本当に久々に書く。

ブログは書いていないけれど、ドラマは相変わらずどんどん見ている。

すごくよかったドラマとして、Better Call Saul, Handmaid's Taleなどがある。2つともとても大切なドラマなので、いつかちゃんと書いてみたいと思っている。その他、イギリスのHappy Valleyというのも3シーズンあるのだが、よかった。その他、Amazonプライムでは、American Rustや、Outer Rangeも見た。両方とも好きだけど、Outer Rangeの方が若干好きかもしれない。

今現在は、Dark Windsを見ている。面白い。

Hacksもみた。Hacksもなかなかいいドラマだったので、書こうと思う。

 

 

Better Call Saulは、Breaking Badのプリクアル(前に起こった話)として有名だが、私としては、Better Call Saulの方がよくかけていて、Breaking Badより深みがあったと思う。どっちが好きか、と言われると難しいけど。どっちも違った意味で、かなり良かった。どっちも傑作だ。終わるときは、かなりファンが多くなっていて、Breaking Badに負けず劣らず惜しまれて終わった。また、結局Breaking Badに出てきた登場人物たちは全員死んだわけだけど、どんな形にせよ、ソウルだけは生き残ったというところも、このドラマの人気の秘訣なんだろうと思う。

あと、SaulをBob Odenkirkが演じた、というのも、このドラマに味がある理由の一つかと思われる。

 

Saul Goodmanこと、ジミー・マギル。この役で、この役者さん、Bob Odenkirkは一躍有名になった。

 

Saul Goodmanは、もともとはジミー・マギルといい、昔からペテン師だったけど、Breaking Badで知られるソウルのように、ただちゃらんぽらんで、無責任な人間だったわけではなく、良心的で、優しいところもある男だったのだ。真面目に弁護士家業をやろうとした時期もある。最初は兄が所長を務める弁護士事務所の郵便物整理の仕事をしていた。その時に、まだ駆け出し弁護士だったキムと知り合う。ジミーはキムが大好きで、ジミーがやったすべてのことはキムのためだった、といっても過言ではない。キムも、いい加減だけど、一生懸命で、けなげなところもあるジミーが好きで、ジミーがネットで弁護士の資格を取得して、弁護士として働き始めてから、二人は事情があって、結婚した。事件の便宜上結婚したが、二人は互いを愛し合うようになり、夫婦として一心同体になる。

 

いつも冷静なキム

 

ジミーは、キムと知り合って、結婚してからもずっとジミー・マギルで、キムも彼のことをジミーと呼んでいた。ジミーはちょっとしたいたずら好きで、それが高じて軽い、無害なペテン師となったのだが、ペテンをやるときだけ、本名を使うわけにはいかないので、It's all good, man.(すべて順調さ)を文字ってSaul Goodmanという名前を使っていた。

気のいいジミーだったが、後半になって悪いことが続き、キムとの関係も断たなければならなくなって、これから一生ペテン弁護士になることを決意して、ジミー・マギルは捨てて、ソウル・グッドマンになりきる。それから知り合ったのが、Breaking Badの連中、ジェシー・ピンクマンと、ハイゼンバーグこと、ウォルター・ホワイトだ。それからブレーキングバットの話が始まるのだから、ジミー・マギル=ソウル・グッドマンの人生は紆余曲折していて、長い。しかし、だからこそ、ソウルのような複雑な人物が出来上がったのだ。

結局キムだけは、最後までソウルに寄り添っていた。ブレーキング・バッドでは、キムは出てこなかったけれど、それは、やばい時期はソウルがキムを遠ざけていたからだ。

すごくよくできてるドラマだった。

 

Handmaid's Taleの主役を演じる、エリザベス・モスは、Mad Menなどでも有名だが、社会問題にかかわるドラマに出演することが多い。

 

Handmaid's Taleは私はとても大切なドラマだと思っている。これは、もし女性がすべての人権をはく奪され、ただ、子供を生むだけの動物的な存在になったら、どんな世の中になるだろう、という話だ。人間の本能を描いたようなドラマだ。

