こんばんは。

 

 2月になって急に「冬将軍到来」などと言われ、東京も真冬並みの寒さになってしまいました。関東は5日~6日がピークらしいので、東京はだんだん穏やかになるかもしれませんが、北海道の方々は大変みたいですね…

 

 ところで、厳しい冬の様子のことをなんで「冬将軍」って言うんだろう? と思って広辞苑を引いたら

 

ふゆ‐しょうぐん【冬将軍】
(モスクワに突入したナポレオンが、厳寒と積雪とに悩まされて敗北した史実に因む)冬の異名。冬のきびしさを擬人化した表現。 

 

とのこと。ナポレオンが語源だったんだ( ゚Д゚)!

 

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 ピークが過ぎたのか、土曜の夕方は比較的穏やかだったので、神楽坂付近を散歩し、行ってみたかった漱石山房記念館に行って参りました。特別に夏目漱石が好きというわけではないんですが、文豪の人となりや暮らしぶりにはすごく興味があるので(^-^)

 

 

 漱石山房とは、文豪・夏目漱石が亡くなるまでの9年間を過ごした自宅のことです。建物は1945年の空襲で焼けてしまいましたが、漱石の生誕150年となる2017年、同じ場所にこの「漱石山房記念館」が建てられました。

 

 まずは隣接している漱石公園を散策することに。

 

 

 入口では漱石の胸像がお出迎え。旧千円札の肖像より老けて見えます。右の板に書いてある「則天去私」とは、漱石の晩年の理想で「我執を捨て、諦観にも似た調和的な世界に身をまかせること」という意味なんだそう。まさに「悟った」って感じですね。

 

 

 公園の中にある石の塔。「猫塚」と言って、夏目家で飼われていた動物を埋葬したお墓です。あの「吾輩は猫である」の主人公のモデルになった猫も眠っています。小説で人間たちを冷ややかに見ていた「吾輩」は、今もここで私たちを見つめているのでしょうか。

 

 

 公園の中には「道草庵」と言う記念館があります。館内では漱石山房で執筆された作品の初版本などが並んでいます。他にお客さんがいなかったので、中の係員さんからいろいろお話をうかがえました。山房の図面もちょっと見せてもらいましたよ!

 

 

 公園の中にある水飲み場。道草庵の係員さん曰く、漱石が執筆を行っていたのは、図面からするとこの辺りなんだそうです。ここから「三四郎」や「夢十夜」が生まれたのか~

 

 

 公園はこの辺にして、いよいよ山房記念館へ!

 

  留学してたせいか、どことなくイギリス紳士っぽい雰囲気がありますね。服装と立ち方のせいかな?

 

 

 最初に1階の「CAFE SOSEKI」で一息つきました。あまりお腹が空いてなかったので、カフェラテだけいただきましたが、次に来たときはカステラか最中を注文しようと思います。

 

 

 反対側には書棚があって、漱石の作品が自由に読めます。

 読んだのは「倫敦塔」(奥にあるのは「草枕」ですが、結局読めませんでした…)。イギリス留学中に訪れたロンドン塔について書いた、エッセイのような小説のような不思議な作品です。ロンドン塔の門が、ダンテの「神曲」に出てくる地獄の門のように見えてしまうというようなことが書いてあって、やっぱりこの時期は本当に精神が不安定だったのかなあと思いました。

 

 

 リラックスしたところで、奥の受付で入場料を払い、メインの展示室へ移りました。

 

 

 初めに見られるのが、漱石が執筆をしていた書斎の再現展示(注意書きに「公開目的での撮影は禁止」とあったので、代わりに解説パネルを載せます)。本が山と積まれ、机には原稿用紙とペンがあって、まさに「文豪の仕事場」って感じです!

 ここでもスタッフの方からいろいろお話をうかがえました。漱石は書斎の調度品にこだわって、鉄瓶は南部鉄器、絨毯はペルシャ絨毯と高級品ばかり置いていたそうです。ここでよくトーストを食べたりもしていたんだとか。まあなんと贅沢な話(^^;

 

 

 

 再現展示を出ると、漱石人形とご対面! 遠くから見ると生きているみたい… 映画「ユメ十夜」のプロモーション用に作られた物なんだそうです。どういう宣伝したんだろう?

 

 

 2階に上がると、漱石の小説や手紙から引用した名言がパネルにして貼ってあります。気に入ったものはメモしてきました。

 

 「余は我が文を以て百代の後に伝えんと欲するの野心家なり

                  ―森田草平宛の手紙

 「僕は世の中を一大修羅場と心得ている。そうしてその内に立って花々しく打死をするか敵を降参させるかどっちかにしてみたいと思っている

                  ―狩野亨吉宛の手紙

 

 あ、熱い(;゚Д゚)! 漱石にも野心的な面があったんですね。

 結果的に彼の小説は100年以上後まで読み継がれることになったわけですが、彼自身がそれを目指してがんばっていたというのは、私としては大きな発見でした。

 

 私が行った時には、企画展「漱石と高浜虚子 ―「吾輩は猫である」が生まれるまで―」をやっていました。虚子と漱石が友人だったのは知っていましたが、具体的なやりとり(漱石の厳しいアドバイスの手紙なんかがありました)や、「吾輩は猫である」誕生の裏側など、初めて知ることばかりでおもしろかったです。

 

 

 お土産に「活版メモ 夢十夜」を買いました。メモ帳の表紙に、「夢十夜」の第一夜のラストが活版で印刷されています。印刷の色が均一じゃないところとか、味があって素敵です。

 

 紙は少しひんやりとしていて、書き心地も良いです(すっごい下手な絵でごめんなさい🙇💦)。これから何を書こうかな。

 

 

 週末に素敵な散歩をすることができました。

 

 

 夏目漱石の小説では「夢十夜」が一番好きです。特に第七夜の船に乗っている話。明るい話ではありませんが、星を眺めたり、演奏を聴いたりするシーンを想像すると、美しいなと思うのです。

 

 書籍版

 

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 今日も読んでいただきありがとうございます。

 

 実はひっそりとTwitter🐤を始めました。プロフィールのページにリンクが貼られているので、そこから飛べると思います。

 私の中では、ブログに書ききれないことを思いついたら書くところ、ぐらいの位置づけなので、あまりつぶやかないかもしれませんが、よろしければのぞいてみてください。

 

 それではまた。