これはサンプルだけど、永住者カードとはこういうもの。緑色なので、グリーンカードと呼ばれている。私の場合、取得するのに申請してから5年待った。これでも早い方と言われる。申請しても、却下される人もいる。10年以上待つ人も多い。途中であきらめて本国に帰る人も。
まだ確定ではないし、進行中なので、どのぐらい書いていいのかわからないが、どうにかなりそうなのかな、と。少し明かりが見えてきた。
一昨日、Permanent Resident Card(永住者カード、通称グリーンカード)がパスポートの、いつも入れていた場所にないことが、チェックイン時に発覚した。
そのまま、見送りに来た娘と、バスに乗って新宿に引き返す。実家に戻る。(とほほって感じ)
家に戻って、トランクの荷物を全部開け、カードがないか探す。→なかった。
どこでなくしたか考える。→全く身に覚えなし。いつもパスポートの同じところに入っていた。ないことも気づかなかった。よく考えたら、今回の訪問では一度も見てない。→もしかしたら家に置いてきたとか?それはあり得ない、と主人は言う。合法的にアメリカに住むなり、滞在していない人を飛行機に乗せるわけがない。チェックイン時に必ず確認する、と。主人にも見てもらったが、いつもパスポートなんかをしまう入れ物の中には入っていなかった。その時、一つ前の、有効期限の切れたグリーンカードが保管してあるのを発見。期限が切れているのは使えないので、そのまま箱に戻す。
今回の訪問ではパスポートは一回しか見せる必要がなかった。→その時落ちたとか?前の日、最寄りのイオンのソフトバンク店で、日本の携帯を休止してもらう手続きをしてもらった。その時しか身分証明書=パスポートの提示を求められなかった。あとは、滞在期間中、Eチケットなどと一緒にクリアファイルに入れて、ずっと机の上に置きっぱなしだった。→明日、ソフトバンクに行ってみよう。
飛行機に乗った娘が、無事サンフランシスコに到着したとのテキストは主人からあったが、本人とは全く連絡取れず。→大丈夫だったか?心細くなかったか?母はいまだに多少ショックが覚めていないが、あの子はショックは受けていないか?気になったが、なすすべがないので、仕方なく寝る。
「ああ、いつ帰れるんだろう?」と思いながら。
次の日、飛行場から送り返したトランク2つが届く→中身を全部空にして、グリーンカードが紛れ込んでいないか探す。
気配なし。これらの物とは全く接触がなかったのだから、あるわけないけど、探さずにはおれなかった。
この日は、台風の影響で土砂降りの雨。雷も。それでも、居ても立っても居られないので、朝、イオンに行くことにした。
イオンにはいつもは自転車で行く。歩くと小一時間はかかる。バスもいいけど、本数がすごく少ない。1時間に一本とか。この日は土砂降りの雨なので、もちろん自転車は対象外。バスも土砂降りの中で下手すると1時間待つのはあまりにもつらい。母親は、「今日はやめたら」という。でもどうしても確かめたい。あっても、なくても、わからなければ何も先に進まない。
結局タクシーを呼ぶしかなかった。ずいぶん割高についた。帰りは絶対バスだ。
ソフトバンクに行ってみると、一昨日対応してくれた人がいて、「見ませんでした。」といった。それに、「そういうものが入っていたらわかったと思います。最初からなかったと思います。」とも。わかっていたけど、やっぱりそうか。念のため、インフォメーションブースで、8月20日ごろから、そういう落し物の届け出がなかったかどうか聞いた。やはり、そういったものは何もない、と言われた。
これはもうないな。
絶望的、というよりは、やっぱりそうか、という気持ちだった。もうグリーンカードはどこにもない。
さあ、これからどうするか。どうやったら帰れるか。
外はざんざん降りで、今更帰る気になれなかった。お腹が空いたので、イオンの中のカフェに入った。そういえば、朝から何も食べていない。それどころじゃなかったから。一人で日本の喫茶店に入るなんて、何年ぶりだろう?少しわくわくした。
サンドイッチとコーヒーゼリーを頼んだ。サンドイッチが意外とおいしくて、ちょっと幸せな気分に。やっぱり食べ物にはパワーがある。どん底気味だったけど、ちょっと気分がアップ。
それに子供フリーって解放感ある。私もやっていけるかな、と思った。