近未来、環境汚染のために、世界中の女性が子供を生めなくなった。まれな、数人をのぞいては。突如として女性達が子供を生めなくなったので、極端なことをしなければ人類が滅亡する。そこで、超保守的宗教団体、ギリアードが急に台頭し、人類の生存をかけて、元アメリカに住んでいて、子供を生むことができた女性たちを狩り、集めて、ハンドメイドというレッテルを貼り、子供を生むだけの存在にしてしまった。ハンドメイドたちは、ギリアード体制が集めた後、無理やり矯正教育を強いられ、ギリアード幹部(コマンダー)の家庭に派遣され、月に一回、排卵日にコマンダーたちと性行為の儀式を行わなければならない。儀式には、夫人も参加する。夫人は、儀式の間、ハンドメイドたちの両腕を抑えるのが役目だ。

ハンドメイドたちは、抵抗したり、抗議したりすることは許されない。コマンダー夫妻に意見を言ったり、口答えすることも許されない。反抗的なハンドメイドたちは、子宮以外の体の部分に体罰を受け、場合によっては目をくりぬかれたり、舌を抜かれたり、指や、腕を切断されたりする。同性愛のハンドメイドは、子供を生めない愛人の方は処刑されるが、ハンドメイドの方は、クリトリスを切除され、またハンドメイドの仕事にもどされる。

ハンドメイドが妊娠したら、そのまま家にとどまることができるが、子供が生まれたら、その子供はコマンダー夫妻のものなので、家を出て行かないとならない。そして、体が回復したら、また違うコマンダーの家に送られるのだ。

ハンドメイドを含む、女性たちのギリアード以前の職業は様々で、医者だったり、弁護士だったり、編集者、大学教授だった者、政治家だった女性もいる。そういった経歴を持った女性でも、子供を生めるならハンドメイド、生むことができないなら、召使いをしたり、売春婦、工場で働かされたり、ナニー(乳母)をさせられる。

ギリアードでは女性は文字の読み書きが許されない。お金や、物を所有することができない。ギリアード以前にそれら資産を所有していたものは、すべてギリアードに没収され、男性に分配された。

思想犯や、犯罪者、不倫をした女性、革命分子など、ギリアード内で役割を果たせない女性は、ギリアードの外のコロニーという場所に送られ、重労働に課せられる。コロニーは放射能など汚染に満ちた土地で、ほとんどの人がコロニーに送られて間もなく赤痢などで死んでしまう。

ギリアード体制では、自由恋愛は禁止されている。もしそれが発見されると死刑になる。死刑は日常茶飯事だ。ハンドメイドは死刑になることは滅多になく、妊娠機能に支障がないような拷問を受けた後、生かされて仕事にもどされる。中には発狂したり、自殺するハンドメイドもいる。

またHandmaid's Taleに関しては、ちゃんとブログに書こうと思う。

 

 

Happy Valleyもまあまあ面白いドラマだった。イギリスのことはよくわからないのだけど、イギリスの小さな町の警察官をやっている女性の話だ。この女性には娘がいたけれど、同じ町の不良青年に強姦され、妊娠して、子供が生まれたらまもなく自殺してしまった。娘が自殺した悲しみから立ち直れなくて、ずっと娘を強姦した男を恨み続けていた。この男は悪い男で、平気で人を殺すようなサイコパスだ。娘だけではなく、他の女性を誘拐し、1週間監禁して、強姦した。この主人公の女性、キャサリンは、優秀な警察官で、この娘を自殺に追いやった男が、サイコパスであるので、また犯罪を起こして尻尾を出すだろうと、何年もずっと見張っていたが、女性を誘拐して監禁し、身代金を要求していたことを突き止めて、女性を発見して救い出し、男を逮捕した。この誘拐された女性は、強くて、立ち直って警察官になった。

 

近頃よくみる傾向だけれど、極悪犯罪人がイケメンだったりする。この人が、そんなに悪いことをするのかと、見てて混乱する。

 

キャサリンは立派な女性なので、娘が強姦されて生まれた男の子を迷わず引き取り、育てた。キャサリンにとって、孫が父親に似て、悪人なのではないか、ということがとても怖かったので、そうならないように厳しく、きちんと育てた。

