川魚の種類と違い

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川魚と一口に言っても様々な種類があって、当宿ではイワナ、アユ、ヤマメ、ニジマスを扱っておりますが、食味の違いをよく質問されます。調理法や個体差等をとりあえず抜きにして、とりあえず全て塩焼きとしての食味と簡単な紹介を書いてみます。


※市場魚貝類図鑑さんの画像。

鮎・アユ

とにかく香りが強い。キュウリやスイカのような爽やかで鮮烈な香りが特徴で、内臓ごと食べなければその真価がわからない事から、内臓の苦味が苦手な人には向かない。身質はふわとろで香りの分少しクセがある。ただし個体差が大きい。
養殖魚は香りがなく不味いという固定観念があるが、近年は養殖にこだわる人が増え、天然物と遜色なく香りながら脂ののった安定した質の鮎が広まりつつある。


※市場魚貝類図鑑さんの画像

岩魚・イワナ

トロリとした身質に強いクセ。良く言えば味がしっかりとしているが、青臭いような生臭いような妙なクセは賛否が別れる。『川魚は苦手』と言っている人はイワナか後述のニジマスを食べてから、という人が少なくない。ただしこのイワナの出汁は特級品質で、骨酒は日本に生まれたなら必ず一度は嗜みたいほど絶品。養殖と天然の差が1番少ない魚種といっていい。


※市場魚貝類図鑑さんの画像

山女魚・ヤマメ

渓流の女王と言われるだけあり、その身質はふわふわでありながら、さらりととろけ、クセが少ない。ほのかだがずっしりと感じる甘味は全ての魚の中でも秀逸な味わい。天然と養殖の差が1番激しい魚だが、養殖でもクセなくふわふわな身が味わえる。海に出て帰ってきたものを『サクラマス』と呼び、クセが少なく旨味が強い鱒として重宝される。


※市場魚貝類図鑑さんの画像

ニジマス………養殖が容易で川魚としては1番スーパーなどでも見かける。釣り堀等でも人気。身質はクセが少なく食べ応えのあるしっかりしたものだが、処理を間違えるととんでもなく臭く食べられたものではなくなる。スーパーに並んだニジマスを初めて食べた人は確実に川魚は嫌いになると断言出来るほど。
全てが養殖物だが、河川で一年以上生きたり自然繁殖した個体を『準天然』と呼び一線を画す美味しさがあったり、特殊な育成と飼料でご当地サーモンとして刺身として食べられたりもしている。

当宿でたまにやるご当地サーモン(甲斐サーモン)のミニ丼。


そんな感じです。
圧倒的に人気なのはニジマス(サーモン)。回転寿司店ではマグロを抑えてNo.1になるほどですね。
川魚として有名なのがイワナ。美味しいとされる鮎は内臓を食べなければ真価がわからないので取っつきにくく、ヤマメは天然物がまず手に入りません。

で、東日本ではほぼ見かけない最近になって進出してきたアマゴという魚もいますね。↓↓

※WEB魚図鑑さんの画像

ヤマメに赤い点がついたようなこの魚は、イワナとヤマメの良いとこ取りのような食味でとても美味しく、釣り魚としても有名。海に出て帰ってきたものを『サツキマス』と呼び、上品ながら強い旨味と香りはまさに絶品。サツキマスを炊き込みご飯にすると感動で涙が出る程に美味しい。関東近郊だと山梨県より以西で食べることが出来ます。ただし殆どが養殖か放流物。


他にもヒメマスやワカサギ、カジカやドジョウ、モロコ、オイカワ、ウグイ、ハゼ等々沢山いるのですが、当宿があるような山村の急流にはほぼいないので割愛します(^^;

北関東や東北で食べ比べをさせてもらえるお店に何度かお邪魔していますが、中々良いものですよ(´- `*)機会があれば是非とも(´- `*)