ベトナム競馬、これが調教です! | そうべいのブログ

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ベトナム競馬の馬は東南アジアの在来種、小柄な馬達である。
馬体重はサラブレットの半分以下くらいだろうか・・・。
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厩舎もそんな馬達に合わせ実にコンパクト・・・というより、少々養豚場に近いような・・・(失礼!。
・・・いやっ、厩舎というよりはまさしく”馬小屋”に近い。
その馬小屋は調教師の家に隣接している・・・というより、家の一部になっている。
自宅=馬小屋なのである。
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南国のベトナム、暑さ対策からか”馬小屋”には壁がない・・・。
普通は寝ワラを敷き詰めるところであるが、やはり南国のベトナム・・・虫がわくので寝ワラもない。

だが、彼らは立派な競走馬なのである。

一頭の値段は平均30万円ほど。
平均的なサラリーマンの月収が12000円ほどのベトナム人にとってはかなり高価な買い物となる。
ベトナムの街を走りまくっている50ccのバイクが約30万円ほど・・・。バイクと同じ値段なのだ。
中には100万円近くする馬もいるらしい・・・。
どんな人たちが馬主になるのかと思えば、そのほとんどが中国系ベトナム人・・・いわゆる”華僑”の人たちだ!

中国人・・・世界一ギャンブルが好きな人種・・・。

日本と違うのはアメリカ競馬同様、調教師も自ら馬を持って走らす事が出来るのである。
ほとんどの調教師は自分の馬を持っている。中には自分で馬を生産して走らす人もいる。
生産→調教→レース→賞金という図式。強い馬であれば丸々己の利益となる。
反対に馬が走らなければ・・・明日の飯さえ困る事に・・・。
まさに勝負の世界なのだ!
・・・日本の調教師もこのシステムで馬を走らせて欲しい・・・。
生産>馬主>調教師という図式の日本の競馬では、多分、半分以上の調教師は”廃業”追い込まれるであろう・・・。

だが、中央競馬の調教師は皆お金持ちである・・・。

勝負の世界というより、”ビジネスの世界”の日本の競馬。

ベトナムの調教師は皆、真剣。家族を養っている。人生を賭けている。
・・・もちろん馬券も買っているいる(=公認なのであろうか・・・?良くない気がするが・・・。
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いくら素質のある馬でも調教は不可欠。
それは日本もベトナムも一緒。

だが、日本のような”金満競馬”で何十億もかけてトレセン(=競馬の調教施設)をつくるほど、
ベトナム競馬は豊かではない。馬専門のトラックも競馬場以外にない。

では、どこで調教をするのか!?

一般道で行うのである。
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厩舎・・・いやっ、馬小屋は調教師の自宅とくっついている。
調教師の家はごくフツ~のところにある(放牧用に若干広い土地に住んではいるが・・・。
で、馬小屋から自転車で馬を出し、そのまま馬を引いてゆけば調教という事になる。

一般道で調教をやるので、交通の激しい幹線道路や国道では馬を引いて自転車では走らせられない。
そのため、交通量の少ない学校周辺や、団地の中で馬を走らすことになる。
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ゆっくり自転車を走らせながら馬を引く・・・。どぉ~見ても競走馬の調教に見えないが、調教なのだ。
一年を通じて、日中は30度を越えるベトナム(競馬場のあるホーチミン)・・・。
長い時間は調教にはかけられない・・・。
馬も疲れるが人間も参ってしまう。せいぜい3.40分ほどで終わる。

ベトナム競馬はダート競馬しかない。
調教でやれ”坂路だっ!””ダートだっ!””ウッドチップだっ!””ポリトラックだっ!”などと細かい事は言わない。

”アスファルトだっ!”

・・・という事になる・・・恐ろしい・・・しかも照り返しが暑そう・・・。

こんな調教なのだが骨折等の故障馬はいない。ベトナムの馬達はタフなのである。

調教が終わればもちろんお食事。
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燕麦にトウモロコシ・・・ニンニクも少々・・・。その他、得体の知れない粉末(薬物!?)・・・。
・・・結構な臭いがする・・・おえぇ~~~・・・・。

で、お休みの前に”一本いっとく”のも忘れないっ!!
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体が出来た馬からレースに使っていくのである。
目標のレースなんていうのは基本的にない。
馬の状態に合わせてレースを使ってゆく。だから馬の故障が実に少ない・・・。

こうして調教された馬達が競馬場でレースをするのである。
・・・競馬新聞は”一応”売ってはいるが、そんなモンはまず当てにはならない・・・。
馬を走らすほうも勝つかどうかわからない・・・。
馬券を買うほうも勝つかどうかわからない・・・。

競馬の真髄がベトナム競馬にはある。

競馬新聞を買い、調教欄、コメント、予想を熟考し、展開、騎手の位置取り等を考える。
さらに、コンピューターやインターネットで馬場差や時計差・・・はたまた訳のわからん数値を参考する。
当日は、パドック&返し馬の気配、馬体重とうを考慮して馬券を買ってはハズしている競馬ファンの皆様・・・。
一度、ベトナム競馬の馬券を買ってみると良い・・・。

”競馬って所詮、お馬ちゃんの駆けっこなのね・・・!”

と当たり前の事に気づく・・・。

そうなると、もはや馬券に関しては”仙人の境地”で目をつぶって馬券を買うようになる。
それが私、写真人であるが、ここ数年年間馬券では負けていない・・・。
競馬も”お馬の駆けっこ”として純粋に楽しめ、馬券も”当て物”感覚で楽しめる。

つまらん邪念は捨て、仙人の境地で競馬を楽しみましょう・・・ってかなり無理があるか!?