シーズン1の時は、この男の子は小学生だった。学校で母親や父親のことでからかわれて、喧嘩ばかりして、キャサリンはしょっちゅう学校に呼び出された。が、ちゃんと生い立ちを説明して、校長先生にもきちんとした人間に育つよう頼んで、協力してもらった。こうやって育てた孫だが、シーズン3になるころには高校生になっていて、この男の子は立派にまっすぐに育っていた。キャサリンの知らないうちに、監獄から男の子に、娘を死においやった男、トミー・ロイスが連絡をしてきていて、近くの監獄に移送になったから、自分に会いに来るよう、手紙を送っていた。孫、ライアンは、同居しているキャサリンの妹、叔母に頼んで、キャサリンが働いている週末にこっそり監獄に連れて行ってもらっていた。それが発覚して、キャサリンは妹とは口を利かなくなり、ライアンは家から追い出してしまった。自分がこんなにトミー・ロイスを憎んでいるのを知っていながら、こっそり会いに行くのが許せなかったのだ。あとで反省するのだが。「自分の父親がどんなことをしたか、具体的には知らないわけだし、どんな人なのか知りたかったのだと思う。」とキャサリンは言って、ライアンを顔も見たくない、としかりつけたことを反省した。ライアンを監獄まで連れて行った叔母は、連れて行くときもとても躊躇して、嫌がったのだが、ライアンが、どうしても自分の父親がどんな人間なのだか知りたい、と強く言うのも理解できて、拒否できなかった。ライアンはあとで叔母に、「昔そんなことをして、誰からも憎まれて、今は一人になってしまった。生まれつき人を傷つけたいという気持ちを抑えられないなんて、なんて哀れな人間なんだろうと思う。」と言った。叔母はそれを姉に伝えた。キャサリンはライアンが立派な、まともな人間に育ったことを知って、彼のことを誇りに思い、同時に、トミー・ロイスに孫を会わせても孫は曲がることはないことを確信し、これからはライアンが父親に会っても大丈夫だ、と思った。トミー・ロイスは自分の裁判にライアンを呼んで、目の前で得意気に脱走した。そして、逃亡中にライアンに連絡を取ってきて、一緒に外国に逃亡しよう、と誘った。それに対して、ライアンは、「父に自首するように勧めようと思った。」とキャサリンに言った。自分は数学と理科が得意なので、大学に進みたいと思って今勉強している。父親と逃亡してしまったら、それもできなくなる、とも言った。

 

孫のライアンは立派に成長した。おばあちゃんについて警察署に行くと、署長に「君は警察に向いている」と言われた。そうなったら美談だ。

 

なかなか息子が会いに来ないので、逃亡中のトミー・ロイスはキャサリンとライアンが住んでいる家に行った。二人とも外出していて、家には誰にもいなかった。ロミーは家のガラスを割って入った。家にはアルバムがあったので、それを見てみた。アルバムには、ライアンが子供の時からの写真が貼ってあった。息子ライアンはいつもキャサリンか、叔母と写っていて、どの写真も楽しそうに笑っていた。二人の女性が、彼を大切に育てたのだ、ということがわかった。その時キャサリンが家にもどってきて、トミーと対立した。トミーは「あんたのことが大嫌いで、今日もあんたを殺そうと思ってきたけど、このアルバムを見てあんたのことがそんなに嫌いじゃなくなった。ライアンは、俺なんかと比べ物にならないぐらい、とても明るい子供時代を過ごして、幸せな人生を歩んできたんだな。このまま、あんたを生かしておくから、今まで通り息子と一緒に暮らしてほしい。」と言った。

という具合に、シーズン1から3を通して、キャサリンと、トミー・ロイスの対立や、キャサリンと妹、孫のライアンとの関係や、仕事で起こる連続殺人事件や、行方不明事件などを追っていく話だ。

 

 

