国会図書館に複写を頼んでいた資料が届いた。
全部ネットで申し込めるのは本当に便利。
紙質も印刷も綺麗。さすが国会図書館。
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『文献探索』という雑誌の1997年号に掲載された『人間機械・人形・畸形』という7ページの小論文。
著者名は佐々木絢子。
国書刊行会の編集者にして、エッセイストでもあった二階堂奥歯さんの本名だ。
彼女のWeb日記を書籍化した『八本脚の蝶』は私の愛読書になっている。
めっちゃ付箋貼ってます(笑)。
4年前に書いた感想↓
何となくTwitterを眺めてたら、「国会図書館に二階堂奥歯さんの論文がある」というツイートを見つけて、読んでみたくなったのだった。
これは奥歯さん(親しみを込めてそう呼ばせていただきます)が早稲田大学の学生だった時に書かれたもの。
人間を「改変可能でいろいろなバリエーションを持つ」ある種の「機械」と考え、元の姿にこだわらずいろいろ変えていけばいいと述べている。
「何もこのかたちじゃなくてもいいのではないか。実用を抜きにして、審美眼から判断してみても、個人的な好みに身を委ねてみても、別にかまわないのではないか」
「もう生まれつきのかたちになんて縛られるのはやめよう。それは変えられないものでも変えてはいけないものでもないのだから。人間はいろいろな美しいものを見出し、作りあげてきた。今度はこれまでにない美しさを人間に見出だし、実際に人間を作り替えてみよう」
―本文より
実用より好みを優先させること。
化粧とか眼鏡とかのレベルなら私もやっている。
奥歯さんはもっと本格的な人体改造も想定しているようだ。
(痛いの嫌いだからこれ以上はちょっと想像したくない…)
そういえば『八本脚の蝶』でも奥歯さんは同じようなことを書いていた。
雑誌に載っていた兵士の遺体写真を見ての感想。
「人間も、こういう部品で出来た物だったんだ。
柔らかくて湿っていて腐りやすい部品ばかりだけれど、それでもやっぱり様々な部品を組み合わせて作られた自動人形だったんだ。
部品にはいろいろな組み合わせ方があるし、組み合わせた物には生命があったりなかったりする。
人間は、生きていたり生きていなかったりして、様々な形をとりうる物体なんだ」
「自分は物だと確認して、またうれしくなる」
―2002年6月21日(金)その2
初めて読んだ時はギョッとしてしまったのだけれど、
論文と合わせて読むと、奥歯さんの言いたいことが少しわかる気がする。
人間はいくらでも形を変えられる。部品も交換できる。
だから直すことができるし、簡単に消えたりしない。
丈夫で自由な存在なのだと。
奥歯さんのようにうれしくなるまでいかないけど、希望なんだとは思う。
論文自体は1ページしかなくて、残り6ページは本や新聞からの引用。
そちらはいろいろぶっ飛んだ話ばかりで、あまり付いていけなかった。
でもこの言葉はちょっと興味深い。
「宇宙は不自然な環境であり、そこで栄えようと思えば、不自然な人間の不自然なまでの努力がなければならない」
―B・W・オールディス『一兆年の宴』
将来人間が宇宙に進出して、遠くの惑星に住むようになったら、(怖いけど)肉体を惑星の環境に合わせて改造する必要が出てくるかもしれない。
そうしたら、「人間は機械」という発想も現実的になってくるような気がする。
論文と本のリンク↓
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今日も読んでいただきありがとうございます。
書く余裕が戻ってきたので、ぼちぼち再開しようと思います。
皆様のブログにもまたお邪魔させていただきますね。
公園に咲いてた薔薇🌹
それではまた。