1000円のエビフライ定食は・・・。 | そうべいのブログ

そうべいのブログ

ブログの説明を入力します。

”福島県・いわき市”
という書庫を作ったせいか、ただでさえアクセスの少ないこのブログ・・・ちょっとだけアクセスが増える。
今朝は地元・いわき市の方々からのコメントも一件頂いたのでちょっとだけ私、写真人からのコメントも・・・。

今回の震災では大きな被害を受けたのは津波の影響が大きかった海岸部が中心。
だが、福島県は原発事故も重なりより大きな被害となっている。
震災の被害状況についてのマスコミ報道の数が減る分だけ、人々の震災への関心も減ると思われる。
この震災の前には宮崎県の新燃岳噴火があり、宮崎県は口蹄疫、鳥インフルエンザ、新燃岳噴火と県が大打撃を受けており、今ではその事を報道するメディアはほとんどない(地元メディアのみ)・・・。
未だに宮崎県の方々は大変なご苦労を虐げられている・・・。

情報の風化・・・というのは恐ろしくて、特に大きなマスメディアでは情報化社会のため、ありとあらゆる情報を処理しきれていないのが現状。被害の大きかった地域からの情報が優先されがちになる・・・。

私、写真人の実家がある九州でも未だ宮崎県の震災については話される事が多いという・・・。
この九州の問題も実家(=大分県ではあるが)に帰った際にはスケベ根性で見てみよう!

でっ、いわき市!

今回の震災で巨大メディアが報道するのはカミサン(=神さん)の田舎でもある被害を受けた南三陸町等、東北・三陸地方が中心。いわき市に関する情報は少なくともこうしてキーボードをたたいている関西地方では流れてこない・・・。もちろん、一部ではあるがあってはならない噂や憶測が錯綜している。

「いわき市に言ってくる!」
と言うと・・・。
「放射能は大丈夫なのっ!」とか「食料は持っていかないと地元のものは食べられないよ!」とか
「ガソリンがないらしいから帰ってこれないかもしれないよ!」等々・・・。メールや電話が届く・・・。
関東地方でも様々な憶測が流れている・・・。・・・こんな風に思われては地元はたまらないであろう・・・。
私、写真人の家族も被災者家族になってしまったので、あまりこのような発言は聞きたくないのだが・・・

では、地元はどうかっ!?
「興味本位で来やがてっ!」とか「いわきで生活した事あるのかよ!」とか「震災で金儲けするなよ!」とか様々なご意見があると思う・・・。
もちろん、根がアホなので興味本位もあるし、いわきでは生活すらしたこともない。震災で金儲けできるほど、甘い世界で暮らしていない・・・。
でも、いわきで生活していなくても、皆、同じ日本で生活はしている。

結局は生活をしている関東のヤロ~達からでも、いわき市の方々からでもアホ扱いなんだけど・・・
アホは今始まった事ではないので軽くスル~する・・・。


当然、海外のメディアはいわき市にはいない。
アメリカのメディア(VOA=公共ラジオ)では原発の周辺80キロ圏内を屋外退去すべきだと報道している。そうなると、おもな福島県の市ではいわき市や郡山市も圏内に入ってくる。
まぁ~こんな事を書くとまた混乱を招きそうなんだけど・・・
でも、そのアメリカも本格的に原発処理を始めてきたので許そうか!?

てな訳で、実際にいわきに行かなくてはと思った次第である。
震災の被害状況を知り、被災地以外(特に首都圏)で流れる風評を少しでもなくす・・・とりあえず、現地にいかなければ能書きは書けないであろう・・。

でっ!

小名浜港に近づく。
湾岸部の埋め立て地という事もあり道路がひずんでいる。地震の大きさを物語っている。
イメージ 1

さらに湾岸線と道路を進むと・・・道路工事かっ!・・・いやっ、違う・・・巨大な台船(=荷物を運搬する船)が道路をふさいでいる・・・”ひぇ~・・・何これっ、どうしちゃったのっ!・・・である。
イメージ 2

小名浜には大きなセメント工場があり、数多くのタンカーやこうした台船が停泊している。
イメージ 10

道路に”君臨”している台船の周りでは何やら作業が始められていた。
「お仕事中、スミマセン・・・。この船どうするんですか・・・。」
「どうするもこうするも見ての通りだよ。とりあえず撤去をしないとどうしょうもないからね・・・。船は廃船だね。
古い船だからまぁ~少しはマシだけどね。あっちに見えるもう一艘はまだ比較的新しいのだけど、あちらも廃船にするしかないね・・・。」
イメージ 11

聞けば重量は700トン近くあるという。10トントラック70台分!
行政からの撤去のための具体的な補助金等はまだ示されていないという・・・。
イメージ 12

「何ヶ月くらいかかるんですかね・・・。」
「そんなにかからないよ。解体自体は3,4週間あれば終わると思う。ただ、解体した後の鉄くずをどう処理するかが問題だね。大型船で運びたいのだけど港も復旧していない状況で入ってこれないし・・・。積荷(=工場の資材)は大丈夫だったのでこのまま大型クレーンで下ろすけどね・・・。」
「・・・大変な損害ですね・・・。」
「どれくらいの損害になるか・・・計算できないね・・・。流された車の場合はレッカー車で引き取ればそれで終わりだけど、こうした大型船はそういう訳には行かないからね・・・。」
作業の脇を災害にあった車を積んだトラックが走る。
イメージ 13