行きタクシー代かかっちゃったんで、帰りはバスにしよう。どんなに雨でも。先に時刻表の写真を撮っていた。それを見て外に出た。さっきまで止んでいた雨は、また土砂降り。なんてタイミング悪いんだ。やっぱりおみくじは当たっていた。末吉。いや、大凶の気分だ。それでも決心は固かったので、バス停でバスを待った。
バス停に少し屋根はついてたけど、傘をさしていても、やっぱりズボンや、肩はびしょびしょ。バスも時間通りに来ない。15分ぐらいその状態で待って、やっとバスが近づいてきた。どこ行きでもいいと思って、来たバスに飛び乗った。バスの中はガラガラ。こんな日に好んで出かける人はいないから。見知らぬバスに一人で座って、揺られながら、ああ、これからどうしよう、と思った。アメリカの我が家が遠く感じられた。雨も相変わらず激しく振ってるし、今まで乗ったことのない地方バスに乗って、みじめーだった。
そのバスは地元で比較的大きな駅行きだったので、駅の中に入ると、大きな駅ビルがあって、そこでブラブラ。また気分が上がってきた。買い物もストレス解消になるね。はっきり感じた。(お金のことを気にしてバスに乗ったのに、のち衝動買いをする矛盾した自分。)
家に戻って、「海外旅行中にグリーンカードをなくした。」とグーグルした。(英語で)すると、そういう人もたくさんいるんだろうな。結構出てきた。
結論から言うと、アメリカ領事館のウェブサイトで、I-131A;Boarding Foilというものを申請するらしい。Boardingというのは、飛行機に搭乗する、という意味で、納得できたが、Foilってアルミホイルとかのホイルだ。なんでFoilなんだろう?包む?ややっこしいネーミング。アメリカらしくて、手順がいっぱいあって、書類が面倒くさい。面談と審査があって、書類を提出して、認められれば、グリーンカードがなくても飛行機に一回だけ乗って、アメリカに入国できる、という許可証だ。手数料がなんと570ドル。(約8万1000円)半端な気持ちで申請すべきではない。もちろん、いい加減な気持ちで申請する人を防ぐために、このようにややこしい手続きを踏ませて、高い費用を取るわけなのだ。しかも、申請してから、いつこの許可証をもらえるのか、どこにも書いていない。「人それぞれの事情によります。」と書いてある。これもアメリカ的。一人ひとり事情が違うから、聞いてくれて、諸事情を考慮してくれて、審議してくれるのだけど、時間も手間もかかる。こっちは結果が出るまで永遠と待つわけなのだ。グリーンカードを取得した時みたいに。
これじゃあいつ帰れるのか、見当もつかない。でも、この方法しかないのなら、この手順を踏むしかない。
そう思って、アメリカ領事館のI-131Aのページを突き進んで読んだ。こんなことにならなければ、こんなI-131Aだの、Boarding Foilなど、全く知ることもなかった。
1.まず、費用をウェブサイトで払う。→これはとりあえずスキップ。
2.アポイントを取る。→ええ?面談があるのか…。なんて大げさで、ややこしいのだろう。たぶん、なぜ、どこでグリーンカードを喪失したのか、なぜ今アメリカに入国したいのか、など、聞かれて、説明しないとならないのだろう。しかも、「アポイントの日時は、事情を考慮して、こちらから指定します。アポイントのない人は申請書を提出することができません。」だって。ああ…。いつアポイントなのか?ますますいつ帰れるのかわからない。
3.書類の用意。アポイントの当日に持ってくるもの。欠けていたら、却下される可能性あり。
ー申請書。記入して持ってくる。(全部で最小3ページ。必要あれば5ページ)
ー費用を払った証拠→費用を払うと領収書がメールされてくるので、そのプリントアウト。
ーグリーンカードを持っている証拠(グリーンカードのコピー、または付与された時の政府からの手紙のコピーなど)→幸い、勤め先でグリーンカードのコピーの提出を求められるので、パソコンにコピーを保存してある。
ーアメリカに住んでいる証拠。→これ難しい。銀行や、公共料金の請求書とかでいいのか。そんなの持ってないから主人に送ってもらわないと。そういうのもって旅行する人いない。アメリカにいるときの写真とかでもいいのだろうか。
ーパスポートのコピー
ー最近日本にやってきたことを証明するもの。日本に乗ってきた飛行機のチケット(とっくに捨てた)、または、Eチケットのコピーなど
ー背景の白い、5センチ×5センチの証明写真1枚。→日本で撮影する5センチ×5センチの証明写真の背景は青。セルフィーを撮って、自分で印刷して持っていくとか?
