生理時の不快感は、個人差がありますが、下腹部に感じる痛みや腰痛、
イライラ、ひどくなると吐き気や頭痛、発熱など様々あります。
こうした生理痛の原因となるホルモンバランスの乱れや冷えなどは、
食生活によって改善できる場合があります。
生理期間をできるだけうまく過ごせるように、毎日の食生活でのポイ
ントをご紹介しましょう。
●ほとんどの女性が生理時の不快な症状に悩んでいる
*女性の多くが、生理痛などの不快症状に悩んでいます。
「生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会報告書」(平成11年 7
月 厚生省児童家庭局母子保健課)には、平成2年に行われた月経に関
する調査(MSG研究会:月経研究会)によると、全国各地域に居住
する8~64歳までの女性27,106人について、月経中身体的不快症状で
は腹痛(67.3%)、腰痛(46.3%)、全身倦怠感(36.3%)などの症状が顕著
であるとしています。
月経の症状については、非常に苦痛であるという人が22.6%、特に16
~18歳が多くなっていることも目立ち、一方月経痛のない人はわずか
11.8%です。
月経痛への対応は、「横になって休む」が48.9%、「我慢する」が
43.3%であるなど、消極的な対処法が目立ち、「身体を暖める」「指
圧やマッサージをする」「体操をする」などの積極的な対処法を行っ
ている人は少ない傾向にあります。
「鎮静剤(痛み止め)を服用する」とする人は30.2%ですが、医師に
相談する人はわずか0.7%となっています。
●生理痛はどうして起こる?
そもそも生理痛や、不快な諸症状は、なぜ起きるのでしょうか。
生理痛は、簡単に言うと子宮の筋肉を収縮して、子宮内部の経血を押
しだす時の痛みです。
その痛みや症状は、体質により異なりますし、また食事や生活習慣な
どが関わっています。
生理痛がひどい場合の原因をまとめると、主に3つあります。
・子宮頸管が狭い
経血が通る「子宮頸管」が狭いと、より強く子宮が収縮して出口を広
げようとするため、痛みもひどくなりがちです。
出産経験のない女性は、一般に子宮頸管が狭い場合が多いので、出産
経験のある女性よりは痛みが強いことが多いようです。
また骨盤の歪みなどによって子宮を圧迫し血流を悪くしていることに
よる生理痛もあります。
・ホルモンの影響
子宮を収縮するために分泌されるプロスタグランジンというホルモン
が分泌されますが、このホルモンは、痛みや炎症を起こす作用もあり、
分泌が過剰になり収縮する力が強く働き過ぎると、痛みがひどくなり
ます。
また健康な時は、エストロゲン(女性ホルモン)とプロゲステロン
(黄体ホルモン)のバランスがとれていますが、ストレスや不規則な
食事、寝不足などの生活習慣の乱れ、代謝異常などによってバランス
が崩れてエストロゲンが多く分泌されると、生理痛もひどくなりがち
です。
・冷えによる血行の悪さ
特に下半身が冷えて血液の循環が悪くなると、経血の通り道も狭まり、
さらにプロスタグランジンの分泌量が多くなり、痛みが増すことにな
ります。
上の調査で苦痛を感じている16~18歳が多くなっていることは、思春
期の女の子がダイエットをして「やせ」の傾向が一部見られることに
も関わりがある気がします。
ダイエットで食事量が極端に減ったり、栄養不足になることから冷え
を招いたり、ホルモンバランスを崩すこともあります。
こうした場合、栄養バランスを考えた食事をきちんととることで生理
痛が緩和されることがあります。
●ひどい状態の時は、他の病気も疑って
食事や生活習慣に気をつけていても、痛みがひどく、日常生活もおぼ
つかないような症状が続くようなら他の病気が原因かもしれません。
考えられる病気としては、子宮内膜症や子宮筋腫、甲状腺機能亢進な
どがありますので、生理不順なども含めて気になることがある場合は、
婦人科で診察・相談するのもよいでしょう。
