idg 褒めたから、次は批評といこう。
その2大柱は、突貫撮影による「詰めの甘さ」と「間接広告」。
 インテリ俳優でもある主人公パクシニャンは「ライブドラマ」と皮肉をいったとか。放送一時間まえに編集を終えたことさえあるなら、そりゃ「ライブ」だわ。シナリオが出来上がって演技を考えて撮影に入るまでの余裕のなさ、三日徹夜もザラとなると、俳優もスタッフも集中力が落ちるの当然。すると、イケメン「イドンゴン」が女性トイレから出てくるシーンだって有り得るわ(何話だったけ)。または、切り貼りの手作業の時、カッタ台なしで切ったために机にキズがついた時には、あっ!
 こんな細かいところから、大企業のはずなのに、社内で叔父だのお父さんだのの呼称を使ったり、下着のようなファッションで出勤したり、どこでも車を乗り捨てるなど、やはりこれからもう少し神経を使ってほしいとの「詰めの甘さ」の批評が多かった。
 では「間接広告」。19話だったかな。ドラマの冒頭、いきなりお詫び文が画面に映った。ご迷惑をかけて申し訳ないという文だったが、さっぱり意味が分からなかったのが、報道記事を読んでやっと分かった。「度が過ぎる」ドラマ内の広告が問題になったのだ。文字を少し変えたても、ロゴがそっくりなので視聴者は実際の企業が分かる仕組み。立派な広告である。多かれ少なかれ、今のドラマにはこの手はよくみる。それが、ドリンク剤にまで及んでいて、そのすべてに協賛金を貰ったらしい。これにはおカミも目をつぶるわけには行かない。こうやって、ドラマの冒頭にお詫び文を載せることになったわけだ。視聴率最高峰ドラマに消えぬ汚名がついた。しかし、制作側の言い分もある。TV局のドラマ部門の純利益は相当なものなのに、当の制作予算はかなり低く抑えられているために、間接広告をせざるを得ないらしい。
 もはや韓国人だけが韓ドラをみる時代は終わった。韓国内の報道記事がこうやって日本人にも知られれば、日本にも韓国の事情が伝わる。それが逆輸入され、内外の批判にさらされて荒削りがすこしずつ改善されたら本望である。それに、日本のドラマにも刺激になればと思う。

 写真:恋敵で甥役「イドンゴン」