반짝반짝 달님이 パンッチャクパンチャック タルリミ (=『キラキラ ダルリミ』)の第2話。
今回もダルリミ役の子役声優、ソル・ガウンの歌声が物語を支えてましたね!
本当に、毎週視聴する価値のある声だなあと思います。
ダルリミが友人である活発な女の子サニー(써니)と、内気な男の子ビョル(별;三人称は ビョル별+愛称化のイ 이で、ビョリ 별이)を呼んで庭でキャンプする話でした。
庭キャンプ!子育てあるあるネタですね~
うちも以前、戸建に住んでた時は庭にテント張って子供たちと寝ることに一時期ハマってました!
今のマンションでもベランダ片付けて、またテント張ってみようかなぁと今回のエピソードを見て思いましたよ。
まあ、戸建であれマンションであれ、さすがに自宅で炭火バーベキューをやる勇気はありませんが…
しかし韓流コンテンツで「庭でキャンプ」というと、どうしても韓国映画『パラサイト 半地下の家族』を思い出してしまいますよねw
「子どもを慰めるために、キャンプ場の代わりに庭にテントを張って、バーベキューもやる」って所まで、完全に一致。
韓国は戸建より集合住宅の比率が日本よりも高くて、今やソウルでは90%以上が集合住宅です。
『パラサイト』のパク社長みたいな富裕層は今でも戸建の大豪邸に住んでいますが、ダルリムの家みたいに、手ごろな大きさで、犬が飼えてテントが張れる程度に広い庭が付いた真新しい中流階級向けの戸建住宅というのは、現代の韓国の都市部では年々非常に少なくなってきてるんですよね。
もっともアニメの中では、ダルリミの家の庭から見上げる夜空には息を飲むような満天の星が瞬いていました。
実は大都市圏じゃなくて相当な田舎に住んでるのでしょうか…
ダルリムのお父さんはパティシェ。
お母さんは建築事務所勤務で、共働き家庭。
なので、そこそこ中の上の収入があるのかも知れません。
また、アニメの主人公は視聴者の子供たちが憧れるようなステキな自宅に住まわせるというのも、演出上の定石のひとつではあります。
『キラキラ ダルリミ』のアニメーションを製作したソヌ&カンパニー(선우앤컴퍼니,Sunwoo & Company)は米国アニメの下請で多くの実績がある会社で、『シンプソンズ』のアニメーション製作会社の1つとしても知られています。
『シンプソンズ』でも、主人公一家は印象深い戸建住宅に住んでますよね。レゴブロックにまでなっています。
『キラキラ ダルリミ』も欧米輸出とマーチャンダイズを意識して、あえて米国アニメ風に主人公を団地っ子ではなく戸建住みに設定したのかも知れません。キャラクターの出身階層と韓国のリアルな住宅事情との整合性を追求しても、あまり意味はないのでしょう。
ソヌ&カンパニーは、1974年創業の韓国のアニメスタジオ。
海外下請のほか、1979年には自社製作の長編アニメ映画第1作として『星の国三銃士』を公開しています。
他にも、日本では1980年代に一部ローカル局でテレビ放送されたという『宇宙まぼろし城』、
三銃士シリーズの続編『三銃士 タイムマシン001』などを製作した後、
米国アニメの下請製作が中心だった期間を経て、自社製作を再開。映画『千年狐ヨウビ』、TVアニメ『カード王ミックスマスター』、そして日本でもNetflixで配信されている『ツリーハウスたんていだん』と、大韓民国コンテンツ大賞で三度の大統領賞に輝いたアニメ製作会社です。新旧の韓国アニメファンにアピール可能なブランドイメージを維持し続けている実力派の老舗スタジオと言えるでしょう。
日本の韓国アニメファン界隈であまりソヌの社名が注目されて来なかったのは、逆説的ではありますが、「ソヌ製作のアニメ作品には日本アニメからのパクリ要素が比較的少なかったから」ではないでしょうか?
(とは言え、『星の国三銃士』にはヤマトとキャプテンハーロックのアルカディア号をミックスした宇宙戦艦が出てきますし、『ミックスマスター』シリーズでは日本人脚本家を起用して日本式ホビーアニメのパターンを踏襲するなど、いろいろ日本の影響は受けていますが…)
とにかく、動物と女の子キャラを可愛く描写することにかけては信頼感のあるスタジオです。動物好きな女の子の日常を描く『キラキラ ダルリミ』は、まさにソヌ&カンパニーにはうってつけの題材と言えるでしょう。
ファンタジー要素もバトルシーンもスポ根要素も何もなく、ただ淡々と少女の日常を描いた「日常系」韓国アニメの歴史を紐解くと、その端緒となったのは1990年のTVアニメ『ヨンシミ』でした。
『ヨンシミ』は同年、当時としては珍しい女性監督・女性主演での実写映画も製作され、これも興行的成功を収めたようです。
その後はしばらく時代が空いて、2010年代に入ってからようやく『ハロージャドゥ』(2010年)『Green Days 大切な日の夢』(2011年)、『バンジのにゃむにゃむ日記』(2017年)などの「日常系」アニメ作品が出てきました。
女性主人公で「日常系」でも、良作であればまっとうな評価が得られる。韓国社会も、徐々にそういった成熟した時代を迎えつつあります。昨年2020年には、人気Web漫画『少女の世界』のドラマ化が実現しました。
また、インディーズ映画『はちどり』も多くの賞を獲り、国際的に高い評価を受けました。
しかし、上に挙げた「日常系」のアニメ・実写作品と比べると、『キラキラ ダルリミ』は、対象年齢がグーッと下がってくる作品です。
果たして未就学児対象ジャンルで、韓国で「日常系」は成功するのでしょうか?
これからも本作の動向に要注目ですね。
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반짝반짝 달님이 2화 韓国アニメ『キラキラ ダルリミ』2話
마당에서 캠핑 「庭でキャンプ」
2021.4.15 KBS1
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以下ネタバレ
家族でキャンプに行くのを楽しみにしていたダルリム。しかしママもパパも急に仕事が入って、行けなくなってしまう。ガッカリするダルリム。しかしママとパパに頼まれたおじいちゃんが、庭にテントを広げて自宅でのキャンプを準備してくれた。
バーベキュー、水鉄砲遊び、おじいちゃんのギター演奏、キャンプファイヤー、お化け騒動、そして満天の星空観察まで。
キャンプ場には行けなかったが、ダルリムは友達のサニー、ビョリと一緒に忘れられない庭キャンプを楽しむことができたのだった。
가족들과 함께하는 캠핑을 기대했던 달님이는 엄마, 아빠가 갑작스럽게 일이 생겨 갈 수 없게 된다. 실망한 달님이에게 달님이 엄마와 아빠는 할아버지, 친구들과 함께하는 마당 캠핑을 준비해준다. 비록 캠핑장에는 가지 못했지만 달님이는 친구들과 함께 잊지 못할 즐거운 마당 캠핑을 즐긴다.
・2話本編