イオン(8267)は株主優待が魅了的な企業で、個人投資家にとっては人気の高い銘柄です。ただ、営業業績に関してはあまり魅力的ではなかった。

 

 ただ、今期過去最高の前期比13.8%増の2012億円。続く今期も会社予想ベースで14.4%増の2400億円と、最高益が続く見通しです。

 

 イオンの復活の背景は、どこにあるのでしょうか?

 

 1つには総合スーパーの一部が元気を取り戻していることにあります。総合スーパーにおいては3月から11月期で赤字でSM(その他スーパー)も収益を上げていません。それでも金融、不動産、ドラックストアの利益成長によって、連結営業利益で最高益を更新しています。

 

 現在のイオンは、スーパーのみで稼ぐのではなく、グループ全体(金融、不動産、ドラックストア)で利益を成長させるビジネスモデルに転換していることが収益の拡大構造です。今後の見込みとして、海外収益の構成比が高まっていくことも期待されます。2018 年3月〜11月期に海外の営業利益が全体の22%を占めるまでになっています。(イオン、3─11月期は営業収益・営業益ともに過去最高

 

 2019年は小売業全体にとって悪材料もあります。10月に消費税の増税(8%から10%)、ただ、持ち帰り食品は軽減税として(8%)で適用予定です。また、政府は消費増税で消費が冷え込まないように、中小の小売店舗でのキャッシュレス決済を行なった場合、5%ポイント還元を行うとのこと。短期的に見ると懸念材料もありますが、キャッシュレス決済が市場に浸透すれば、人的コストの部分で軽減できるため、長期投資としては期待できるのではないでしょうか。

 

 参考記事:

   11年ぶり高値のイオン株