NEC、日立、東芝、富士通等冠たる企業が世界のシェア50%以上を占めていた。
・・・しかしそれも20世紀までの話・・・。
先月、日本の半導体産業、最後の砦となるエルピーダメモリ株式会社が万策つきた形で会社更生法の適応を申請した。
マイクロソフト社のWindowsの登場以降、半導体はアメリカ(=&インドの技術)が主導を握るようになり、21世紀になると韓国(=サムソン、ハイニクス等)や台湾のメーカーによる製造技術の向上と価格下降による汎用性が高くなった。
多くの日本の半導体メーカーは優れた半導体を安く製造するために設備投資>半導体価格という”負のスパイラル”に陥ってしまう。
安くて精度の高い半導体を製造するには、より優れた高価な設備が必要となってしまった。
他国との競走では同じスタートラインに立つ事ができず、国内外メーカーとの提携で打開策を模索していたのであるが、時すでに遅しの状態・・・。
今後はこれまで優秀な技術者をアメリカ、韓国に送り込んできた中国、インドあたりの動向も気になるところである。
話変わってハリウッド。
今年の第84回アカデミー賞はフランス映画「アーティスト」が作品賞を初め5部門を受賞した。
1927年のハリウッドを舞台にした恋愛”サイレント”ムービー。
サイレントムービーといえばキートンやチャップリンくらいしか思い浮かばない。
”サイレント(=静かな)”の文字のごとくセリフなどの吹き替え、音声は一切なく音楽が流れるだけである(字幕あり)。
サイレントムービーの受賞は第1回アカデミー、作品賞「つばさ」以来83年ぶりという快挙。
作品賞のノミネートには3Dを意識した「ヒューゴーの不思議な発明」やストーリー性を重視した「戦火の馬」などを押さえての受賞。
まだ観ていないのだが、是非観てみたい映画である。
アカデミーの作品賞といえば近年では「トイストーリー3」や「アバター」などデジタルグラフィックスを駆使した作品がノミネートされてきたがサイレントムービーが受賞するとは・・・。
そろそろハリウッドも映画本来の面白さを追求していくのかも知れない・・・。
でっ!写真!
日本のデジカメ産業は世界のシェア8割を超える。その製造に付随して各パーツメーカー(半導体等の電子パーツ)も日本のデジカメ産業の恩恵で国内外各社潤っている。
まさにデジタル写真全盛で最近では携帯電話やiPhone等の末端機器でもきれいな写真が気軽に、誰でも取れるようになった。
67歳から携帯電話を持ち始め、今年70歳になる私、写真人の母も気軽に携帯電話で写真を撮りそれをメール(やたらと絵文字が多いので読みづらいっ!)で送る。
これが結構様になっている写真だったりすると、歳を取って写真を撮る母の技術よりも、歳を取った母でも写真がきれいに取れる日本のデジカメ技術に舌を巻く。
こうして”一億総国民カメラマン”となると、自慢の一枚や、珍しい一枚を気軽にWeb等にアップして皆で写真を楽しめるようになる。
カメラマンor写真屋さんの存在とは何か!?
エルピーダのように設備投資(=最新のデジ一眼等やパソコン)がかさみ、ビジネスとしてのあり方が問われてくる。20世紀のように写真と撮るという技術(or魅せるという技)は、21世紀になりもはや特別なものではなく、大衆化の波が訪れている。
エルピーダのように破産寸前のカメラマン業。その結果がこちら↓

昔・・・まだデジカメが登場する前は証明写真といえば街の写真屋さんへ行き、大きなストロボを焚いて撮影してもらったものだが・・・女性ならいつもより化粧を濃くしたりして・・・。
私、写真人が高校生だった頃、映画の入場料と証明写真の値段が同じくらいだった時代だった・・・。
21世紀になると、証明写真は自販機のような機械で写真を撮るとうになっている。しかもサイズの指定もでき、数枚の写真ができあがる・・・1枚300円・・・コーヒー一杯並みの値段・・・。
撮影になんの技術もない・・・お金を入れてただ備え付けのイスに座るだけである・・・。
もちろん、この”証明写真自販機”を作った技術者はすごいのだけど・・・そこにはカメラマンなんて意識は無いっ!
とっ!
これではマズイので何とかフランス映画「アーティスト」のようにアナログで踏ん張る。

幸い、まだ大手カメラ店でもフィルムは売っているようだし現像も可能・・・店員さんのかわいいおねぇ~さんに尋ねたら、カラーネガの現像は一日100本も無いらしい・・・。モノクロフィルムにいたっては販売が一日50本以下とか・・・(大手量販店にて)。
生き残りをかけてフィルムに戻るかっ、同志よ・・・募る・・・。
フィルムは独特の雰囲気があり質感、空気感が好きな私、写真人。

元々、フィルムが好きで写真を始めたのでデジタルはど~も性に合わない・・・。
・・・飽きてきたというウワサもあるが・・・
