こんばんは。

 

 東京は寒いです。今日は朝から大雨☔でしたが、途中からみぞれに変化して夕方までずっと降っていました。そろそろ買い物に行かなければと思っていたところなのに(>_<) 結局今日は一日家に引きこもってしまいました。

 

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 今日読了したのはこの本。

 

 

 ウィリアム・リンク「刑事コロンボ 13の事件簿」(論創社)

 

私には自信があった。完全犯罪の…

完全犯罪? お気の毒ですが完全犯罪なんてものはないんだよ。それこそあなたの幻想ですよ 

      ―「刑事コロンボ」36話「魔術師の幻想」

 

 

 私の大好きな海外ドラマ「刑事コロンボ」のノベライズ本です。450ページのぶ厚い本なので、一気には読めず、ゆっくりと2週間かけて読み切りました。

 

 

 小学生の頃、TVでたまたまやっていたのを観て以来「刑事コロンボ」にハマり、つい最近DVDも全巻揃えてしまいました。ヨレヨレのレインコートにぼさぼさ頭で一見冴えないけれど、鋭い観察力と洞察力(そして話術)で殺人犯を追い詰めていくコロンボ警部は実にかっこよかった! 主演のピーター・フォークが亡くなったので、もうドラマの新作が観られないのは残念ですが、こうして小説の形でまた出会えるのは嬉しいものです。

 

 

 

 このノベライズ本には、コロンボの生みの親の1人ウィリアム・リンク氏による短編13本を収録。各話の雰囲気はどれもTVのコロンボそのもので、とてもおもしろかったです。「カミさん」も所々に出てくるし、警部は相変わらずしつこいし。ただ、現代が舞台ということもあって、彼はなかなか葉巻が吸えません(笑)。

 

 対決する犯人も、元軍人・俳優・スポーツ選手・催眠術師など多彩です。中でも「禁断の賭け」の犯人キンケイドはコロンボの部下という設定で、コロンボの捜査法を知っている(から簡単にはボロを出さない)という、なかなか手ごわい相手。

 

勘弁してください。こっちは警部のそのやり口を何度も何度も見てきているんですから。書類をごそごそやったり、注意を逸らしたり、奥さんの話をしたり(後略)

                  ―第8話「禁断の賭け」

 

 そうそう、そうやって相手の調子を狂わせてボロを出させるのがコロンボのやり方で、これに犯人がどう対抗するのかが毎回楽しみなんです。本作は短編集なので、対決はやや駆け足ですが、それでも犯人と警部の見事なやりとりを存分に楽しめました。

 

 

 私のお気に入りは、12話「写真の告発」。夫に浮気されていた妻が、夫を殺し、浮気相手に罪を着せるという計画を実行する話です。計画は成功し、妻は幸せをつかんだはずでしたが… いろいろな不幸が重なった挙句、あまりにも皮肉な結末を迎えます。伏線の張り方も上手く、一番読み応えがありました(何となく描き方が最終回っぽく感じたのは気のせいでしょうか?)。

 

 日本ネタが多い11話「歪んだ調性(キー)」も好きです。日系のホテルが舞台で、容疑者の1人が日系人、しかも日本人の「ある習慣」が事件解決の鍵になるという、日本尽くしの回。ミステリーとしてはツッコミどころも多いんですが(空手の使い手に絞殺を試みるのは危険すぎる気がします)、シチュエーションはなかなかおもしろかったと思います。

 

こっちがパンチを繰り出しても、するりと身をかわす―あんたは、そんな刑事らしいな

                  ―第6話「最期の一撃」

 

 

 現代のコロンボ、堪能させていただきました。訳者あとがきによると、リンク氏は既にコロンボの短編を37本書いており、長編の構想もあると話しているそうなので、もしかしたら続刊もあるかもしれません。楽しみに待ちたいと思います(^-^)

 

 

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 今日も読んでいただきありがとうございます。

 

 大変な日々はまだまだ続きそうですが、健康に気を付けつつ、できる範囲のことをやっていくしかないなあと感じています。皆様もお体にお気をつけくださいませ。

 

 それではまた。