2月とは思えないお天気。
ゲストハウスにこもりちょっとだけ写真を整理する・・・それも1時間も持たぬうち、雨が止むと同時にスクーターで外へ飛びだずのだけど・・・
小学校の頃に描いていた”偏見の塊”であるコザのイメージ・・・コザ=外国・・・。
しかし、実際のコザの下街は”昭和の匂いのする”古い街だったりする。


下の写真・・・沖縄本島ではめずらしい木造建築の家・・・ブロック&モルタル作りの家がほとんどなのだけどまだこんな家がコザには残っていた・・・。
さらに街を闊歩(かっぽ)する。




なぁ~んか癒されるなぁ・・・”みぞれ150円”とあるのはかき氷のことだろうか???
昨日の宜野湾の屋台同様、ぜんざいとかき氷が同時で販売されている・・・何が何やら・・・

昨日は見に行かなくて良かったベイスターズの宜野湾キャンプで時間を食ってしまったため、夕方からゲストハウス周辺を散策&撮影。

平日の昼間はほとんど人通りがないコザ十字路周辺・・・まいったなぁ・・・”ときめき”がないぞっ!
しかたない・・・”昭和レトロな風景”でも撮るかっ!

小学生の女の子を撮影したあとのカット。小さくてわかりづらいが犬を抱いたオバさんが歩いている・・・。
思わず静かなシャッター音をならす・・・”カッシャ”(=カメラの”消音設定”で撮影している)。
とっ!次の瞬間、犬を抱いたオバさんがこちらへ向かって来たっ・・・ゲッ・・・何かヤバかったか・・・。
さっき撮影した小学生の女の子がまずかったのかっ・・・人生・やましい事だらけなので、めちゃくちゃ動揺する。
「あなたっ、今、何、写真、撮ってるね・・・。」
沖縄の女性は極限まで眉毛を細く揃えていて普段はかわゆいのだが、こうして凄まれるとめちゃくちゃ怖い・・・まるでヤンキーのよう・・・く・わ・ば・ら・・・く・わ・ば・ら・・・。
「あっ、あっ、あっ・・・あのぉ~・・・ボク・・・コザの街が好きで写真を撮っているんですよ・・・」
思いっきりうろたえる・・・。
「・・・そうなの・・・立ち話じゃ何だから今から家に来て話をしない・・・引っ越してきてまだ三日だから何もないけどね・・・ついて来て・・・」
荒手の勧誘詐欺か・・・はたまた新興宗教家なのか・・・まさか”春を売る人”ではあるまいなっ
やましい事だらけ&動揺しているので催眠術にかかったかのようにオバさんについて行く・・・。
案内されたのは築60年は経つという古い沖縄独特の家・・・。

「まだ何もないさ・・・。お茶でも出してあげたいんだけどね・・・まぁ~座って頂戴ね・・・」
竹富や宮古あたりでは近所のオバァ~が暇つぶしに家に招いてあれこれ話してくれる事はあるのだが、まさかコザの街でそんな目にあうなんて・・・しかも街中で・・・。
「この家はねぇ~ちょっと前までお菓子屋だったさ・・・。83歳のオバァ~が亡くなって空家になったさ・・・。家賃3万円で良いって大家は言ってたんだけどね・・・高い(=エッ、安すぎだろっ!)から300万円で買ったさ・・・」
玄関(もともそ玄関という概念がない沖縄の古い家なのだが)をはいると、かなり広い(20畳)土間があり、高床で板張りの部屋が三部屋(15畳)ある。かなり広い。奥には昔ながらの”洗面所”もある。

広い”バスルーム”も完備。

バスルームだけど私、写真人の仕事場スペースくらいありそうな・・・

「随分と広いお屋敷ですね・・・お一人でお住みになるおつもりですか・・・。」

一緒に連れてきたワンちゃん同様、部屋の中をカメラ片手にうろちょろするもオバさんは全く動揺なしっ!
同じ姿勢のままである・・・お行儀がよくちょっと上品だったりして・・・。
まるで写真なれしているよう・・・実はサイボーグだったりして・・・。
「少し前までピアノの先生をやってたさ・・・トウキョウにも少しだけ住んでた事がある・・・。まだオキナワがアメリカだった時代にね・・・。パスポートと米ドルもってトウキョウに行ったよ・・・」
「ボクは今回で沖縄は三回目なんですけど、コザは初めてなんですよ・・・。地元の方は”沖縄市”ではなく、”コザ”って呼ぶ方が多いんですか?」
「ほとんどの人は今でもコザって呼ぶね・・・でもコザだった時期は比較的短いのよ・・・17、8年しかなかったからね・・・。アメリカ人がつけた名前だからね・・・」
終始笑顔で昔を懐かしみながら話す”ピアノの先生”・・・どことなく上品な顔にちょっとときめいたりして・・・。
「ン十年前はゼッタイ可愛かったに違いないっ


