騎手のエージェント考・・・その五。 | そうべいのブログ

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★まず、はじめにお断りを。写真と文は関係ありません。★

以前の”へたれ記事”はこちら↓
その一;http://blogs.yahoo.co.jp/canon_a1_chichichi/23683798.html
その二;http://blogs.yahoo.co.jp/canon_a1_chichichi/23969839.html
その三;http://blogs.yahoo.co.jp/canon_a1_chichichi/24318297.html
その四;http://blogs.yahoo.co.jp/canon_a1_chichichi/24841454.html

ドバイ・ワールドカップが終わった。
予想通り、日本馬惨敗。惜しいとこなんてまるでなし!
勝った馬はサイコ~に強かった。

「日本みたいな国で競馬してたら国際レースでは通用しないよ・・・」
とはある騎手の言葉。
「日本はペースもぬるいし、レースでの騎手の駆け引きや馬の扱いがまるで違う。
今後、日本の馬が国際レースに挑戦していく以上、騎手はもっと技術を磨かないといけないね・・・。」

競馬は実に勝つ事が難しい。

エージェントを通じて少しでも勝てそうな馬に乗せてもらうという騎乗スタイルはすっかり定着してしまった。
”騎手の一勝は馬のおかげ(=エージェント)”・・・と言えないこともないが、それでも勝つことは難しい。
世界の競馬の歴史を見てもわかるが、20戦以上戦って無敗の馬など数えるほどしかいないのである。
競馬はいくら体調が万全の有力馬でも負ける場合がほとんどと考える私、写真人。
騎手を乗せずに馬を走らせたら強い馬はどこまでも強いだろうとも考える。

エージェント。

そんな事は騎手が一番わかっている。
でもほとんどの騎手がエージェントを通じて騎乗馬を依頼する(=もしくは依頼される)。
では、エージェントに頼らない騎手は勝てないのであろうか!?

もちろん、勝てる。

エージェントに頼らない騎手はいったいどうしているのだろうか!?
昔なら騎手も所属の厩舎があり、自厩舎の馬に乗っていれば年間二ケタは勝つ事が出来た。
今はほとんどの騎手がフリー。どうやって騎乗馬(勝てそうな馬)を探すのであろうか!?
話を聞いて見たいのだが成績を調べてみると、関東リーディングの20位くらいまでの騎手は
ほとんどがエージェントに頼っている。
20位以下となると平均年間10勝台だ。かなり格差がある。

重賞を勝ったのは数年前になる騎手のNクン、30代。一般社会なら働き盛りだ。
最近は10勝台である。重賞に乗る機会もずいぶんと減った。

「エージェント、頼ってないよね・・・」
と私、写真人。
「エージェント??必要ないからね。スタンスの違いだね。オレは古いタイプの騎手だから・・・。
普段から厩舎回って調教に乗ってレースに出てその馬の能力を出してやる。
少しでも良い競馬をすれば、厩舎のスタッフも馬主さんも喜ぶしね・・・。」
「でも、エージェントに頼って情報を聞き出せばもっと勝つ可能性のある馬に乗れるんじゃないの!?」
「確かに勝率はアップすると思う。ただ、それだけじゃね・・・。
競馬って勝つ事はもちろん大切だけど、馬や人を育てるのも大切だと思うよ。
負け惜しみに聞こえるかも知れないけど(笑。
美浦のトレセンに何千頭という馬がいて勝つのはほんのわずかでしょ。ほとんどの馬は勝てない。
勝てない馬はほおっておいていいのかっ・・・っていうとそうじゃない気がするね。
少しでも、上を目指してやらないとかわいそうでしょ!」
「・・・でも騎手としても勝ち鞍をあげないと面白くないんじゃないの!?」
「馬も多いけど、中央競馬は騎手も多いからね。誰かが”縁の下の力持ち”をやらないと、皆勝てなくなる(笑。
ただ、最近はエージェントのおかげで厩舎と騎手の間の信頼が揺らいでる部分もあるね。」
「・・・と言うと!?」
「オレは調教に乗って馬を癖を見抜いたり、馬を育てた上にレースに出たいと思うわけ。
海外の騎手は乗るだけだけどね。まぁ~その辺の考え方が古いんだけど・・・(笑。
厩舎もレースでの騎乗に関しては”エージェントにお任せ”っていう事があるから、
普段、調教をつけていても平気でレースでは違う騎手に依頼する。調教だけの騎手には”はいっ、今週の調教代!”って調教料(=一頭1000円)だけ払って終わりなんていう調教師が一杯いるよ。」
「・・・いわゆる、”調教騎手”って事だね。そりゃ~騎手をバカにした話だね。」
とちょっと怒りの私、写真人。
「仕方ないよ。調教師も成績上げたいから少しでも良い騎手に乗せたいっていう気持ちもわかる。
でも、それでもなかなか勝てないのが競馬だからね・・・。でもそれはまだ良い方。
今までレースで騎乗してきた騎手を降ろして、エージェントからの依頼に平気で騎手を変える厩舎もあるからね。
たまに馬主さんから電話で相談を受けることもあるよ。”何で騎手を変えたの!”ってね。
”当事者じゃ~ないのでわかりません・・・”って答えてる(笑。なんか人間関係が希薄になるつつある感じだね・・・。」
「いわゆる騎乗予定の”ドタキャン”でしょ!
馬主もすべての人が武豊やアンカツに乗ってもらいたいと思っているわけじゃないし・・・。
本来の”馬好き馬主(=良い意味での”道楽馬主”)は自分の馬や騎乗してもらっている騎手の成績が上がるのを楽しみにしている人もいるからね・・・。」
「まぁ~競馬の世界も二極化が進んできたって事だろうね。
オレは単に馬好き、競馬好きなんで今のままでも全然OKだけど・・・・・・。」

8時40分の調教予定馬がスタンド前に現れたため足早に去って行ったNクン。
どこか諦めムードがあるか・・・なんて考えていたが、今の”競馬ライフ”をエンジョイしているようだ。
”お抱え”の厩舎もいくつかあり楽しいという。

そう言えば、騎手時代に活躍して引退後、調教師になった人が調教師として振るわないのは現在のような競馬事情もあるのだろうか!?
勝てる馬ばかり乗ってきたので、馬の本質を見抜けなかったりして・・・・(馬を育てられない?)。
ビジネスライクで騎手をしてきたので、厩舎のスタッフや馬主とも折り合いが悪いのかも知れない。
現時点での東西調教市リーディング20位以内でで元騎手の調教師は6人(3月29日現在)。
いずれも騎手時代、リーディング争いとは無縁だった調教師の方々ばかりだ。