若気の至り
こんばんは。
昨日はつまらない話ですみませんでした。
競馬で命を落とした後輩、怪我により今まで通りの生活を送れなくなった先輩のことを考えていたら、なんともやるせ無い気持ちになってしまい、書いてしまいました。寮長です。
長くなりそうですが、今日はまたアホアホ話を。
競馬に騎乗する前日の18:00に入室する調整ルーム。
多くの騎手は、こちらに入室する前にコンビニに立ち寄ります。
そのコンビニでの一コマ。
数人で乗車した車で競馬場へと向かい、いつも通りコンビニへと立ち寄る。
『いらっしゃいませー。』
店内へ脚を踏み入れ、声のする方へ視線を向けると、何気に店員さんが可愛かった。
「うん。ここは良いコンビニだ!」
自分のコンビニに対する良し悪しの基準が、全くといっていいほど分からない。
俺は一体、コンビニに何を求めているのだろうか・・・
買い物カゴを手に取り、陳列された品々を物色する。
「サウナ用の雑誌と~、飲み物と~。あ、おやつ忘れるとこだった!300円まで・・・と」
我ながら、どこへ行こうとしているのか不安が募る。
そうこうしながら、生活用品の棚を横目に角を曲がると、ふとあるものが目に留まる。
通称ゴムこと、「根 童夢」くんだ。
悪気は無かったが、ふと悪戯心に火がついた。
サッと、キラキラ輝く「根 童夢」くんを手に取ると、何食わぬ顔で反対からやってくる後輩の元へと歩み寄る。
すれ違い座間に、俺は手に持った童夢くんを彼のカゴへと投下した。
ぴゅ~ん。
ステルス機能のついた童夢くんは、音も無く着地を決める。
作戦開始!
我が手から放たれた「フラグ」こと童夢くんは、そのまま彼に気付かれることなくレジへと向かい、あのレジに立つお姉さんの手元にて爆発。
気がついた彼が、慌てふためきながら返品する・・・というオチだ。
どうしよう。想像するだけで、ニヤケ笑いが止まらない・・・
逸る気持ちを抑えながら、先に会計を済まし、店の外からその様子を伺う。
彼はその時限爆弾に気付くこともなく店内を一周し、ついにレジの前へと到達した。
カゴの中身を一つずつ丁寧に、レジへと通すお姉さん。
作戦は順調だ。完璧すぎる。
あとは、その時を待つのみだ。
そして、いよいよ童夢くんの出番が来た・・・
さぁ、持ち得るすべてを発揮し、盛大に弾け飛ぶんだ童夢くん!!
「いーまーだぁぁぁぁぁ!!!」
心の中で、声を大にして叫んだその時だった。
順調に進んでいるかに思えた作戦。
その、よりによってクライマックスで後輩が横を向きやがった。
うっそーん!童夢くん、レジ通っちゃったー!!
慌てふためいたのは後輩ではなく、俺自身だった。
これは完璧な計算ミスだ・・・
見事に、童夢くんは不発弾と化してしまった。
どうしよう・・・
彼はそのまま支払いを済ませると、買い物袋を手に引っさげ店の外へと向かってくる。
その半透明な袋から顔を覗かせる、不発弾と化した童夢くん。
「ぶっ!」
思わず噴出してしまった。
不思議そうにこちらを見つめる後輩に、冷静を装い声をかける。
「あのさ。お前、彼女いるって言ってたよね?」
『はい。いますけど?』
「結婚するの?」
『うーん、そのうち?』
「そかそか。じゃ、やっぱり明るい家族計画は必要だよね。それならいいんだ!」
訳の分からない先輩の言い分に、不思議そうな顔をする後輩。
しかし、童夢くんのステルス機能がよほど素晴しかったのか、彼がただ鈍感だったのかは今となっては分からないが、結局、彼が調整ルームに到着するまで気付くことは無かった。
後にその後輩から聞いた話では、一緒にいた他の先輩が不発弾の説明をしてくれ、
事無きを得たらしい。
そして今も童夢くんは不発のまま、調整ルームの片隅で今か今かと出番を待っているそうだ。
めでたしめでたし。
(彼には後できちんと謝っておきました。きっと若気の至りってやつだよ!という僕の意味不明な言い訳を、笑って流してくれた彼に感謝です。)
