー。

一生懸命妥協をしたが、シューっとスプレーする虫よけの何かを想像していた俺は、蚊を取る前から彼に一本取られてしまった。

結局のところ最終的には急きょだったにもかかわらず、10人ほど集まってくれ楽しく過ごすことが出来たので、良しとしよう。

お腹もいっぱいになり、一日を終えた自分は床についた。

幾時たったであろう。
何処からともなく聞き覚えのある声がする。



「ぷ~ん」



ヤツが来た。目覚ましよりも強力な音源を持つ凄いヤツ。

だが今の俺は睡魔を相手にするので手一杯だ。
余所を当たってくれ!

掛け布団を掛け直すと、思いが通じたのか、思いのほか静かに朝を迎えた。

目覚ましを止め、瞼を開こうとする。

その時左の眼に違和感を感じた。



「眼がぁ・・・眼がぁ~~!!」



涙が止まらなくなった俺は、ムスカもびっくりなくらいの勢いで、のた打ち回った。(ラピュタ参照)

まるで何か刺さってるんじゃないかと思うくらいの痛み。

鏡で確認すると、真っ赤に充血しているのが見てとれた。

その時、ふと別の部分もおかしい事に気がつく。

なに?この唇・・・・

アヒルでもないのに、アヒル口。

ムチュ~っとキッスをしたいわけでもないのに尖った唇。

寝ている俺から無理やり接吻を奪った犯は、一人しかいない。

「あのやろう・・・もう怒った!!」

血に飢えた雌猫に制裁を加えることにした。

まさか、慶太の買ってきた線香がこんなところで役に立つとは。

もう、この際言えるセリフは一つだけであろう・・・バルス!!(ラピュタ参照)

仕事を終え、眼科に行っている間、部屋でこんこんと焚かれる蚊取り線香。

帰ってくると、部屋の周囲の人間が「なんか臭い。なんか臭い」と漏らしている。

「ごめん。それ俺の部屋の蚊取り線香の匂い・・・」

廊下まで漂う匂いにも増して、当然の如く部屋は凄まじい線香臭が充満していた。

バルス・・・それは禁断の破滅の呪文。

蚊と一緒に、僕の部屋も壊滅しました。


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