American Rustもアマゾンプライムでやっているので、日本でも見られるのじゃないか。昔鉄鋼が盛んだった州は、今や鉄鋼業が廃れてしまって、ずっと昔から地元で住んでいた人たちだけ取り残されている。誰も大した仕事をしていなくて貧しい。過疎化が進んで、土地も価値がない。そこに取り残された人たちの物語だ。成績が良くて、奨学金をもらったり、スポーツができて、スカウトから声がかかってきた幸運な若者たちはどんどん故郷を捨てて出て行く。しかし、都会の生活に疲れてしまって、戻ってくる人もいる。失敗して戻ってくる人もいる。大学に行くことが決まっていたのに、怪我をしてしまって運動ができなくなり、街から出ていけなくなった者もいる。成績もスポーツもできなくて、どこにも行けなかった若者もいる。そういった若者たちは、大した仕事があるわけじゃないので、やることもない。金もない。人生の目的がない。大人たちは、こんな廃れた街に残らないで、若者たちが出て行くことを望んでいる。しかし、出ていけなかったものや、戻ってきたものは養っていかないとならない。そういった希望も何も持てない若者たちがトラブルを起こす。それをかばおうとする大人たち。そういう物語だ。シーズン2がこの前出たばかりだけど、それも見た。終わり方を見ていると、シーズン3もありそうだった。

 

 

Outer Rangeもアマゾンでやっている。これも日本語に翻訳されていると思う。これは不思議なドラマで、SFと言っていいのかな。映画専門俳優のJosh Brolinが出ているので、興味を惹かれて見てみた。Josh Brolinと言えば、結構大物なので、こういった連続ドラマ物には出ないという印象がある。しかし、近頃はケビン・コスナーだってシリーズドラマに出演していたし、ジュリア・ロバーツだって出る時代だから、これからはどんどん、今までは映画しか出なかった、大物俳優が、こういった連載物、しかもストリーミングプラットフォームのみのドラマに出るようになるのかもしれない。

 

Josh Brolin. この人が、連続ドラマものに出るのはとても珍しい。

 

このドラマは、最近まで流行っていた、現代カウボーイ調の映画だけど、イエローストーンみたいにカウボーイのライフスタイルを表現した話ではなく、カウボーイとその家族に起こる不思議な話だ。ワイオミング州だと思うのだけど、広大な牧場に住んでいるから起こる話だ。最初はイエローストーンの真似なのかと思って、あまり面白くなさそうと思って見ていたのだが、Josh Brolin役の牧場主(ロイヤルという)が持っている土地に大きな穴が開いて、そこに落ちた者はタイムワープする話だとわかって、SF好きの私としては、へえ、と思って興味がわいてきた。穴・にはまって出ると、いつの時代に到着するのかわからない。何人かは、そのことを知ってわざと穴に入るのだけど、ほとんどは知らないで落ちてしまう。草原の中に空いている大きな穴なので、気がつかないで落ちてしまうのだ。自殺するつもりで飛び込む者もいる。死ぬかと思ったら、反対側に出て、違う時代に着いてしまっているのだ。最初は訳が分からないのだが、段々つじつまがあってくる。シーズン1の終わりでは、だんだんわかってきたけど、やっぱり今一わけわからない、というところで終わるのだが、最近シーズン2が出てきたので気になって見てみたら、もうちょっとつじつまが合って、面白かった。

ドラマを見ていて、Josh Brolinは実生活でも無口な人なんじゃないかと思った。無口のカウボーイで、いい感じだ。

どうしてこんな人がこんなドラマに出ているんだろうと不思議だったけど、よく見てみたら、プロデューサーの一人がブラッド・ピットだった。ブラッド・ピットはただのかっこいい俳優さんだけじゃなくて、ちょっと個性的な人で、こういう一風変わったドラマや、映画も手掛けている。(というか、出資してるだけかもしれないけど)ジョッシュ・ブローリンがどの程度制作に関わっているのかわからないけど、こんな滅多にドラマなんて出ない人が出ているのも、ブラッド・ピットのような大物が推しているからかもしれない、と思った。

 

牧場の中に突然大きな穴が開いて、それを知った人たちの人生が崩れていく。