と、まあ、ややこしいこと。私は書類揃えたりするの苦手なので、ややこしいと感じてしまうだけなのかもしれないけど。アポイントの時に、書類が足りなければ、却下される可能性がある。また提出した証拠が不十分であれば、却下されることもある。となっている。これ、お金も払ってるのに、却下されたら、本当に悲しくなるね。でもアメリカって、めったにないことでも、一応こうやって断りを入れておくことが多い。あとで、訴えられたりするのを防ぐためだ。
それに、面談の時に書類を預かるけれど、審査して結果を知らせる形なので、面談の日に許可証をもらえることはない。
審査結果はのち、メールで連絡するが、Boarding Foil許可証の引き取りは領事館に直接取りに来るか、返信用封筒に住所と切手を貼って、書類と一緒に提出するのでもよい。→私はすぐ取りに行くと思うけれど、これ、ずいぶん日数かかりそうな話。これじゃあいつ帰れるのか、やっぱり見当つかない。長丁場になるんだろうか。
でも、これしか帰れる方法がないのなら、やり続けるしかない。
申請書の記入から始めた。1から3ページは、簡単に情報を記入するページで(でもかなりびっしり埋めないとならない)、最後のページは説明を加えたかったら、ここにかけっていうことで、長く説明できる線が引いてあった。そういうところ、アメリカらしい。個々人の事情を加味してくれるのだ。私は、そのページに、いつどうやってグリーンカードがないことに気づいたか書いた。アメリカのパスポートを提示した娘だけ乗って、私は取り残されたことも書いた。家族がアメリカにいて、私自身、20年以上合法的なアメリカの住民であることも書いた。なるべく早く家族のもとに帰りたい、ということも書いた。果たして説得力あるだろうか?
書類をそろえるのと同時進行で、領事館のI-131Aのページにはまだ読むものがたくさんあるので、さらに読み進んだ。すると、ん?
「期限切れのグリーンカードを持っている、永住者の方。
もしあなたが期限切れになって10年以内のグリーンカードを持っていて、過去1年間アメリカに住んでいたなら、I-131Aの申請をしなくてもいいかもしれません。」
と書いてある。えええ?さらに読んでみた。
「アメリカ税関・国境取締局は、期限が切れたのが10年以内のグリーンカードであれば、特別な許可証なしに、飛行機に乗ってアメリカに入国することを許可しています。」もしかしたら、これはいける???!!!!「期限切れのグリーンカードで飛行機に乗せてもらえるか、飛行機会社と話してみて下さい。」となっていた。
昨夜主人に見てもらったグリーンカードの有効期限は?さっそくフェイスタイムでかけてみた。アメリカは夜中だったので、主人は寝ているのか出ない。娘にかけた。娘は時差があったのだろう。起きていた。娘に昨日の箱を見てもらって、前のグリーンカードを出してもらって、期限を見てもらった。「2014年ってなってるよ。」え?やった!8年前だ!もしかしたら、これで飛行機に乗れるかも?そうしたら、面談もしなくていいし、審査結果をずっと待っていなくてもいいし、すぐ乗れるんだ。しかも、費用が掛からない…。これが一番大きいかも。
しかし、待てよ。ぬか喜びしちゃいけない。明日の朝、領事館にかけてみよう。それから、もし領事館が古いグリーンカードでもいいと言ったら、飛行機会社にかけてみよう。
起きてきた主人にすぐ送ってもらうよう、頼んだ。主人はまずスキャンして、それを私に送り、それから明日の朝一でFedexで送る、といった。もしこれでうまく行ったら、問題はすべて解決だ。私もアメリカに帰れる!
明日、領事館とユナイテッドに電話して聞いてみよう。
明るい兆しが見えてきた。まだ喜ぶのは早いけど。
その晩は、希望を抱えて寝た。