昨日はつまらない話ですみませんでした。
競馬で命を落とした後輩、怪我により今まで通りの生活を送れなくなった先輩のことを考えていたら、なんともやるせ無い気持ちになってしまい、書いてしまいました。寮長です。
長くなりそうですが、今日はまたアホアホ話を。
競馬に騎乗する前日の18:00に入室する調整ルーム。
多くの騎手は、こちらに入室する前にコンビニに立ち寄ります。
そのコンビニでの一コマ。
数人で乗車した車で競馬場へと向かい、いつも通りコンビニへと立ち寄る。
『いらっしゃいませー。』
店内へ脚を踏み入れ、声のする方へ視線を向けると、何気に店員さんが可愛かった。
「うん。ここは良いコンビニだ!」
自分のコンビニに対する良し悪しの基準が、全くといっていいほど分からない。
俺は一体、コンビニに何を求めているのだろうか・・・
買い物カゴを手に取り、陳列された品々を物色する。
「サウナ用の雑誌と~、飲み物と~。あ、おやつ忘れるとこだった!300円まで・・・と」
我ながら、どこへ行こうとしているのか不安が募る。
そうこうしながら、生活用品の棚を横目に角を曲がると、ふとあるものが目に留まる。
通称ゴムこと、「根 童夢」くんだ。
悪気は無かったが、ふと悪戯心に火がついた。
サッと、キラキラ輝く「根 童夢」くんを手に取ると、何食わぬ顔で反対からやってくる後輩の元へと歩み寄る。
すれ違い座間に、俺は手に持った童夢くんを彼のカゴへと投下した。
ぴゅ~ん。
ステルス機能のついた童夢くんは、音も無く着地を決める。
作戦開始!
我が手から放たれた「フラグ」こと童夢くんは、そのまま彼に気付かれることなくレジへと向かい、あのレジに立つお姉さんの手元にて爆発。
気がついた彼が、慌てふためきながら返品する・・・というオチだ。
どうしよう。想像するだけで、ニヤケ笑いが止まらない・・・
逸る気持ちを抑えながら、先に会計を済まし、店の外からその様子を伺う。
彼はその時限爆弾に気付くこともなく店内を一周し、ついにレジの前へと到達した。
カゴの中身を一つずつ丁寧に、レジへと通すお姉さん。
作戦は順調だ。完璧すぎる。
あとは、その時を待つのみだ。
そして、いよいよ童夢くんの出番が来た・・・
さぁ、持ち得るすべてを発揮し、盛大に弾け飛ぶんだ童夢くん!!
「いーまーだぁぁぁぁぁ!!!」
心の中で、声を大にして叫んだその時だった。
順調に進んでいるかに思えた作戦。
その、よりによってクライマックスで後輩が横を向きやがった。
うっそーん!童夢くん、レジ通っちゃったー!!
慌てふためいたのは後輩ではなく、俺自身だった。
これは完璧な計算ミスだ・・・
見事に、童夢くんは不発弾と化してしまった。
どうしよう・・・
彼はそのまま支払いを済ませると、買い物袋を手に引っさげ店の外へと向かってくる。
その半透明な袋から顔を覗かせる、不発弾と化した童夢くん。
「ぶっ!」
思わず噴出してしまった。
不思議そうにこちらを見つめる後輩に、冷静を装い声をかける。
「あのさ。お前、彼女いるって言ってたよね?」
『はい。いますけど?』
「結婚するの?」
『うーん、そのうち?』
「そかそか。じゃ、やっぱり明るい家族計画は必要だよね。それならいいんだ!」
訳の分からない先輩の言い分に、不思議そうな顔をする後輩。
しかし、童夢くんのステルス機能がよほど素晴しかったのか、彼がただ鈍感だったのかは今となっては分からないが、結局、彼が調整ルームに到着するまで気付くことは無かった。
後にその後輩から聞いた話では、一緒にいた他の先輩が不発弾の説明をしてくれ、
事無きを得たらしい。
そして今も童夢くんは不発のまま、調整ルームの片隅で今か今かと出番を待っているそうだ。
めでたしめでたし。
(彼には後できちんと謝っておきました。きっと若気の至りってやつだよ!という僕の意味不明な言い訳を、笑って流してくれた彼に感謝です。)