「コザはアメリカ人で栄えた街なのよ。特に黒人さんは日本人に親切でね・・・見た目が怖いからみんなちょっと敬遠していたけど・・・。白人さんは結構横柄だったわね・・・。小学校の頃はよく黒人さんに可愛がられてお菓子やなんかもらったものよ・・・。」
つい先日、26日に沖縄で米海兵隊による集団女性暴行事件で裁判員裁判がはじまったばかり・・・判決は3月1日に言い渡される・・・。
「米海兵隊の事件なんて内地(=日本本土)に伝わっていないだけで、たくさんあったわよ。新聞記事にならなかっただけ・・・。知り合いの女性も何人かひどい目にあっているからね・・・。昔は今みたいに日本の警察が逮捕して裁判なんてしなかったから、みんな泣き寝入り・・・日本からもなんの保証もなかったしね・・・。ひどい時代・・・。私も年頃になると”基地には近づくなっ!”ってよく近所のオバァから言われたよ・・・」
そうだろうな・・・我々が知らないだけであれこれ事件があったに違いない・・・。
”肉食人種”は鬼畜なのかっ!!
「・・・でもね・・・内地(日本)でも卑劣な犯罪は毎日のように起こっているでしょ・・・。何も沖縄のアメリカ人だけじゃないわよ・・・。何より私はアメリカが好きだったしね・・・基地(=コザ)のアメリカが・・・。父が米軍で働いていたし、親戚も働いていたからね・・・。今でも好きよ・・・。」
10年前に沖縄を旅したときにコザの街を車通りすぎたのだが、その時はもっと”アメリカンな街”だったような気がする・・・今では”For RENT(賃貸)”と看板が増え、”シャッター商店街”となりつつある・・・。

「返還前のコザ、オキナワは良かったわよ・・・。どこへ行っても活気があったもの。それも皆基地のおかげ。昔の海兵隊は基地の外で暮らしていたからね・・・。特に上級兵は丘の上にある高級住宅地に住んでいたから・・・。でも、白人と黒人の対立は激しかった・・・。コザの街も今の胡屋(ゴヤ)は白人街、コザ十字路の辺りは黒人街みたいに別れてたし・・・。オキナワの人はどちらの地区にも自由に行き来できたけど、黒人の人は差別されてたね・・・だから日本人には優しかったのかもしれないね・・・」
返還直前の沖縄・・・ベトナム戦争やキング牧師の暗殺等・・・アメリカでの出来事がそのまま沖縄にも影響していたようだ・・・。
「返還前にアメリカ本土にも行った事があるのよ・・・」
「あのぉ~・・・当時の沖縄の人はアメリカのパスポートだったんですよね・・・」
と小学校の頃の記憶を頼りに尋ねる私、写真人。
「そう・・・アメリカと同じパスポート。でもオキナワのパスポートは違っていて、アメリカ本土は”U・S・A(United State of AMERICA)”でしょ!?オキナワのパスポートは”U・S・O(United State of OKINAWA)だったのよ。日本に行くよりアメリカに行くほうが楽だったしね・・・。アメリカのカリフォルニアに行ったけど、本土のアメリカよりオキナワのアメリカの方が好きだったわね・・・独特のアメリカ文化があったから・・・。そうそう・・・今でも数は少ないけど、当時のままのレストランが残っているから今度一緒にお食事でも行きましょうか・・・初対面でこんな事厚かましいんだけどね(笑。ヒマがあるなら一人で行ってみても良いかもね・・・あとで場所を教えるから・・・」
げっ、いきなり食事の誘い・・・かなりときめく・・・女性から食事に誘われたのは何年ぶりだろう・・・
ちょっと・・・”暴走”しそうになったので丁寧にお断りをいれる・・・。
ピアノの先生は気を良くしたのか、当時のコザの事や沖縄の事をあれこれ語ってくれた・・・。
”・・・ン十年前ならゼッタイに断ってないなっ