では、生理痛をできるだけ緩和するために役立つ栄養素や成分にはど
んなものがあるか見ていきましょう。
*青魚には。DHAやEPAが多く含まれています。
〇 DHA・EPA
日経ヘルス2006.1号によると、血液サラサラ作用やウツに効果がある
とされるDHA・EPAは、女性の月経痛にも効果があると紹介されていま
す。
私は、この血液サラサラ作用で血行がよくなるので月経痛が緩和され
るのかなと思ったのですが、DHA・EPAにはプロスタグランジンの合成
に必要な酵素の働きを抑える働きがあるそうです。
米国の研究では、EPA1080mg、DHA720mgとビタミンEを2ヶ月間とって
いますが、日本でも同様の報告はあり、「毎日900mg程度摂取すれば
2カ月ほどで効果が実感できる」という医師のコメントが紹介されて
います。
もちろん効き目は個人差があると思いますが、900mg程度でしたら、
例えば青魚100g中に含まれ入るEPA・DHAの含有量は…
種類 EPA DHA
アジ(開き) 400mg 950mg
サバ 500mg 700mg
イワシ 1200mg 1300mg
*『五訂増補 日本食品標準成分表』より
高いサプリメントを買わなくても、お昼のランチを魚定食にするだ
けでも実行できそうです。
月経痛でお悩みの方は、魚料理をお献立に取り入れてみてはいかが
でしょうか。
・ビタミンB6
ホルモンのバランスが崩れて起こる腰痛や、頭痛などの不快な症状
を緩和します。
レバー、マグロ、サンマ、カツオ、サバなど魚類に多く含まれます
が、普通の食事を摂っていれば不足することはありません。
・ビタミンE
ビタミンEには、末血管を拡張させて血行を良くします。
ナッツ類やごま、アボカド、カボチャ、ウナギなどに豊富に含まれ
ています。
ゴマには、カルシウムややマグネシウム、鉄分等のミネラルや、ビ
タミンB6、ビタミンEが豊富に含まれています。
*ゴマには、カルシウムややマグネシウム、鉄分等のミネラルや、
ビタミンB6、ビタミンEが豊富に含まれています。
その他、生理中は貧血気味になりがちですから鉄分を多く含む食品、
また「造血のビタミン」と言われるビタミンB12、ビタミンEの働き
や鉄分吸収を促すビタミンC、また血液やホルモン、酵素の生成にか
かわるカルシウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルもバランス
よくとっておかなければ、うまくカラダが機能できません。
・血液循環を促す成分
タマネギやニンニクに含まれるアリシン、ショウガの辛み成分であ
るジンゲロールなども、血液循環を促し、カラダを温める働きがあ
ります。
お料理の中にうまく使ってみましょう。
●食生活で気をつけたいこと
*冷たく甘いスィーツはカラダを冷やしますので、生理痛がひどい
時は控えめに。
■忙しさのために加工食品に頼る食事が続いていませんか?
加工食品に使用される添加物に含まれている成分の中には、カルシ
ウムなどのミネラルと密接に関係し、その吸収を阻む作用がありま
す。
またついつい野菜や海藻、豆類などが不足しがちで、必要な栄養素
がとれない食事になってしまいます。
■冷たい食べ物、甘い食べ物をとり過ぎると、カラダを冷やし血行
を悪くするので、注意しましょう。
■肉類や乳製品などの動物性食品をたくさんとると、エストロゲン
の分泌量が増加します。
現代人は、欧米型の食事により、動物性食品を多くとりがちなこと
も指摘されています。
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*参考*
文・写真撮影
南 恵子(みなみ けいこ)
NR(独立行政法人国立健康・栄養研究所認定 栄養情報担当者)、
フードコーディネーター。食と健康アドバイザーとして、健
康と環境に配慮した食生活の提案、レシピ提供、執筆、講演、
商品企画アドバイスを中心に活動。毎日の健康管理に欠かせ
ない食に関する豊富な情報を発信していきます。



