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テクニカルガイド6-1

オーバープリントとリッチブラック
「オーバープリント」「リッチブラック」の設定には十分ご注意ください。

オーバープリントとは?
弊社の印刷工程では、基本的に「ブラックオーバープリント」の処理を行います。
印刷機上では紙の収縮等により見当ズレ(CMYKインクの微妙なズレ)が発生する場合があり、罫線や細かい文字など若干ズレて印刷されてしまう事があります。特にK100%の罫線や文字は白い隙間が目立つので、K100%のオブジェクトのみを下のオブジェクトに対して上にのせた状態にします。
この「ブラックオーバープリント」の処理により、K100%のオブジェクトの回りの白い隙間は目立たなくなります。
「ブラックオーバープリント」処理をしない方が良い場合もあります。 下記の「リッチブラックについて」をお読み下さい。

リッチブラックについて
K100%は下地の色が完全に見えなくならないため、下にあるオブジェクトが若干透けて見えてしまいます。
そのため、広い面積の場合や重なりあったオブジェクト(イラスト等)は、下地の色が目立つ事があり、下地が見えない工夫をする必要があります。
回避方法としては、K100%に他の色を1%ずつでも混ぜると「ブラックオーバープリント」の処理はされませんので、ほぼK100%の色で印刷され下地の色は目立たなくなります。K100%のみでは濃度が足りない場合、「リッチブラック」にすることで黒をより黒く出来ますが、その場合のカラー設定に注意が必要です。



リッチブラックの注意点
Kが100%として、CMYKの総量が320%を超えないようにして下さい。
これは印刷の問題で、例えばCMYK全て100%の総量400%のデータで印刷した場合、インクの乾きが非常に悪く、紙の収縮が激しくなったりインクが裏写りしたりするため印刷品質に問題が起こります。


「リッチブラック」を罫線や文字部分で使うと、紙の収縮等により見当ズレが起こるとK100%以外の色がずれて見えてしまいます。どうしても必要な部分のみ設定をして下さい。

RGBで作られたデータをCMYKに変換すると「リッチブラック」と同じような設定になります。
モニタ上ではK100%に見えても実際はCMYKに色が入っています。そのまま1色で印刷すると濃度が足りない印刷物になります。グレースケールに変換すると正常なカラー設定に戻る場合がほとんどですが、この場合の意図したものでは無い「リッチブラック」の設定には十分注意して下さい。

「オーバープリント」に関するトラブルが非常に多くなっています。
アプリケーション上で、意図していない部分に「オーバープリント」が設定されている場合、その設定が有効になります。特に、白いオブジェクトの「オーバープリント」設定は、白抜きにならず透明になり消えてしまいます。一般的なプリンタの出力では「オーバープリント」の設定がうまく表現出来ない場合がほとんどです。オーバープリントプレビュー機能を使用してモニタ上で確認し、アプリケーションでの設定に注意して下さい。




おはようございます。
DTP課のTです。

今回、テクニカルガイド部分で長くなったので、
2部構成とします。

解説、雑記等々は後ほど。