漁業だけだ連日報道されているが、工場をかかえる港では陸地でも大変な作業が行われている。

・・・とてもじゃないが・・・エビフライ定食は食べられそうもない・・・。

小名浜の観光港&漁港へ。
イメージ 14

ボードウォークが破壊されている。その奥にあるレストラン街も大きな被害。
イメージ 15

海の目の前・・・津波が店内を通りぬけたという。今は各店舗の方々が協力して店内の瓦礫の撤去をしていた。
イメージ 16

「こうして瓦礫を毎日だしているけどね・・・。なかなか市も取りに来てくれないんだよね・・・。市のゴミ処理場もパンク状態で大変だから仕方ないのだけど・・・。でもこれだけの瓦礫を民間に頼むとなるとまた大変な費用がかかってしまうし・・・どうしようもないね・・・。」
レストランを経営している方に話を伺った。考えてみればいわき市のゴミ処理場も大変な事になっているに違いないっ!
「あそこに水族館(=環境水族館アクアマリンふくしま)が見えるでしょ。幸い、被害が少なかったから今月から再開するみたいだけどね・・・。ゴールデンウィークまでには何とか我々も営業をしたいと思っているんですよ。
・・・もちろん、元通りのレストランの営業は無理でもせめて屋台形式でも良いので営業できればと思うのでね・・・。また、たくさんのお客さんに来てもらいたいですね・・・。」
「・・・あのぉ~・・・こんな時期にアレなんですけど・・・浜辺で海産物を食べられる所なんてありますかね・・・。」
「海沿いは壊滅だからね・・・。被害を免れても営業が出来ていない所がほとんど!原発の汚染処理水の問題もあるしね・・・。福島は震災より原発事故の影響が大きいよ。震災から復興できても以前のようにお客さんが来るかどうか疑問だね・・・。」
「皆さん、マスクとかしてませんよね・・・。・・・大丈夫なんですか・・・」
風向きによっちゃ~内陸の郡山市のほうがヤバイ時があるからね・・・。目に見えない被害だけはどうしょうもないね・・・。
「再開、がんばってくださいね。うちの子供たちは海&水族館好きなので再開したら遊びに来ますよ。」
「お待ちしてます・・・。」

さて、エビフライ定食(=しつこいかっ!)
磐越道ができてから、夏の福島競馬の帰りは込み合う東北道を避けいわきにはちょこちょこ立ち寄った。
小名浜港にある市場食堂の海産物はどれもおいしくてボリュームたっぷりだったのだが・・・。
でっ・・・
イメージ 3

こんな具合・・・。きれいに見えるのは市場にあったすべてに機材や資材が津波で流されてしまったからだ。
漁師の方々にもお話を伺おうと思ったのだが、誰もいない・・・。
「こんなんじゃ~漁どころじゃないからね・・・。船もほとんど流されてしまったしね・・・。」
近所で雑貨店を営むオバサンに聞いた。
イメージ 4

イメージ 5

港には水上警察隊がある。もちろん今は警察隊も機能していない・・・。
イメージ 6

水上警察隊の建物の窓から港を見る・・・震災当時どのような事がおこったのか、水上警察の皆様はどのような活動をなさったのか・・・想像を絶してしまう・・・。

市場の裏の道は震災の直後から復旧が進み車が通行できるようになっているが、電気が届いていないため信号は消灯したままである。
イメージ 7

港には誰もいない・・・。
とっ!携帯電話で港を撮影しているオジサングループがいた。聞けば茨城県から来たという。
「震災の前は良く釣りに来てたんだよ。茨城も被害が大きかったけど、ここまでではないね・・。
気になってね・・・様子を見に来たのさ。船宿やつり船もすべてやられてるね・・・。」
イメージ 9


市場だからであろう・・・県外からの車も目に付いた・・・。
震災時に他県からこの港に来た方々も多いはず。
イメージ 8

宮城県ナンバーの車発見!
仕事先で震災に遭い、地元でも震災・・・この車の持ち主の方は大丈夫だったのであろうか・・・。
スクラップとなっている車をみるたびに持ち主の安否が気になる・・・。


市場をウロウロしていると、視察にきていた市場の方に声をかけられる・・・。
立ち入り禁止区域だったのかっ・・・ヤバイッ・・・。
・・・でも、いつもJRAの競馬場でもやっているので慣れている・・・って、慣れちゃ~マズイんだけど・・・
「アンタッ!」
「・・・へっ、へっ・・・ハイッ!」
「アンタッ、どこから来たんだ!」
「かっ、かっ、かっ、神奈川県からです・・・」
「他県かい・・・。なら、この先(小名浜港から北)に行って見るといいっぺ!もっと悲惨だっぺよ。
”豊間”って知ってっか!?写真屋ならそっちもいっぺい撮ってやってくれやっ。」
「そんなにヒドイんですか!?」
「ヒドイなんていうもんじゃ~ねぇ~っぺよ。どっこも撮影なんか来ねぇ~からな・・・。この辺はまだマシだっぺ!
水族館も開くっていうくらいだからな・・・。豊間に行ってくっといいど・・・」

”豊間”・・・今までに耳にした事のない地名・・・。
って、単に我が家では新聞も取ってないし、ネットもこのブログ以外ほとんどやらないし、テレビもないせいかも知れないが・・・

やはり現場に来ないとわからない事がたくさんある・・・とっ同時に己の無知さ加減を知るのだけど・・・


★注意★

ここの記載されている写真と本文は関係ありません。
また、個々の発言についてもあくまでも地元個人の方々意見であり、
私、写真人の意見&いわき市民全体の意見ではないという事です。

プライバシーの保護のため、お話を伺った方々の個人情報等は一切公表致しません。
また、関係者からの要望により記事の削除、修正をする場合があります。