がっ!
・・・ふと気づくと辺りは真っ暗になり・・・ゆう4時間の時間が過ぎていた・・・喉も乾いた・・・お腹もすいた・・・飲まず食わずの4時間・・・でも・・・あっという間に時間が過ぎる・・・。
引っ越したばかりの部屋なので何もないのは仕方ないのだけど・・・。あまりにも話に夢中&聞き入っていたのですっかり我を忘れた私、写真人・・・気が利かず・・・ちょっとコンビニでも行ってお茶やお菓子くらい買えば良かったのだけど・・・それくらい・・・”ときめいていた”のである・・・。
もう少しお話がしたかったのだが、時計の針は22時・・・。
「あのぉ~・・・最後のお写真撮らせてもらって良いですか・・・」

女優の渡辺美佐子に似てるなぁ・・・って知らないかっ!?
「ではまたお逢いしましょうね・・・暖かくなったらまた来てくださいね・・・その時はこの部屋もAmerican Furnitureで綺麗にしてますから・・・」
ピアノの先生・・・返還前は英語教育を受けたいたおかげで日常会話くらいの英語なら問題なく話せるという・・・。
・・・”暖かくなったら”・・・って、今でも十分に暖かいのだけど・・・
あれこれ書きたい事は山ほどあるのだが・・・ありすぎて大変・・・いずれ何かにまとめてみたいのだが・・・。
ピアノの先生と別れ、歩いてすぐのゲストハウスへ戻る・・・お腹が珍しくグゥ~グゥ~鳴っている・・・さすがに腹が減ったっ




とっ!
ゲストハウスに戻ると”三線アメリカンヤロ~”が瞑想にふけっているではないかっ!

オイッ、オイッ・・・こっちは腹が減ってフラフラなんだからつまらん事をするでないっ!
余計に腹が減ったではないかっ!何か食物を探しに行かねば・・・。
そうだっ、ゲストハウスの近くに良さげな食堂があったぞっ!
「・・・あぁ~あそこの食堂でっしゃろっ!やめときなはれっ!安くて美味いけど、働いてるオバはんがめっちゃ無愛想なんですわっ!写真なんて撮ろうもんなら包丁が飛んできまっせ!!地元の人間しか行ってないさかい、我々みたいな”内地の人間丸出し”の人間には無愛想なんですわ!!」
アドバイスをくれたのは沖縄にゲストハウスをオープンさせるために関西から下見に来た”小マンモス西”。
・・・それだけ関西弁で喋れば内地の人間とすぐわかる・・・!?
でもさすがに厚かましい関西人・・・安さと美味さでオバさんの痛い目にも負けず、毎日通っているという・・・。
ハァ~・・・腹減った・・・。
とっ!

今年の春からこのコザで働く事が決まってアパートの下見に来たバイク乗りの”真面目なNクン”が弁当を持って帰ってた。
「22時過ぎるとお弁当全品半額なんですよっ!まだ結構あったんで間に合いますよっ!」
歩いて5分ほどの場所にあるスーパーだがスクーターで速攻向かう。
普通サイズの天丼(280円が140円)と得体の知らない(沖縄名なのでわからない)魚の刺身とオリオンビールを二本買い食事を済ます。
ヤロ~三人でとぐろを巻いていたら日付もかわり、夜中になっていた・・・。
まぁ~良い・・・これがゲストハウスの生活だっ・・・出会ってすぐ親しくなれるのは皆、ビンボ~旅行だからなのであぁ~る・・・目的違えど、環境同じ・・・
はぁ~うだうだしてても時間が過ぎるのは早い・・・やっぱカンゼンに”堕ちる”には最低二週間は必要だな・・・。
四泊五日じゃ短すぎるっ!!
「22時過ぎるとお弁当全品半額なんですよっ!まだ結構あったんで間に合いますよっ!」
歩いて5分ほどの場所にあるスーパーだがスクーターで速攻向かう。
普通サイズの天丼(280円が140円)と得体の知らない(沖縄名なのでわからない)魚の刺身とオリオンビールを二本買い食事を済ます。
ヤロ~三人でとぐろを巻いていたら日付もかわり、夜中になっていた・・・。
まぁ~良い・・・これがゲストハウスの生活だっ・・・出会ってすぐ親しくなれるのは皆、ビンボ~旅行だからなのであぁ~る・・・目的違えど、環境同じ・・・

はぁ~うだうだしてても時間が過ぎるのは早い・・・やっぱカンゼンに”堕ちる”には最低二週間は必要だな・・・。
四泊五日じゃ短すぎるっ!!