こんばんは。

 ブログの補助として使おうと、思い切って始めたTwitterですが、まだまだ勉強中でございます。返信機能でツイートをつなげたり、ニュースをシェアしたり、いろいろなことができるんですね。
(慣れるの遅すぎでしょうか、私💦)

 今のところ、雑誌やネットなどで見つけた記事や言葉などを貼り付ける、スクラップブックのようなものとして使っていきたいと思っています。このブログはこれからもメインとして書き続けていくつもりなので、よろしくお願いいたします。

 

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たまにはクラシック映画をと思い、前から観たかった作品を鑑賞。


「市民ケーン」(1941年 アメリカ)

 

 

 映画史上最高の傑作とも呼ばれる物語。


 特典解説によると、英国映画協会が10年ごとに選出する「オールタイム・ベストテン」のランキングで、5回連続の第1位に選ばれているそうですから、その人気ぶりがわかります。とはいえ、79年も前の作品ですし、評論家でも何でもない私なんかが観て楽しめるのかな? と最初は疑っていました。


 で、実際に観てみると… 

 かなりおもしろい(*'▽')! 


 話のテンポは結構早くて飽きないし、光と影を巧みに使って登場人物の心情を表す手法もすばらしいです(この作品で使われた撮影技法は、後の映画に大きく影響を与えたのだとか)。オーソン・ウェルズは当時25歳にして監督と主演(主人公の青年期から晩年まで、すべて彼1人で演じています!)を務め、しかもこれが監督デビュー作というのですから、世の中には本物の天才がいるんだなあ、と驚くばかり。

 

 「彼が何をしたかではなく、何者であったかが重要だ

 

 以下、簡単にストーリーの説明を。

ザナドゥと呼ばれる、お城のような大邸宅で、1人の老人が「バラのつぼみ」と言い残して亡くなります。彼の名はチャールズ・フォスター・ケーン。新聞王として莫大な財産を築き、国際的な影響力もあった人物でした。ケーンの追悼映画を製作している会社の記者であるトンプソンは、彼の遺した「バラのつぼみ」という言葉の意味を調べることに。物語はケーンを知る人々の証言と、彼の生涯とを並行して描いていきます。

 ケーンは少年時代、両親から引き離され、銀行家のもとで育ちました(観たときは理由がよくわからなかったんですが、Wikipediaによると「財産の管理と教育のため」なんだとか。本当にそんなこと銀行がやるんでしょうか?)。
 若くして莫大な財産を相続したケーンは、一緒に受け継いだ新聞社「リンクワイアラー紙」に興味を持ち、友人とともに経営に乗り出します。大胆な改革によって売り上げが伸び、ケーンは大金持ちになりますが、同時に自分勝手な言動が増えて、妻との関係は冷え切り、友人も離れていきました。

 

 自作の編集宣言を読み上げるこのシーン。立っているケーンの顔が陰で真っ黒なのは、彼の本性(宣言の内容は全部嘘で、本当は金と力が欲しいだけ)を暗示しているのかなと思いました。

 

 さらなる権力を求めて知事選に立候補し、一時は当選確実とも言われましたが、対立候補に不倫スキャンダルを暴露されて落選します。演説シーンを観るとわかりますが、ケーンは対立候補をぼろくそに言っているだけで、公約も何もありません。「不幸な人々のために」とか言いつつ、権力が欲しいだけなのが見え見え。何で人気だったんでしょうか? やっぱり新聞の力?
 そして離婚の末、不倫相手のスーザンと再婚したケーンですが、ここでもやっぱり自己中。歌が下手で、新聞でも酷評されているのに「私が笑いものになる」と無理やり歌わせ続け、自殺未遂にまで追い込んでしまいます。一応反省したらしいケーンは、大きな屋敷に彼女を住まわせますが、結局愛想をつかされ、スーザンは
家を出ていきました。この時も止めようとして「行くな。私が困る」と一番言っちゃいけないこと言っちゃうんですよ。あーあ(ーー;)

 

          
 スーザンがいなくなったことで半狂乱になったケーンは暴れだしますが、部屋の中にスノードームを見つけて立ち止まり、つぶやくのです。 「バラのつぼみ」と…


 肝心の「バラのつぼみ」についてですが、誰に聞いても明確な答えは得られません。最終的にトンプソン記者は「バラのつぼみ」の調査を諦めることにします。


 

あの言葉の意味さえ分かれば
どうかな。彼は結局、すべてを失った。バラのつぼみもその1つだ。人生の謎を解く鍵じゃない。そんな便利な言葉はない。バラのつぼみは、パズルの1片なんだ。消えた1片…

 
 つまり、「バラのつぼみ」1つに彼の真実があるわけじゃないし、それを知る機会も失われてしまった、ということですよね。
 しかし、最後の場面で写った「あるもの」によって、視聴者の私たちにだけは意味が分かるのです(この「あるもの」についての伏線は要所要所で張られていて、回収の仕方も上手いなと思いました)。これは切ない… 多分彼の脳裏には、序盤の「あの風景」が浮かんでいたのでしょう。

 「切ない」と書きましたが、私はケーンにあまり感情移入できてません。誰のことも信じない、自己中心的な男という印象しか持てなかったので(^^; その代わりリーランド(創業時からの仲間。ケーンにクビにされる)やスーザンに思いっきり感情移入してました。スーザンが家を出ていくシーンはスカッとしたぐらい(笑)。

 ということで、主人公を好きにはなれませんでしたが、トンプソン記者が言うように、ある一面やキーワードだけで理解できるほど、人間は単純なものではないということはすごく感じました。ケーンは独善的な人物だけれど、いくらお金を積んでも得られないものがあり、苦しんでいる面があったことはわかりますし。


 とてもいい映画でした。本当の名作は何年たっても色あせないのだな、と再認識😊。

 

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 今日も読んでいただきありがとうございます。

 

 午後から急に鼻水とくしゃみが止まらなくなって苦しかったのですが、パブロン飲んで寝たら何とか回復しました。薬がこんなにダイレクトに効いたの久しぶりかも。

 ニュースはコロナウイルスの話題でいっぱいですが、どうか風邪にもご用心くださいませ。

 

 それではまた。